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本編 第二部 ~噂の姫様は初デートにて~
天才ドS執事
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「おはようございます。お嬢様」
眩しい朝日と小鳥の囀り・・・専属メイドのアーニャの穏やかな声・・・それはいつも通りの朝の光景だった。
「アーニャ・・・おはよう。ーーーゴホゴホ・・・っ、ゴホゴホゴホッ、!!!」
私はベッドから体をそれはそれは重そうに起こすと、部屋の窓を割る勢いで咳払いを続けた。
「お、お嬢様?!どうなさったのですか・・・?!」
私の様子を見て表情が一変したアーニャが慌てて私の傍に駆け寄り、体を支えてくれた。
幼少の頃より私の専属メイドして仕え続けてくれているアーニャを騙すのは心苦しいが・・・私はお父様に尽く殿下とのデートの約束を断る作戦を潰されてしまい、今日つまり・・・デート当日を迎えてしまったのだ・・・。
(もう私に残された手段は・・・仮病しか無いの・・・!許して、アーニャ・・・!)
「あぁ・・・大変だわ!アーニャ・・・、私、どうやら今日は体調が優れない様だわ・・・!」
「まぁ・・・!でもお嬢様、今日は大切な・・・殿下との初デートの日ですよね?何とかしないとー」
「いやいやいや!絶対に何とかなんてならないわ!頭痛と寒気と関節痛と目眩と・・・あと、ついでに吐き気もするわ!デートなんて絶対に無理だし・・・殿下に移してしまったら大変ですもの・・・。ええ、本当に本当に残念だけれど・・・王宮に使いを出して本日のデートは丁重にお断りしてくれるかしら・・・?」
(アーニャ・・・お願いよ!私の願いを聞き届けて・・・!)
神頼みに近い気持ちでアーニャの言葉を待っていると・・・その返答は本当に予想だにしないものだった。
「それが、その・・・お嬢様、大変申し上げにくいのですが・・・殿下の使いの方が既にお屋敷にお嬢様をお迎えに来ております。」
「ーーーえ?こんな朝早くに?」
「はい。あの・・・『きっとフローラ様の体調が悪くなるでしょうから、ここで医者と待機しておきます』と仰って・・・旦那様もご存知だった様で・・・その・・・」
歯切れの悪いアーニャの視線の先は窓だった。私が慌ててその窓から見える我が家の庭園を覗きこむと、そこには・・・緑の中で輝く天使もといドSの若き天才執事サイラスが私に向かって満面の笑みで手を振っていた。
(や・・・やられた・・・!先手を打たれた・・・!)
「あの・・・お嬢様、お医者様をお連れ致しましょうか・・・?」
(ぐぬぬぬ・・・!!!)
「あら?あらららら?ーーーごめんなさい、アーニャ・・・どうやら私の勘違いだった様だわ!もうすっかり元気になったので、お医者様は大丈夫だとサイラス様に伝えて来てくれるかしら?」
私の猿芝居に朝から振り回されたアーニャの顔は困惑そのものだったが、彼女は私の焦っている様子を察して一先ず何も聞かずにサイラスの元へと向かって行ってくれた。
サイラス・クリプトン・・・過去4回の間でそんなに深く関わる事は無かったものの、彼があの見た目通りの天使の様な男性では無いという事だけは分かっていた。
もっと言うと今のサイラスは話題の中心的存在で、貴族の誰もが一度は会いたいと思っている時の人だ。
そう簡単に会える人では無い筈なのだが・・・何故、今世ではこんな短期間に二回も会っているのだ?
(確かサイラスは・・・過去4回共にアカデミー入学のタイミングが初対面で少し挨拶を交わす程度だった筈・・・。屋敷にまで来るなんて・・・どうなっているのかしら?)
