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本編 第二部 ~噂の姫様は初デートにて~
主と執事と腐れ縁
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「・・・ーーっ!フロー・・・!ーーラッ・・・!」
(ん・・・?あ・・・?)
サイラスのお色気攻撃に気絶してしまっていたらしい私は、気付けば誰かに抱き抱えられていた。
ぼやける意識の中で何とか目を開けようとすると・・・
(眩しい・・・っ、?!)
どうやら馬車を降りて外に出て来たらしく、あまりの眩しさに再度目を瞑ると、誰かの足音が近付いて来た。
「サイラス!!、お前!フローラに何をした?!」
「何もしていないよ・・・。お疲れだったのか、馬車の中で眠って仕舞われただけだ。」
(殿下?・・・と、サイラス・・・?何か、友達みたいに喋ってる気が・・・するけど・・・、)
「くそっ!!・・・油断していた。お前がーーーに興味を持たない訳が無いのに・・・!」
「あのさ~、そういう言い方やめてくれる?俺が女性に好意を寄せる事が珍しいみたいな・・・」
(頭が痛くて上手く聞き取れない・・・・・・、二人には共通の想い人が居るって事なのかしら?)
「珍しいだろうが・・・!数々の貴族令嬢を袖にして、食ってはポイだったお前が・・・わざわざ迎えに行くなど・・・!」
「ルークとは違って俺は大人なんだよ?大人の嗜みとして一夜の相手をしないと、悪い噂が流れて大変なんだよ~」
(まぁ・・・確かに、サイラスは今や時の人だものね。王宮執事という肩書きが有れば爵位なんて別に有っても無くても良いでしょうし・・・。何より26歳で独身であの見た目だもの・・・箱入り娘を宛てがうのには絶好の相手よね・・・。)
「悪い噂なら既に山ほど流れている・・・!1つ2つ増えた所で痛くも痒くも無いだろう・・・!」
「ルークは馬鹿だなぁ~、悪い噂と黒い噂は似て非なるものなんだよ~!」
(え?!そうなの?!サイラスって黒い噂沢山有るの?!・・・まぁ、でもあの性格だものね・・・。納得だわ~うんうん。)
「「・・・・・・・・・。」」
(あれ・・・?何で急に2人共黙っちゃったのかしら・・・?)
「フローラ・・・その言いにくのだが・・・」
「フローラ様、目を瞑っていてもそれだけ表情豊かでは・・・」
「「起きてるのバレバレ・・・」」
「です。」「だぞ。」
「・・・・・・へ?」
堪らず目を開けた私は、どうやらサイラスに抱えられていたらしく・・・下を向くサイラスの満面の笑みと、私を覗き込む様に見ていた殿下とバッチリ目が合ってしまった。
「きゃあああっ!」
美形が2つも眼前に並んでいたものだから、思わず叫んでしまった私は、サイラスに降ろして貰うと大きく深呼吸を繰り返して何とか冷静を取り戻した。
「す、すみません・・・。急に整った顔面が2つも並んでいたものですから・・・っ、」
軽く咳払いをして身なりを整えた私は、殿下に向かって淑女の礼を取った。
「フローラ・・・。会いたかったぞ・・・!サイラスに何かひどい事をされたのでは無いか?」
淑女の礼からまだ体制をきちんと戻して居ない所を殿下に引っ張られてしまった私は、そのまま殿下の胸の中へとダイブしてしまった。
「ひぇ・・・っ?!あの・・・、殿下・・・っ?!!」
「失礼な。ひどい事などしませんよ。ルークじゃあるまいし・・・。俺は好いた女性はとことん甘やかす男だよ?」
そう言うと次はサイラスに肩を後ろから引っ張られて、元の位置へと強制的に戻された。
「サイラス・・・っ!お前、婚約者との逢瀬に無粋だぞ!いつもの様にせめて隠れていろ!!」
私の事などお構い無しで始まる二人の口論に、始めこそ視線を往復させて聞いて居たが・・・次第に呆れを覚え始めた私が天を仰ぎ始めた事は言うまでもない・・・。
(まぁでも、これでデートの時間がどんどん削られれば私にとっても好都合だものね・・・!!)
放置を決め込んだ私が周りを見渡してみると、辺り一面に美しい花が咲き誇り小鳥が飛び交っている事に気付いた。
水のせせらぎも微かに聞こえるので・・・恐らく川か湖が近くに有るのだろう。
(2人の口論に付き合うのも飽きたし・・・少し散策して見ようかしら?)
2人に気付かれない様に回れ右をした私は、忍び足で美しい花が咲き誇る方へと足を進めた。
(綺麗・・・!とても良い香り・・・!)
