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イルマとデイジーの昼食を作り、アルバは、お客様を乗せて、向こう岸へ舟を着け、午後のお客様を乗せて帰ります。
ぐーぐーと鳴くお腹の虫を落ち着かせるため、アルバが、台所で慌ただしくスープでパンを流し込んでいると、イルマの声がしました。
「アルバ!どこにいるんだい!」
「は、はい、ご主人様!」
パンを無理やりに飲み込んで、アルバは声のする方へ走りました。
「アルバ、私は今から占いをするから、デイジーのお守りを頼んだよ。」
「はい、わかりました!」
デイジーは真っ赤な髪をしたまだ幼い女の子です。
アルバは、デイジーを連れ、占いの邪魔にならないように庭へと向かいました。
(あら、あんなところに綺麗なお花が…)
アルバは、庭の片隅に赤い可憐な花が咲いているのをみつけました。
あれを摘んで部屋に飾れば、お客様にもイルマにもきっと喜んでもらえると考えたのです。
アルバは夢中で花を摘みました。
夢中になりすぎて、デイジーがいなくなっていることにも気付きませんでした。
不意に聞こえた大きな水音で、アルバははっと我に返りました。
ぐーぐーと鳴くお腹の虫を落ち着かせるため、アルバが、台所で慌ただしくスープでパンを流し込んでいると、イルマの声がしました。
「アルバ!どこにいるんだい!」
「は、はい、ご主人様!」
パンを無理やりに飲み込んで、アルバは声のする方へ走りました。
「アルバ、私は今から占いをするから、デイジーのお守りを頼んだよ。」
「はい、わかりました!」
デイジーは真っ赤な髪をしたまだ幼い女の子です。
アルバは、デイジーを連れ、占いの邪魔にならないように庭へと向かいました。
(あら、あんなところに綺麗なお花が…)
アルバは、庭の片隅に赤い可憐な花が咲いているのをみつけました。
あれを摘んで部屋に飾れば、お客様にもイルマにもきっと喜んでもらえると考えたのです。
アルバは夢中で花を摘みました。
夢中になりすぎて、デイジーがいなくなっていることにも気付きませんでした。
不意に聞こえた大きな水音で、アルバははっと我に返りました。
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