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本編 第三部 〜乙女はアカデミーにて〜
お兄様の真実
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「はぁぁ・・・。」
「初日からお疲れの様だね?・・・大丈夫?」
やっと来た束の間の休息に、思わず大きな溜め息をついてしまった私を心配そうに見つめるのは・・・私が無理矢理、食堂へと連れて来たお兄様だ。
「大丈夫・・・と言いたい所ですが・・・。」
「なるほど、大丈夫じゃないんだね?」
優しく頭をポンポンしてくれるお兄様の手に・・・涙腺が緩みそうになる・・・。
と言うのも・・・首席挨拶後、エレノア先導のもとAクラスの扉を叩いた私に待っていたのはーーー強烈な洗礼だった。
「あれが噂の・・・殿下の婚約者様か。なんだ・・・全然、綺麗でも何でも無いな。」
「首席入学だなんて・・・本当なのか?今まで彼女の噂等聞いたことも無いが・・・?」
「馬鹿!実力な訳ないだろ?不正したに決まってる・・・!」
「女の癖に・・・Aクラスだなんて」「場違いだ」「身の程を弁えろ」
クラス中の何処からとも無く聞こえてくるその言葉と視線は・・・前回も前々回も経験した事だった筈なのに、何故か私は忘れてしまっていた。
熱意に溢れて居るAクラスの男子面々は、女子の私に入学試験で負けた事も、Aクラスに女子の私が居る事も気に食わないらしく、刺々しい事この上無いのだ。
(ああああ・・・!何で忘れちゃってたんだろう・・・、私。何で入学試験で満点なんて取ってしまったのだろうか・・・!私・・・!)
今振り返って見れば・・・
今世の私にはエレノアという友達が出来たり、サイラスという話相手が居たり、殿下という後ろ盾(婚約者)も居て・・・非常に恵まれている事に気付いた。
だからだろうか・・・?この複数人の悪意がとても怖い。
自分の知らない人間が自分を知っていて・・・おまけに嫌っている。それも物凄く・・・。
お陰様で午前の部中はひたすら自問自答と後悔を脳内で繰り返している間に終わった。
昼休憩を一人で過ごせる余裕は無く・・・かと言って、エレノアや殿下の力を借りるのも何となく嫌な私は・・・お兄様を訪ねて、無理矢理・・・食堂へと引っ張り出して来たのだ。
「もしかして・・・Aクラスに馴染めないのでは無いか?」
「・・・!!どうして、お分かりなったのですか?!」
「ははっ・・・まぁ・・・何と無くね・・・。」
何となくそれ以上は聞かれたく無い様な素振りをしたので、寂しそうに笑うお兄様に違和感を覚えながらも私は続きを聞く事をやめた。
「でも・・・次の定期テストで頑張らなければ良い話ですから・・・それ迄の辛抱だと思って耐えますわ。」
「それで・・・本当に・・・良いのかい・・・?フローラは・・・。」
いつもの温和なお兄様とは似つかわしく無い、苦しそうに絞り出す様なその言葉に私も思わず目を見開いて言葉を失ってしまう。
(お兄様・・・いつもと様子が全然違う様な・・・?一体、どうしてしまわれたのかしら・・・?)
「自分を殺して過ごすには長過ぎる時間だと思うよ・・・このアカデミーで過ごす時間は・・・。エレノア嬢も僕も殿下も、一緒に過ごしてあげられるのはたったの一年ぽっちだからね・・・。」
(私の事を心配しているのは大前提として分かるが・・・何だろう?違和感を感じる・・・)
「いや・・・恐らく僕は・・・アカデミーでは一緒に居てもきっとフローラの足を引っ張る事しか出来ないだろうし・・・」
(いやまさか・・・お兄様の様なお優しい方が・・・そんな訳・・・ーーー)
「もしかして・・・お兄様もアカデミーで同じ様な目に遭っていらっしゃるのですか?」
いつもアカデミーでの事を楽しそうに私達家族にお話するお兄様が、まさかそんな・・・と思いつつも聞かずには居られなかった私の問いにお兄様は固まってしまった。
つまりそれは・・・〝イエス〟という事だ。
お兄様の表情を伺えば・・・ばつが悪そうな様子でチラチラと私の後ろを見ている事に気付いた。
「嫌だ・・・。黒髪に赤い瞳よ・・・、あれって隣国の・・・」
「目を合わせちゃ駄目よ!本当に・・・何であんなのが居るんだか・・・」
(まさか・・・お兄様の事を言っているの・・・?!)