色んな種類の花が咲き乱れている中、一つ実の成っている植物を発見した私はその形に見覚えが有った。
「やっぱり!苺だよね・・・?こんな可愛い花が咲くなんて知らなかった~!」
そして朝食を抜いて来てしまった私には・・・この苺がご馳走の如く美味しそうに見えた・・・。
(いやいやいや!流石に・・・不味いわよ!公爵令嬢がお空の下で苺を摘んで食べるなんて・・・!流石に駄目よね・・・駄目・・・!駄目だろうけど・・・ーーー)
チラリと後ろを覗けば未だ口論に夢中の二人の姿・・・
それ以外には誰も居そうに無い・・・。
(誰も見てない・・・・・・なら、大丈夫か!!!)
「いっただっきま~す!」
摘んだ苺をそのままポイッと口の中に入れると、とても甘美な味が広がる・・・。
食用で無い為か小ぶりな実では有るが・・・味は酸味も少なくとても美味な苺に手が止まらなくなってしまった私は・・・手当り次第に摘んで食べてしまう。
「美味しいーーーっ!」
私は無我夢中で食べていたので、全く気付けなかったーーー。
二人の足音がどんどん近付いてきて、もう私のすぐ後ろに居る事を・・・
「絶対にアナスタシア家の庭園にも苺を取り入れて貰わなくっちゃ!!こんなに美味しいなんて・・・嘘でしょう~?!」
「ええ、本当に嘘みたいな光景で言葉も有りませんよ。」
「フローラ・・・、まさか庭園の植物を食べてしまうとはーーー」
思わず〝ギクリ〟という効果音をつけて欲しい位に私の背中は硬直し汗を流していた。
とりあえず手に持っていた苺を見えない様に隠すと恐る恐るゆっくりと振り返る。
「え・・・あ・・・あはは・・・。その・・・見ちゃいました?」
予想通り私を見下ろす様にそこに立っていたサイラスと殿下は、私の姿を見るや否や急に笑い出してしまった。
「ぷっ!あははは!」
「フローラ様っ!どれだけ食べたんだよ~!」
「え?」
私は慌てて自分の姿を確認しようと首を下に向けると、そこには私が食べた苺のヘタが山ほど転がってしまっていた・・・。
「ーーーあ。」
流石に恥ずかしくなってしまった私は、慌てて立ち上がりスカートの上に有ったヘタを払い落としたが、赤くなった顔まではすぐには戻せなかったーーー。
(ん・・・?あ・・・?)
サイラスのお色気攻撃に気絶してしまっていたらしい私は、気付けば誰かに抱き抱えられていた。
ぼやける意識の中で何とか目を開けようとすると・・・
(眩しい・・・っ、?!)
どうやら馬車を降りて外に出て来たらしく、あまりの眩しさに再度目を瞑ると、誰かの足音が近付いて来た。
「サイラス!!、お前!フローラに何をした?!」
「何もしていないよ・・・。お疲れだったのか、馬車の中で眠って仕舞われただけだ。」
(殿下?・・・と、サイラス・・・?何か、友達みたいに喋ってる気が・・・するけど・・・、)
「くそっ!!・・・油断していた。お前がーーーに興味を持たない訳が無いのに・・・!」
「あのさ~、そういう言い方やめてくれる?俺が女性に好意を寄せる事が珍しいみたいな・・・」
(頭が痛くて上手く聞き取れない・・・・・・、二人には共通の想い人が居るって事なのかしら?)
「珍しいだろうが・・・!数々の貴族令嬢を袖にして、食ってはポイだったお前が・・・わざわざ迎えに行くなど・・・!」
「ルークとは違って俺は大人なんだよ?大人の嗜みとして一夜の相手をしないと、悪い噂が流れて大変なんだよ~」
(まぁ・・・確かに、サイラスは今や時の人だものね。王宮執事という肩書きが有れば爵位なんて別に有っても無くても良いでしょうし・・・。何より26歳で独身であの見た目だもの・・・箱入り娘を宛てがうのには絶好の相手よね・・・。)
「悪い噂なら既に山ほど流れている・・・!1つ2つ増えた所で痛くも痒くも無いだろう・・・!」
「ルークは馬鹿だなぁ~、悪い噂と黒い噂は似て非なるものなんだよ~!」
(え?!そうなの?!サイラスって黒い噂沢山有るの?!・・・まぁ、でもあの性格だものね・・・。納得だわ~うんうん。)
「「・・・・・・・・・。」」
(あれ・・・?何で急に2人共黙っちゃったのかしら・・・?)
