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#side ヴァンス ~大切な妹は、僕の初恋の人~
もう迷わない・・・ 1
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「お兄様・・・本日の放課後の件ですけれど!!」
アカデミーへと向かう馬車に乗り込んだ僕にそう詰め寄って来たのは、フローラだ。
〝本日の放課後の件〟と言うのは・・・昨日、フローラが生徒会室で婚約者でもあり、生徒会長でもあるルークフォン殿下にーーー
『単刀直入に申し上げますが・・・この学園は腐っています!!』
と有り得ない発言をしたかと思えば・・・
『え?だってお兄様の事が大好きだから?』
と婚約者であるルークフォン殿下の前で普通に僕を好きだと・・・あろう事か何回も言い放った結果・・・
殿下の嫉妬を受ける事となってしまった僕が、殿下と模擬刀で決闘をする事になったという件だ。
「殿下との決闘の件だろ?大丈夫だよ、フローラ・・・僕が上手く負けるから」
決闘を受けた時点から・・・もうこの方法しか道は無いと覚悟を決めていた。
たが・・・フローラも見ている前であまりにも無様に負けるのも嫌なので、難しいのは・・・実力が分からない殿下とどれだけ接戦を出来るかという事だ。
「聞き捨てなりませんわよ?!お兄様!やると決めたからには正々堂々、騎士として闘うべきですわ!」
つい先程まで頭を抱えていたかと思えば・・・今は人差し指で僕をビシっと差しながらそう言い放つフローラはどうやら今日も絶好調の様だ。
とは言え・・・公爵令嬢たる者、人を指差すのは良くないと思い、ピンと差した人差し指を手ですぐに下げた。
「相手は王族なんだぞ?万が一の事が有っては、父上にご迷惑がかかるし・・・フローラも殿下が負ける所は見たく無いだろう?」
(凄い不思議そうな顔で返されてしまった・・・。本当に殿下の事を好いている訳では無いのだな・・・。)
昨日の馬車の中でも・・・フローラはおかしな事を言っていた。
殿下には別に好いている女性が居て、自分はその方との恋を応援していると・・・。
昨日の生徒会室でのやりとりを見ている限り・・・恐らく、フローラの完全なる勘違いだという事は分かったが・・・
そもそも殿下に好かれている事に気付いていないというよりも・・・フローラに完全にその気が無いのだ。
「分かりました・・・。お兄様がそう仰るのであれば・・・放課後は、私が殿下と決闘致します!」
「えええぇぇぇ!!?意味が分からないよ、フローラ・・・!」
今日は意外と早く諦めてくれたな・・・と僕が窓の外に視線を向けたらーーーこれだ。
もう僕の予想の斜め上所か・・・真上をいっているフローラの思考回路に理解が追いつかない。
「意味が分からないのは、こちらです!!一体、何を賭けて殿下と決闘すると言うのですか?そんな簡単に譲れるものなので有れば・・・さっさと殿下へと渡してしまえば良いのです!!」
フローラ本人にこう言われてしまうと・・・諦め癖が骨の髄まで染み付いている流石の僕でも堪える・・・。
(この様子からするに・・・僕と殿下が自分を賭けて決闘をする等・・・夢にも思っていないのだろうな・・・。)
フローラの言っている事は正しい。
殿下に譲るつもりなのであれば・・・決闘などする必要も無い。
別に僕が決闘に勝ったからといって・・・2人の婚約が無くなる訳でも無いのだから・・・こんなのは無駄な足掻きというやつだ。
(それでも決闘を受けたのは・・・やはり・・・フローラを諦めきれない未練がましさから何だろうな・・・。)
「譲れないものなので有れば・・・力の限り闘うべきですわよ?お兄様が出来ないと言うので有れば、私が剣を振るいます!」
(フローラらしいな・・・。)
そう直感的に思ってしまった僕に疑問が浮かび始めてしまう。
アカデミーへと向かう馬車に乗り込んだ僕にそう詰め寄って来たのは、フローラだ。
〝本日の放課後の件〟と言うのは・・・昨日、フローラが生徒会室で婚約者でもあり、生徒会長でもあるルークフォン殿下にーーー
『単刀直入に申し上げますが・・・この学園は腐っています!!』
と有り得ない発言をしたかと思えば・・・
『え?だってお兄様の事が大好きだから?』
と婚約者であるルークフォン殿下の前で普通に僕を好きだと・・・あろう事か何回も言い放った結果・・・
殿下の嫉妬を受ける事となってしまった僕が、殿下と模擬刀で決闘をする事になったという件だ。
「殿下との決闘の件だろ?大丈夫だよ、フローラ・・・僕が上手く負けるから」
決闘を受けた時点から・・・もうこの方法しか道は無いと覚悟を決めていた。
たが・・・フローラも見ている前であまりにも無様に負けるのも嫌なので、難しいのは・・・実力が分からない殿下とどれだけ接戦を出来るかという事だ。
「聞き捨てなりませんわよ?!お兄様!やると決めたからには正々堂々、騎士として闘うべきですわ!」
つい先程まで頭を抱えていたかと思えば・・・今は人差し指で僕をビシっと差しながらそう言い放つフローラはどうやら今日も絶好調の様だ。
とは言え・・・公爵令嬢たる者、人を指差すのは良くないと思い、ピンと差した人差し指を手ですぐに下げた。
「相手は王族なんだぞ?万が一の事が有っては、父上にご迷惑がかかるし・・・フローラも殿下が負ける所は見たく無いだろう?」
(凄い不思議そうな顔で返されてしまった・・・。本当に殿下の事を好いている訳では無いのだな・・・。)
昨日の馬車の中でも・・・フローラはおかしな事を言っていた。
殿下には別に好いている女性が居て、自分はその方との恋を応援していると・・・。
昨日の生徒会室でのやりとりを見ている限り・・・恐らく、フローラの完全なる勘違いだという事は分かったが・・・
そもそも殿下に好かれている事に気付いていないというよりも・・・フローラに完全にその気が無いのだ。
「分かりました・・・。お兄様がそう仰るのであれば・・・放課後は、私が殿下と決闘致します!」
「えええぇぇぇ!!?意味が分からないよ、フローラ・・・!」
今日は意外と早く諦めてくれたな・・・と僕が窓の外に視線を向けたらーーーこれだ。
もう僕の予想の斜め上所か・・・真上をいっているフローラの思考回路に理解が追いつかない。
「意味が分からないのは、こちらです!!一体、何を賭けて殿下と決闘すると言うのですか?そんな簡単に譲れるものなので有れば・・・さっさと殿下へと渡してしまえば良いのです!!」
フローラ本人にこう言われてしまうと・・・諦め癖が骨の髄まで染み付いている流石の僕でも堪える・・・。
(この様子からするに・・・僕と殿下が自分を賭けて決闘をする等・・・夢にも思っていないのだろうな・・・。)
フローラの言っている事は正しい。
殿下に譲るつもりなのであれば・・・決闘などする必要も無い。
別に僕が決闘に勝ったからといって・・・2人の婚約が無くなる訳でも無いのだから・・・こんなのは無駄な足掻きというやつだ。
(それでも決闘を受けたのは・・・やはり・・・フローラを諦めきれない未練がましさから何だろうな・・・。)
「譲れないものなので有れば・・・力の限り闘うべきですわよ?お兄様が出来ないと言うので有れば、私が剣を振るいます!」
(フローラらしいな・・・。)
そう直感的に思ってしまった僕に疑問が浮かび始めてしまう。
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