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#side ヴァンス ~大切な妹は、僕の初恋の人~
やっぱり駄目な自分
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「フ、フローラ?!・・・馬鹿!早く下がるんだ!!」
目の前で自分を庇う様に立っている人物がフローラだと気付いた僕は・・・慌てて立ち上がると、フローラの肩に手をかけた。
「下がりません!!真剣勝負に横槍を入れる輩を成敗するまで・・・絶対に下りません!!」
「横・・・槍・・・?!どういう事だ・・・?」
フローラは相当頭にきているのか・・・眉を吊り上げてはっきりとそう言い放つ。
僕の言う事を聞く気は微塵も無いらしく・・・その場から動こうとしない。
フローラの〝横槍〟に心当たりがあった僕とは対象的に会長はかなり驚いた様子だ・・・。
肩で息をしながらも周りを見渡し、ようやくギャラリーの存在に気付いた様子だった。
「良いんだよ・・・フローラ。この状況で僕が勝った所で誰も喜ばないから・・・」
「計・・・算・・・だったとでも言うのか?俺がこんなに満身創痍だったと言うのに・・・。」
それは、思わず漏れ出てしまった本音だった。
零した後で「しまった!」と思いはしたが・・・後の祭りだ。
計算だったのか?と問われれば・・・違うと否定出来るが、会長の様に決闘に終始集中出来ていたかと聞かれると・・・答えはノーだ。
ギャラリーが集まり始めてからというもの、雑音の方が気になってしまっていたから・・・。
「すみません・・・会長。」
どちらにせよ、会長と同じ熱量で決闘に臨んでいなかったという事は明白だ。
一先ず、会長に対して謝罪をするが・・・その謝罪は肯定を意味してしまうものだった為、
何とも言えない表情で僕をじっと見つめている。
「私の為に勝つと仰ったでは有りませんか!!!!」
叫びにも似た声で僕にそう怒りをぶつけるフローラに、最早ぐうの音も出ない・・・。
フローラの顔も会長の顔も見れなくなってしまった僕は、俯いた顔を上げる事が出来なくなってしまう。
そんな僕の態度に大きなため息を零したフローラは、小さく「もう良いです」と呟いて・・・何処かへ行ってしまった。
行方を追うと・・・僕の模造刀を先程蹴り飛ばした男子生徒の方へと歩みを進めていて・・・何となく嫌な予感が過ぎったものの、引き留める事が出来なかった。
「フローラ!何処へ行くのだ!」
と会長が必死に引き留めるが・・・フローラの歩みは止まらなかった。
「止めに行かなくて良いのですか・・・?」
「僕に・・・止める資格は・・・有りませんから。」
会長の問い掛けにそう返答すると・・・次は会長の口からため息が漏れ出した。
(本当に自分が嫌になる・・・。意思の弱い、騎士の風上にも置けない様な奴だ・・・僕は・・・。)
そうだーーー。
自分が一番分かっているんだ。
周りの言葉なんて無視すれば良いのに・・・いつも家族を言い訳にして逃げて来たのは・・・自分だ。
(向き合う事が怖かったんだ・・・。だって家族は・・・僕の唯一の・・・居場所だから)
「先ずは貴方からです!!私と勝負しなさい!!」
そう高らかに叫んだフローラは、男子生徒に剣先を向けると・・・先程まで会長が使っていた模造刀を男子生徒の足元に放り投げた。
「な、何の事だ・・・!言いがかりはよしてくれ・・・!」
男子生徒は少し焦ったものの・・・開き直った様子でヘラヘラとそう答えている。
女だからとフローラを見縊っている様だが・・・フローラの剣の腕はそこら辺の護衛よりも上だ。
(あの男子生徒・・・勝負あったな。)
「吠えなくて良いから剣を取りなさい!それとも・・・私に勝つ自信が無いのですか?」
フローラの挑発に男子生徒は顔を真っ赤にして怒り出す。
「ふざけるな!調子に乗りやがってぇぇぇぇ!!」
そう言いながらフローラに突進した男子生徒は次の瞬間には、バランスを崩してしまいクルクルと何回転かした後、そのまま石畳の地面に顔面からダイブしていた。
「弱い犬ほどよく吠える・・・とお父様から聞いた事がありますが、本当だったのですね。」
