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何の因果で……

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 「ええ~~っっ……」

 「美和子、お願い。」



 数日後、妹が突然熱を出した。
 突然っていうか…例のあの時、朝まで外をほっつき歩いてたせいに決まってる。

 私が仕事から帰って来たら、妹は早々と布団を敷いて眠ってた。
なんでも、夕方近くになって職場の人に付き添われて帰って来たらしく、風邪だとのことだった。

 昨日から父さんは出張だし、夕食はお母さんと二人っきり。
 妙に静かで調子が狂う。
お風呂から上がった私に、待ち構えるように妹からの伝言が伝えられた。



 「あのね…理香子、プリンが食べたいんだって。」



もう少し早く言ってくれれば、職場で買ってくるものを……
今からだったら、コンビニに行くしかない。
スーパーはもう閉店してるんだから。
しかも、そのコンビニがどれだけ遠いと思ってるんだ!?
 自転車で40分くらいかかるんだぞ。
それに、私はもうお風呂にも入ってしまったからすっぴんで……



そんな私の心の内を読んだのか、母はすがるような視線で私をみつめる……



「わかったわよ!買ってくれば良いんでしょ。」

 私は、服を着替え、せっかく温まった身体をまた外の冷たい風にさらす羽目になってしまった。



 (まったく、もぅ~~!)



この時間になると、もうほとんど歩いてる人はいない。
しかも、あたりは真っ暗で……
ふと、見上げた空に月はいない。



あ、そういえば、今夜は新月だとかなんとか誰かが言ってた。
こんな真っ暗闇の中、熱を出した妹のためにコンビニにプリンを買いに行く私は姉の鑑だ…
元気になったら、しっかりお返しはしてもらおう…
そんなことを考えながら、私はコンビニへの遠い道程を懸命に走り続けた。
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