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(ま)マトリョーシカ
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「厚君…なんか顔が強張ってるみたいだけど、大丈夫…?」
「ぜ、全然、大丈夫だ!」
僕の声はひっくり返り、まどかはくすくすと笑う。
でも、仕方がない。
なんたって、僕は今まどかの家に向かってるんだから。
まどかのご家族に、挨拶するんだ。
なんでも、まどかの家では付き合ってる相手を家族に紹介するのがルールらしい。
男として避けては通れないことだけど、やっぱりかなり緊張する。
「家は汚いし、兄弟も多いし、なんだか恥ずかしいわ。」
「大丈夫だよ。」
*
確かに小さくて古い家だったけど、そんなことは全然気にならない。
「良く来てくれたね。
私がまどかの父親の昭義だ。」
「は、初めまして、本庄厚です。」
「さ、そこに座って…」
「は、はい。」
「おーい。」
まどかと並んで座ったら、お父さんが奥の方に声をかけた。
すると、次々と男達が部屋に入って来て、僕達の前に座った。
「紹介しよう。左から、長男の誠一郎、次男の健二郎、三男の信三郎…まどかの兄達だ。」
な、な、なんだ!
この三兄弟、そっくりだし、しかも、上から順に小さくなっていく…
「いらっしゃい、まどかの母です。」
三兄弟の隣に、母親が並んだ。
これまた三兄弟にそっくりだ。
吹き出しそうになるのを僕は懸命に堪える。
なんだ、これ…
まるで、マトリョーシカじゃないか。
そんなことを思ったら、ますます笑いが込みあがってきて、僕は平静を装うのが大変だった。
でも、そのおかげで緊張もほぐれて…皆と打ち解けて楽しく話すことが出来た。
そっくりな三兄弟とお母さんに僕は心の中で感謝した。
「ぜ、全然、大丈夫だ!」
僕の声はひっくり返り、まどかはくすくすと笑う。
でも、仕方がない。
なんたって、僕は今まどかの家に向かってるんだから。
まどかのご家族に、挨拶するんだ。
なんでも、まどかの家では付き合ってる相手を家族に紹介するのがルールらしい。
男として避けては通れないことだけど、やっぱりかなり緊張する。
「家は汚いし、兄弟も多いし、なんだか恥ずかしいわ。」
「大丈夫だよ。」
*
確かに小さくて古い家だったけど、そんなことは全然気にならない。
「良く来てくれたね。
私がまどかの父親の昭義だ。」
「は、初めまして、本庄厚です。」
「さ、そこに座って…」
「は、はい。」
「おーい。」
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「紹介しよう。左から、長男の誠一郎、次男の健二郎、三男の信三郎…まどかの兄達だ。」
な、な、なんだ!
この三兄弟、そっくりだし、しかも、上から順に小さくなっていく…
「いらっしゃい、まどかの母です。」
三兄弟の隣に、母親が並んだ。
これまた三兄弟にそっくりだ。
吹き出しそうになるのを僕は懸命に堪える。
なんだ、これ…
まるで、マトリョーシカじゃないか。
そんなことを思ったら、ますます笑いが込みあがってきて、僕は平静を装うのが大変だった。
でも、そのおかげで緊張もほぐれて…皆と打ち解けて楽しく話すことが出来た。
そっくりな三兄弟とお母さんに僕は心の中で感謝した。
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