私がサイラス・クリプトンについて考え込んでいると、部屋にノックの音が響きアーニャが部屋へ戻ってきた。
「只今戻りました、お嬢様。それで・・・その、サイラス様が・・・朝食を一緒に摂る事となってしまいまして・・・旦那様がお待たせしない様にと・・・。」
「ふふふ、本当にお父様ったら・・・嫌だわ?乙女の支度がすぐに終わる訳など無いのにね?」
「えっ、えぇ・・・本当に。」
私の令嬢スマイルを見たアーニャの顔は物凄い引き攣り方をしてしまっていた。内に秘めたつもりのこの〝怒り〟は完全に隠せたと思ったのだが・・・漏れ出てしまっていた様だ。
「いつも通りお願いね?アーニャ・・・」
「かっ、かか、かしこまりました。」
私が静かに怒っている事を察したアーニャが、勝手知ったる私の部屋で派手に転けたのは、5回目にして初めて見る光景だったーーー。
「お待たせ致しました、お父様」
焦るアーニャの手を何度もゆっくり落ち着かせて、バッチリ準備が整った私はようやく食堂へと顔を覗かせた。
とうの昔に食事を済ませてしまったのか、お父様とサイラスのテーブルにはティーセットのみが置かれて居た。
「遅いじゃないか!フローラ・・・!サイラス殿がどれだけお待ちになっ」
「お父様?乙女の支度とは、時間がかかって当然のものなのですよ?焦らすなど・・・無粋ですわ」
お父様の言葉を遮った私は昨日、屋敷へ来てくれたエレノアより頂いた扇子を早速口元で広げてエレノアの真似をしてみた。つまり・・・めちゃくちゃ涼やかにお父様を睨んでやった。
この刺さるような目線と小道具にタジタジのお父様は、言葉の続きを飲み込んで冷や汗の様なものを流し始めていた。
「それに・・・!サイラスがこ~んな朝早くから来て下さるなんて、本当にもう夢にも思わなかったもので・・・、ごめんなさいね?サイラス。」
(私が殿下を影武者扱いした報いを受けさせたくて、わざわざやって来たのね・・・!殿下の犬め!悪い事したとは思うけど・・・今日一日どんな拷問が待っているのかと考えると・・・あぁ、逃げ出してしまいたい・・・っ!!!)
「フローラ様・・・御無礼をお許し下さい。ですが本日は、大切な大切な殿下とフローラ様のデートの日ですので。万全を期す為にこうして馳せ参じた訳で御座います。」
「白々しい・・・!」
(何がデートだ!デートという名のお仕置ツアーでしょうが!!それに今日も今日とて、この完璧な笑顔!癒され・・・・・・ーって、はッ!いけない!ガードを緩めたら・・・!私は騙されないわよ!サイラス!!)
「貴方がドSだって事は、もうお見通しなんですからねっ!!!」
(あれ・・・?今のって心の声だよね・・・?声に、出てないよね・・・?)
「おや、フローラ様は手厳しいですね。私はドSですか・・・つまりサディストという意味で間違い無いでしょうか?」
どうやら私は、1番聞かれてはいけない部分を思わず口から出してしまっていたらしい・・・。
黒いオーラを纏った完璧な笑顔で私の方へと歩いてくるサイラスに思わず後退りしてしまう・・・。
「サイラス・・・ごめんなさい・・・その、間違えて心の声が出てしまっていたみたいで・・・」
「お、お嬢様!それでは更に失礼です!!」
アーニャがコソコソ声MAXで私に向かって言ってくれた言葉はギリギリ私の耳に届いたが、時すでに遅し。
「フローラ様・・・、良いのです。未来の王妃候補である貴女の評価が〝ドS〟で有るという事実を私は受け止め、改善しなくてはいけません。具体的にどこら辺がドSなのかお聞かせ願えますか?」
「え・・・いや、本当に言っても宜しいのですか?」
前回までの私なら確実にここで幕引きを図ったであろう・・・が!私は今世では婚約破棄を目論む女!!調度良いわ!ここで失礼な事をぶっかまして、サイラスから殿下に告げ口して貰い、何故か上がっている殿下の好感度を地の底へ下げてやるわ・・・!