フローラが吐き捨てる様に顔面を両手で押さえながら蹲っている男子生徒に告げる。
「昔、騎士になると言っていたのは本気だったのか・・・。まさか今でも剣の稽古をしているのか・・・?フローラに剣を渡すのは、絶対にやめよう・・・。」
「フローラは元々、筋は良いんです。今もストレス発散だと言って・・・模造刀を素振りしていますから・・・。フローラに剣は絶対に与えない方が良いと思います。」
顔を引き攣らせながらそう呟く会長に・・・思わず同調してしまった。
「「・・・・・・・・。」」
そして僕たち2人は恐らくほぼ同じタイミングで気付いてしまった。
一番持たしてはいけない人物に・・・今まさにその物が行き渡ってしまっているという事実に。
「さぁ・・・次は貴方です!私と勝負しなさーーーって!邪魔をしないで下さい!お兄様!殿下!」
右腕を僕に、左腕を会長に抱えられてしまう形で羽交い締め状態になってしまったフローラは、足をバタバタとさせて必死に抵抗しているが・・・
流石に純粋な力だけではフローラが僕等に叶う訳も無く、僕らも離す訳も無く・・・フローラは結果的に相手を睨みつける事しか出来なくなってしまう。
「コラァー!逃げるんじゃ無いわよ!!私と戦いなさいよ!この卑怯者ー!!!」
そう叫ぶフローラのタダならぬ様子を見て、巻き込まれたく無いと言わんばかりに次々とギャラリーが庭園広場を足早に去って行く。
フローラはさらに力を込めて必死に抵抗してくるが・・・こんな頭に血が昇ってしまっているフローラをここで解放する事など出来る訳も無く・・・僕らも必死に抑える。
「フローラ・・・落ち着け。これ以上は流石に騒ぎになってしまう。」
「そうだぞ!フローラ・・・僕が悪かったから、とにかく落ち着いてくれ!」
もう既に結構な騒ぎになってしまっているが・・・という事実は一先ず置いておいたとして・・・
フローラを落ち着かせる為に僕らも手当たり次第に言葉を投げかけ続ける。
「分かりましたから・・・とりあえず腕を離して頂けませんか?」
成敗すべきターゲットが居なくなってしまったせいか・・・少し冷静さを取り戻したフローラが恨めしそうに僕らを順番に見ると小さな溜息混じりにそう言った。
僕と会長は互いの顔を見合わせながら、互いに頷くとゆっくりと腕を解放した。
目の前で自分を庇う様に立っている人物がフローラだと気付いた僕は・・・慌てて立ち上がると、フローラの肩に手をかけた。
「下がりません!!真剣勝負に横槍を入れる輩を成敗するまで・・・絶対に下りません!!」
「横・・・槍・・・?!どういう事だ・・・?」
フローラは相当頭にきているのか・・・眉を吊り上げてはっきりとそう言い放つ。
僕の言う事を聞く気は微塵も無いらしく・・・その場から動こうとしない。
フローラの〝横槍〟に心当たりがあった僕とは対象的に会長はかなり驚いた様子だ・・・。
肩で息をしながらも周りを見渡し、ようやくギャラリーの存在に気付いた様子だった。
「良いんだよ・・・フローラ。この状況で僕が勝った所で誰も喜ばないから・・・」
「計・・・算・・・だったとでも言うのか?俺がこんなに満身創痍だったと言うのに・・・。」
それは、思わず漏れ出てしまった本音だった。
零した後で「しまった!」と思いはしたが・・・後の祭りだ。
計算だったのか?と問われれば・・・違うと否定出来るが、会長の様に決闘に終始集中出来ていたかと聞かれると・・・答えはノーだ。
ギャラリーが集まり始めてからというもの、雑音の方が気になってしまっていたから・・・。
「すみません・・・会長。」
どちらにせよ、会長と同じ熱量で決闘に臨んでいなかったという事は明白だ。
一先ず、会長に対して謝罪をするが・・・その謝罪は肯定を意味してしまうものだった為、
何とも言えない表情で僕をじっと見つめている。
「私の為に勝つと仰ったでは有りませんか!!!!」
叫びにも似た声で僕にそう怒りをぶつけるフローラに、最早ぐうの音も出ない・・・。
フローラの顔も会長の顔も見れなくなってしまった僕は、俯いた顔を上げる事が出来なくなってしまう。
そんな僕の態度に大きなため息を零したフローラは、小さく「もう良いです」と呟いて・・・何処かへ行ってしまった。
