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(く)くじ引き
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俺にはくじ運というものがない。
いまだかつて、何か良い物が当たったって経験は皆無だ。
昔、父さんがTVを買って、抽選券をもらった時、まだ幼かった俺に引かせたら、30連続スカだったらしく、父さんは本当に当たりが入ってるのか!と怒鳴ったらしい。
さらに運の悪い事には、俺の次に引いた人に一等の温泉旅行が当たったのだとか。
そう、俺は子供の頃からくじ運が最悪なんだ。
そんな俺が今悩んでるのは、今日の席替えだ。
今度の席替えはくじ引きで決めることになった。
密かに恋心を抱いている津川の近くになりたい!
(神様、頼む!どうか津川の近くに!)
*
(あ~あ…)
やっぱり俺はくじ運が悪い。
津川とはさらに席が離れてしまった。
「大野君、また隣だね。」
「そうだな。」
俺の右隣は古田だった。
こいつとはなぜだか良く隣同士になる。
クラスも中学からずっと一緒だ。
「あれ…そのストラップ…」
「可愛いでしょ?」
「もしかして…また懸賞?」
「まぁね。」
「アキって本当にくじ運良いな。」
何?古田って、そんなにくじ運が良いのか?
そう思うと、急に古田に興味がわいてきた。
古田の様子を観察してたらくじ運が良くなる秘訣がわかるんじゃないかって思えた。
それから俺は古田を観察した。よく話もするようになった。
すると、意外にも趣味や好きな物が合う事がわかって…
気が付けば、俺達は付き合っていた。
「剛、本当は津川さんが好きだったんじゃないの?」
「ば、馬鹿言うなよ!俺は好きな子なんていなかった。」
「そうなんだ…
私、席替えの時は毎回、剛の近くに座れますようにって祈ってたんだよ。」
「えっ!マジかよ?」
「私、昔からくじ運だけは良いから、いつも剛の傍に行けたけど、剛は私には全然興味なさそうだし、もう諦めた方が良いかなって思ってたんだよ。」
「へぇ…」
そんなこと、全く気付いていなかった。
だけど、悪い気はしない。
くじ運は悪くても、俺はけっこう運は良いのかも。
単純な俺には、そんな風に思えた。
いまだかつて、何か良い物が当たったって経験は皆無だ。
昔、父さんがTVを買って、抽選券をもらった時、まだ幼かった俺に引かせたら、30連続スカだったらしく、父さんは本当に当たりが入ってるのか!と怒鳴ったらしい。
さらに運の悪い事には、俺の次に引いた人に一等の温泉旅行が当たったのだとか。
そう、俺は子供の頃からくじ運が最悪なんだ。
そんな俺が今悩んでるのは、今日の席替えだ。
今度の席替えはくじ引きで決めることになった。
密かに恋心を抱いている津川の近くになりたい!
(神様、頼む!どうか津川の近くに!)
*
(あ~あ…)
やっぱり俺はくじ運が悪い。
津川とはさらに席が離れてしまった。
「大野君、また隣だね。」
「そうだな。」
俺の右隣は古田だった。
こいつとはなぜだか良く隣同士になる。
クラスも中学からずっと一緒だ。
「あれ…そのストラップ…」
「可愛いでしょ?」
「もしかして…また懸賞?」
「まぁね。」
「アキって本当にくじ運良いな。」
何?古田って、そんなにくじ運が良いのか?
そう思うと、急に古田に興味がわいてきた。
古田の様子を観察してたらくじ運が良くなる秘訣がわかるんじゃないかって思えた。
それから俺は古田を観察した。よく話もするようになった。
すると、意外にも趣味や好きな物が合う事がわかって…
気が付けば、俺達は付き合っていた。
「剛、本当は津川さんが好きだったんじゃないの?」
「ば、馬鹿言うなよ!俺は好きな子なんていなかった。」
「そうなんだ…
私、席替えの時は毎回、剛の近くに座れますようにって祈ってたんだよ。」
「えっ!マジかよ?」
「私、昔からくじ運だけは良いから、いつも剛の傍に行けたけど、剛は私には全然興味なさそうだし、もう諦めた方が良いかなって思ってたんだよ。」
「へぇ…」
そんなこと、全く気付いていなかった。
だけど、悪い気はしない。
くじ運は悪くても、俺はけっこう運は良いのかも。
単純な俺には、そんな風に思えた。
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