お兄様の方を忌々しそうに見ながら、コソコソと話す女生徒達を筆頭に冷たい視線を向けている生徒が大勢いる事に気付く。
「父上と母上には内緒にしておいてくれな?心配を掛けたく無いんだ・・・」
悲しそうに痛々しく笑顔を浮かべるお兄様を見て・・・私まで心が痛む。
(そんな・・・お兄様がまさか・・・こんな辛い思いを2年もしていただなんてーーー・・・)
悔しくて、情けなくて・・・思わず涙を浮かべてしましそうな私は・・・ハッと思い出した。
『私らしくありのまま過ごして、婚約破棄だってこっちから言ってやるわ・・・っ!』
自分で自分に誓いを立てた王宮茶会前日の朝・・・私は、今世ではもう我慢しないと決めた筈だ。
(〝騎士の娘として〟闘うと決めた筈だったのに・・・とんだ腑抜け女にいつの間にかなってしまっていた様ね・・・私は)
改めて覚悟を決めた私の瞳から涙は溢れなかった。
先程まで悩んでいた下らないAクラスでの事など、欠片も残らず何処かへと飛んでいってしまい、
モヤモヤしていた感情も無くなったお陰で、頭の中は比べ物にならない程クリアになった。
「お兄様・・・お父様とお母様には絶対に言いませんわ。だからーーー代わりに約束して欲しいんですの。」
「勿論・・・僕に守れる事なら良いのだけれど・・・」
「ふふっ、とっても簡単な事ですから・・・大丈夫ですよ?」
ずっと俯いていた私の顔が先ほど迄とは別人の様に爽やかなキラキラした顔をしている事に、恐らく嫌な予感を感じ取ったお兄様の顔は・・・一瞬で引き攣ってしまった。
「私がアカデミーで仕出かす事も絶対に二人には言わないで欲しいんです。」
「フローラ・・・一体・・・何をするつもりなんだい・・・?」
「いえ、婚約破棄する前に王妃候補として学園改革でも始めようかと思いまして」
私が放った言葉に思わずよろけてしまったお兄様を尻目に、私はようやく昼食に手をつけたーーー。
「初日からお疲れの様だね?・・・大丈夫?」
やっと来た束の間の休息に、思わず大きな溜め息をついてしまった私を心配そうに見つめるのは・・・私が無理矢理、食堂へと連れて来たお兄様だ。
「大丈夫・・・と言いたい所ですが・・・。」
「なるほど、大丈夫じゃないんだね?」
優しく頭をポンポンしてくれるお兄様の手に・・・涙腺が緩みそうになる・・・。
と言うのも・・・首席挨拶後、エレノア先導のもとAクラスの扉を叩いた私に待っていたのはーーー強烈な洗礼だった。
「あれが噂の・・・殿下の婚約者様か。なんだ・・・全然、綺麗でも何でも無いな。」
「首席入学だなんて・・・本当なのか?今まで彼女の噂等聞いたことも無いが・・・?」
「馬鹿!実力な訳ないだろ?不正したに決まってる・・・!」
「女の癖に・・・Aクラスだなんて」「場違いだ」「身の程を弁えろ」
クラス中の何処からとも無く聞こえてくるその言葉と視線は・・・前回も前々回も経験した事だった筈なのに、何故か私は忘れてしまっていた。
熱意に溢れて居るAクラスの男子面々は、女子の私に入学試験で負けた事も、Aクラスに女子の私が居る事も気に食わないらしく、刺々しい事この上無いのだ。
(ああああ・・・!何で忘れちゃってたんだろう・・・、私。何で入学試験で満点なんて取ってしまったのだろうか・・・!私・・・!)