「フローラ・・・その言いにくのだが・・・」
「フローラ様、目を瞑っていてもそれだけ表情豊かでは・・・」
「「起きてるのバレバレ・・・」」
「です。」「だぞ。」
「・・・・・・へ?」
堪らず目を開けた私は、どうやらサイラスに抱えられていたらしく・・・下を向くサイラスの満面の笑みと、私を覗き込む様に見ていた殿下とバッチリ目が合ってしまった。
「きゃあああっ!」
美形が2つも眼前に並んでいたものだから、思わず叫んでしまった私は、サイラスに降ろして貰うと大きく深呼吸を繰り返して何とか冷静を取り戻した。
「す、すみません・・・。急に整った顔面が2つも並んでいたものですから・・・っ、」
軽く咳払いをして身なりを整えた私は、殿下に向かって淑女の礼を取った。
「フローラ・・・。会いたかったぞ・・・!サイラスに何かひどい事をされたのでは無いか?」
淑女の礼からまだ体制をきちんと戻して居ない所を殿下に引っ張られてしまった私は、そのまま殿下の胸の中へとダイブしてしまった。
「ひぇ・・・っ?!あの・・・、殿下・・・っ?!!」
「失礼な。ひどい事などしませんよ。ルークじゃあるまいし・・・。俺は好いた女性はとことん甘やかす男だよ?」
そう言うと次はサイラスに肩を後ろから引っ張られて、元の位置へと強制的に戻された。
「サイラス・・・っ!お前、婚約者との逢瀬に無粋だぞ!いつもの様にせめて隠れていろ!!」
私の事などお構い無しで始まる二人の口論に、始めこそ視線を往復させて聞いて居たが・・・次第に呆れを覚え始めた私が天を仰ぎ始めた事は言うまでもない・・・。
(まぁでも、これでデートの時間がどんどん削られれば私にとっても好都合だものね・・・!!)
放置を決め込んだ私が周りを見渡してみると、辺り一面に美しい花が咲き誇り小鳥が飛び交っている事に気付いた。
水のせせらぎも微かに聞こえるので・・・恐らく川か湖が近くに有るのだろう。
(2人の口論に付き合うのも飽きたし・・・少し散策して見ようかしら?)
2人に気付かれない様に回れ右をした私は、忍び足で美しい花が咲き誇る方へと足を進めた。
(綺麗・・・!とても良い香り・・・!)
色んな種類の花が咲き乱れている中、一つ実の成っている植物を発見した私はその形に見覚えが有った。
「やっぱり!苺だよね・・・?こんな可愛い花が咲くなんて知らなかった~!」
そして朝食を抜いて来てしまった私には・・・この苺がご馳走の如く美味しそうに見えた・・・。
(いやいやいや!流石に・・・不味いわよ!公爵令嬢がお空の下で苺を摘んで食べるなんて・・・!流石に駄目よね・・・駄目・・・!駄目だろうけど・・・ーーー)
チラリと後ろを覗けば未だ口論に夢中の二人の姿・・・
それ以外には誰も居そうに無い・・・。
(誰も見てない・・・・・・なら、大丈夫か!!!)
「いっただっきま~す!」
摘んだ苺をそのままポイッと口の中に入れると、とても甘美な味が広がる・・・。
食用で無い為か小ぶりな実では有るが・・・味は酸味も少なくとても美味な苺に手が止まらなくなってしまった私は・・・手当り次第に摘んで食べてしまう。
「美味しいーーーっ!」
私は無我夢中で食べていたので、全く気付けなかったーーー。
二人の足音がどんどん近付いてきて、もう私のすぐ後ろに居る事を・・・
「絶対にアナスタシア家の庭園にも苺を取り入れて貰わなくっちゃ!!こんなに美味しいなんて・・・嘘でしょう~?!」
「ええ、本当に嘘みたいな光景で言葉も有りませんよ。」
「フローラ・・・、まさか庭園の植物を食べてしまうとはーーー」
思わず〝ギクリ〟という効果音をつけて欲しい位に私の背中は硬直し汗を流していた。
とりあえず手に持っていた苺を見えない様に隠すと恐る恐るゆっくりと振り返る。
「え・・・あ・・・あはは・・・。その・・・見ちゃいました?」
予想通り私を見下ろす様にそこに立っていたサイラスと殿下は、私の姿を見るや否や急に笑い出してしまった。
「ぷっ!あははは!」
「フローラ様っ!どれだけ食べたんだよ~!」
「え?」
私は慌てて自分の姿を確認しようと首を下に向けると、そこには私が食べた苺のヘタが山ほど転がってしまっていた・・・。
「ーーーあ。」
流石に恥ずかしくなってしまった私は、慌てて立ち上がりスカートの上に有ったヘタを払い落としたが、赤くなった顔まではすぐには戻せなかったーーー。
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