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side アラステア

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「えっっ!ほ、本当なのかい!?」

「……酷いな、スコット……
そんなに驚くようなことかい?」

「い、いや、そうじゃなくて……
ただ、その……」



彼の反応は予想通り…いや、それ以上に大きな驚きを感じたようだった。
スコットは、僕とは違ってとても素直だから、なんでも態度に現れるんだ。
それにしたって、驚き過ぎだよ。
焦って、まともに言葉もしゃべられなくなるなんて……
僕が思わず吹き出すと、彼もそれにつられて笑い始めた。




僕は、スコットに、好きな人が出来たことを打ち明けた。



口ではあんなことを言ったけど、彼が驚くのも無理はない。
普通ならもっと子供のうちから異性に関心が出て来るものだろうけど、僕は今まで女性を好きだと思ったことは一度もなかった。
女性に限らず、人間そのものに愛情を感じたことはまずなかったんだ。
両親のことでさえ好きだと感じたことはない。
唯一好きだと思うのは、スコットだけだ。



そんな僕に好きな人が出来たんだ。
僕自身、そんな感情を持つ日が来るなんて思ってもみなかった。



「それで……どんな人なんだい?」

「……それは秘密だよ。」

訊かれたくなかったことを訊かれ、僕は、ふざけた調子でそう答えた。
どう答えるのが一番良いのか、わからなかったから。



「……何か、問題があるの?」

スコットが心配そうな顔でそう訊ねた。




「問題…?
そんなものは何もないよ。
僕は、その人のことを愛している。
その人も、僕のことを愛している。
……ね?何の問題もないよね……」

ちょっと無理をした答えだった。
嘘を吐いたわけじゃないけれど、真実だとも言い切れない。
彼はきっとそのことを感じたんだ。
だから、何も答えず、じっと僕をみつめてたんだと思う。

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