今振り返って見れば・・・
今世の私にはエレノアという友達が出来たり、サイラスという話相手が居たり、殿下という後ろ盾(婚約者)も居て・・・非常に恵まれている事に気付いた。
だからだろうか・・・?この複数人の悪意がとても怖い。
自分の知らない人間が自分を知っていて・・・おまけに嫌っている。それも物凄く・・・。
お陰様で午前の部中はひたすら自問自答と後悔を脳内で繰り返している間に終わった。
昼休憩を一人で過ごせる余裕は無く・・・かと言って、エレノアや殿下の力を借りるのも何となく嫌な私は・・・お兄様を訪ねて、無理矢理・・・食堂へと引っ張り出して来たのだ。
「もしかして・・・Aクラスに馴染めないのでは無いか?」
「・・・!!どうして、お分かりなったのですか?!」
「ははっ・・・まぁ・・・何と無くね・・・。」
何となくそれ以上は聞かれたく無い様な素振りをしたので、寂しそうに笑うお兄様に違和感を覚えながらも私は続きを聞く事をやめた。
「でも・・・次の定期テストで頑張らなければ良い話ですから・・・それ迄の辛抱だと思って耐えますわ。」
「それで・・・本当に・・・良いのかい・・・?フローラは・・・。」
いつもの温和なお兄様とは似つかわしく無い、苦しそうに絞り出す様なその言葉に私も思わず目を見開いて言葉を失ってしまう。
(お兄様・・・いつもと様子が全然違う様な・・・?一体、どうしてしまわれたのかしら・・・?)
「自分を殺して過ごすには長過ぎる時間だと思うよ・・・このアカデミーで過ごす時間は・・・。エレノア嬢も僕も殿下も、一緒に過ごしてあげられるのはたったの一年ぽっちだからね・・・。」
(私の事を心配しているのは大前提として分かるが・・・何だろう?違和感を感じる・・・)
「いや・・・恐らく僕は・・・アカデミーでは一緒に居てもきっとフローラの足を引っ張る事しか出来ないだろうし・・・」
(いやまさか・・・お兄様の様なお優しい方が・・・そんな訳・・・ーーー)
「もしかして・・・お兄様もアカデミーで同じ様な目に遭っていらっしゃるのですか?」
いつもアカデミーでの事を楽しそうに私達家族にお話するお兄様が、まさかそんな・・・と思いつつも聞かずには居られなかった私の問いにお兄様は固まってしまった。
つまりそれは・・・〝イエス〟という事だ。
お兄様の表情を伺えば・・・ばつが悪そうな様子でチラチラと私の後ろを見ている事に気付いた。
「嫌だ・・・。黒髪に赤い瞳よ・・・、あれって隣国の・・・」
「目を合わせちゃ駄目よ!本当に・・・何であんなのが居るんだか・・・」
(まさか・・・お兄様の事を言っているの・・・?!)
お兄様の方を忌々しそうに見ながら、コソコソと話す女生徒達を筆頭に冷たい視線を向けている生徒が大勢いる事に気付く。
「父上と母上には内緒にしておいてくれな?心配を掛けたく無いんだ・・・」
悲しそうに痛々しく笑顔を浮かべるお兄様を見て・・・私まで心が痛む。
(そんな・・・お兄様がまさか・・・こんな辛い思いを2年もしていただなんてーーー・・・)
悔しくて、情けなくて・・・思わず涙を浮かべてしましそうな私は・・・ハッと思い出した。
『私らしくありのまま過ごして、婚約破棄だってこっちから言ってやるわ・・・っ!』
自分で自分に誓いを立てた王宮茶会前日の朝・・・私は、今世ではもう我慢しないと決めた筈だ。
(〝騎士の娘として〟闘うと決めた筈だったのに・・・とんだ腑抜け女にいつの間にかなってしまっていた様ね・・・私は)
改めて覚悟を決めた私の瞳から涙は溢れなかった。
先程まで悩んでいた下らないAクラスでの事など、欠片も残らず何処かへと飛んでいってしまい、
モヤモヤしていた感情も無くなったお陰で、頭の中は比べ物にならない程クリアになった。
「お兄様・・・お父様とお母様には絶対に言いませんわ。だからーーー代わりに約束して欲しいんですの。」
「勿論・・・僕に守れる事なら良いのだけれど・・・」
「ふふっ、とっても簡単な事ですから・・・大丈夫ですよ?」
ずっと俯いていた私の顔が先ほど迄とは別人の様に爽やかなキラキラした顔をしている事に、恐らく嫌な予感を感じ取ったお兄様の顔は・・・一瞬で引き攣ってしまった。
「私がアカデミーで仕出かす事も絶対に二人には言わないで欲しいんです。」
「フローラ・・・一体・・・何をするつもりなんだい・・・?」
「いえ、婚約破棄する前に王妃候補として学園改革でも始めようかと思いまして」
私が放った言葉に思わずよろけてしまったお兄様を尻目に、私はようやく昼食に手をつけたーーー。
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