「フローラ・・・冷静に、冷静に考えて発言しなさい・・・な?」
「お嬢様・・・!間に受けてはいけません・・・!」
私を止めようとヒソヒソ声MAXでお父様とアーニャが顔を青くしながら私に言葉を投げかけるが、私は視線をサイラスから離さなかった。
「サイラス・・・貴方、人の困った顔を見るのが大好きなのでしょう?!あと、追い詰めるのとか・・・逃げ道を塞いだりとか・・・そういう事に至高の喜びを感じている所がドSなのです!!!」
私の言葉に完璧な笑顔を崩さないサイラス・・・。
両手で顔を覆うアーニャ・・・、狼狽えるお父様・・・、
そして、手応えのない反応に首を傾げる私。
きっとここに居る誰もが忘れてしまっているーーー。
殿下との大切なデートの待ち合わせ時刻に、もう既に間に合わない事をーーー
眩しい朝日と小鳥の囀り・・・専属メイドのアーニャの穏やかな声・・・それはいつも通りの朝の光景だった。
「アーニャ・・・おはよう。ーーーゴホゴホ・・・っ、ゴホゴホゴホッ、!!!」
私はベッドから体をそれはそれは重そうに起こすと、部屋の窓を割る勢いで咳払いを続けた。
「お、お嬢様?!どうなさったのですか・・・?!」
私の様子を見て表情が一変したアーニャが慌てて私の傍に駆け寄り、体を支えてくれた。
幼少の頃より私の専属メイドして仕え続けてくれているアーニャを騙すのは心苦しいが・・・私はお父様に尽く殿下とのデートの約束を断る作戦を潰されてしまい、今日つまり・・・デート当日を迎えてしまったのだ・・・。
(もう私に残された手段は・・・仮病しか無いの・・・!許して、アーニャ・・・!)
「あぁ・・・大変だわ!アーニャ・・・、私、どうやら今日は体調が優れない様だわ・・・!」
「まぁ・・・!でもお嬢様、今日は大切な・・・殿下との初デートの日ですよね?何とかしないとー」
「いやいやいや!絶対に何とかなんてならないわ!頭痛と寒気と関節痛と目眩と・・・あと、ついでに吐き気もするわ!デートなんて絶対に無理だし・・・殿下に移してしまったら大変ですもの・・・。ええ、本当に本当に残念だけれど・・・王宮に使いを出して本日のデートは丁重にお断りしてくれるかしら・・・?」
(アーニャ・・・お願いよ!私の願いを聞き届けて・・・!)
神頼みに近い気持ちでアーニャの言葉を待っていると・・・その返答は本当に予想だにしないものだった。
「それが、その・・・お嬢様、大変申し上げにくいのですが・・・殿下の使いの方が既にお屋敷にお嬢様をお迎えに来ております。」
「ーーーえ?こんな朝早くに?」
「はい。あの・・・『きっとフローラ様の体調が悪くなるでしょうから、ここで医者と待機しておきます』と仰って・・・旦那様もご存知だった様で・・・その・・・」
歯切れの悪いアーニャの視線の先は窓だった。私が慌ててその窓から見える我が家の庭園を覗きこむと、そこには・・・緑の中で輝く天使もといドSの若き天才執事サイラスが私に向かって満面の笑みで手を振っていた。
(や・・・やられた・・・!先手を打たれた・・・!)
「あの・・・お嬢様、お医者様をお連れ致しましょうか・・・?」
(ぐぬぬぬ・・・!!!)
「あら?あらららら?ーーーごめんなさい、アーニャ・・・どうやら私の勘違いだった様だわ!もうすっかり元気になったので、お医者様は大丈夫だとサイラス様に伝えて来てくれるかしら?」
私の猿芝居に朝から振り回されたアーニャの顔は困惑そのものだったが、彼女は私の焦っている様子を察して一先ず何も聞かずにサイラスの元へと向かって行ってくれた。
サイラス・クリプトン・・・過去4回の間でそんなに深く関わる事は無かったものの、彼があの見た目通りの天使の様な男性では無いという事だけは分かっていた。
もっと言うと今のサイラスは話題の中心的存在で、貴族の誰もが一度は会いたいと思っている時の人だ。
そう簡単に会える人では無い筈なのだが・・・何故、今世ではこんな短期間に二回も会っているのだ?