行方を追うと・・・僕の模造刀を先程蹴り飛ばした男子生徒の方へと歩みを進めていて・・・何となく嫌な予感が過ぎったものの、引き留める事が出来なかった。
「フローラ!何処へ行くのだ!」
と会長が必死に引き留めるが・・・フローラの歩みは止まらなかった。
「止めに行かなくて良いのですか・・・?」
「僕に・・・止める資格は・・・有りませんから。」
会長の問い掛けにそう返答すると・・・次は会長の口からため息が漏れ出した。
(本当に自分が嫌になる・・・。意思の弱い、騎士の風上にも置けない様な奴だ・・・僕は・・・。)
そうだーーー。
自分が一番分かっているんだ。
周りの言葉なんて無視すれば良いのに・・・いつも家族を言い訳にして逃げて来たのは・・・自分だ。
(向き合う事が怖かったんだ・・・。だって家族は・・・僕の唯一の・・・居場所だから)
「先ずは貴方からです!!私と勝負しなさい!!」
そう高らかに叫んだフローラは、男子生徒に剣先を向けると・・・先程まで会長が使っていた模造刀を男子生徒の足元に放り投げた。
「な、何の事だ・・・!言いがかりはよしてくれ・・・!」
男子生徒は少し焦ったものの・・・開き直った様子でヘラヘラとそう答えている。
女だからとフローラを見縊っている様だが・・・フローラの剣の腕はそこら辺の護衛よりも上だ。
(あの男子生徒・・・勝負あったな。)
「吠えなくて良いから剣を取りなさい!それとも・・・私に勝つ自信が無いのですか?」
フローラの挑発に男子生徒は顔を真っ赤にして怒り出す。
「ふざけるな!調子に乗りやがってぇぇぇぇ!!」
そう言いながらフローラに突進した男子生徒は次の瞬間には、バランスを崩してしまいクルクルと何回転かした後、そのまま石畳の地面に顔面からダイブしていた。
「弱い犬ほどよく吠える・・・とお父様から聞いた事がありますが、本当だったのですね。」
フローラが吐き捨てる様に顔面を両手で押さえながら蹲っている男子生徒に告げる。
「昔、騎士になると言っていたのは本気だったのか・・・。まさか今でも剣の稽古をしているのか・・・?フローラに剣を渡すのは、絶対にやめよう・・・。」
「フローラは元々、筋は良いんです。今もストレス発散だと言って・・・模造刀を素振りしていますから・・・。フローラに剣は絶対に与えない方が良いと思います。」
顔を引き攣らせながらそう呟く会長に・・・思わず同調してしまった。
「「・・・・・・・・。」」
そして僕たち2人は恐らくほぼ同じタイミングで気付いてしまった。
一番持たしてはいけない人物に・・・今まさにその物が行き渡ってしまっているという事実に。
「さぁ・・・次は貴方です!私と勝負しなさーーーって!邪魔をしないで下さい!お兄様!殿下!」
右腕を僕に、左腕を会長に抱えられてしまう形で羽交い締め状態になってしまったフローラは、足をバタバタとさせて必死に抵抗しているが・・・
流石に純粋な力だけではフローラが僕等に叶う訳も無く、僕らも離す訳も無く・・・フローラは結果的に相手を睨みつける事しか出来なくなってしまう。
「コラァー!逃げるんじゃ無いわよ!!私と戦いなさいよ!この卑怯者ー!!!」
そう叫ぶフローラのタダならぬ様子を見て、巻き込まれたく無いと言わんばかりに次々とギャラリーが庭園広場を足早に去って行く。
フローラはさらに力を込めて必死に抵抗してくるが・・・こんな頭に血が昇ってしまっているフローラをここで解放する事など出来る訳も無く・・・僕らも必死に抑える。
「フローラ・・・落ち着け。これ以上は流石に騒ぎになってしまう。」
「そうだぞ!フローラ・・・僕が悪かったから、とにかく落ち着いてくれ!」
もう既に結構な騒ぎになってしまっているが・・・という事実は一先ず置いておいたとして・・・
フローラを落ち着かせる為に僕らも手当たり次第に言葉を投げかけ続ける。
「分かりましたから・・・とりあえず腕を離して頂けませんか?」
成敗すべきターゲットが居なくなってしまったせいか・・・少し冷静さを取り戻したフローラが恨めしそうに僕らを順番に見ると小さな溜息混じりにそう言った。
僕と会長は互いの顔を見合わせながら、互いに頷くとゆっくりと腕を解放した。
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