(確かサイラスは・・・過去4回共にアカデミー入学のタイミングが初対面で少し挨拶を交わす程度だった筈・・・。屋敷にまで来るなんて・・・どうなっているのかしら?)
私がサイラス・クリプトンについて考え込んでいると、部屋にノックの音が響きアーニャが部屋へ戻ってきた。
「只今戻りました、お嬢様。それで・・・その、サイラス様が・・・朝食を一緒に摂る事となってしまいまして・・・旦那様がお待たせしない様にと・・・。」
「ふふふ、本当にお父様ったら・・・嫌だわ?乙女の支度がすぐに終わる訳など無いのにね?」
「えっ、えぇ・・・本当に。」
私の令嬢スマイルを見たアーニャの顔は物凄い引き攣り方をしてしまっていた。内に秘めたつもりのこの〝怒り〟は完全に隠せたと思ったのだが・・・漏れ出てしまっていた様だ。
「いつも通りお願いね?アーニャ・・・」
「かっ、かか、かしこまりました。」
私が静かに怒っている事を察したアーニャが、勝手知ったる私の部屋で派手に転けたのは、5回目にして初めて見る光景だったーーー。
「お待たせ致しました、お父様」
焦るアーニャの手を何度もゆっくり落ち着かせて、バッチリ準備が整った私はようやく食堂へと顔を覗かせた。
とうの昔に食事を済ませてしまったのか、お父様とサイラスのテーブルにはティーセットのみが置かれて居た。
「遅いじゃないか!フローラ・・・!サイラス殿がどれだけお待ちになっ」
「お父様?乙女の支度とは、時間がかかって当然のものなのですよ?焦らすなど・・・無粋ですわ」
お父様の言葉を遮った私は昨日、屋敷へ来てくれたエレノアより頂いた扇子を早速口元で広げてエレノアの真似をしてみた。つまり・・・めちゃくちゃ涼やかにお父様を睨んでやった。
この刺さるような目線と小道具にタジタジのお父様は、言葉の続きを飲み込んで冷や汗の様なものを流し始めていた。
「それに・・・!サイラスがこ~んな朝早くから来て下さるなんて、本当にもう夢にも思わなかったもので・・・、ごめんなさいね?サイラス。」
(私が殿下を影武者扱いした報いを受けさせたくて、わざわざやって来たのね・・・!殿下の犬め!悪い事したとは思うけど・・・今日一日どんな拷問が待っているのかと考えると・・・あぁ、逃げ出してしまいたい・・・っ!!!)
「フローラ様・・・御無礼をお許し下さい。ですが本日は、大切な大切な殿下とフローラ様のデートの日ですので。万全を期す為にこうして馳せ参じた訳で御座います。」
「白々しい・・・!」
(何がデートだ!デートという名のお仕置ツアーでしょうが!!それに今日も今日とて、この完璧な笑顔!癒され・・・・・・ーって、はッ!いけない!ガードを緩めたら・・・!私は騙されないわよ!サイラス!!)
「貴方がドSだって事は、もうお見通しなんですからねっ!!!」
(あれ・・・?今のって心の声だよね・・・?声に、出てないよね・・・?)
「おや、フローラ様は手厳しいですね。私はドSですか・・・つまりサディストという意味で間違い無いでしょうか?」
どうやら私は、1番聞かれてはいけない部分を思わず口から出してしまっていたらしい・・・。
黒いオーラを纏った完璧な笑顔で私の方へと歩いてくるサイラスに思わず後退りしてしまう・・・。
「サイラス・・・ごめんなさい・・・その、間違えて心の声が出てしまっていたみたいで・・・」
「お、お嬢様!それでは更に失礼です!!」
アーニャがコソコソ声MAXで私に向かって言ってくれた言葉はギリギリ私の耳に届いたが、時すでに遅し。
「フローラ様・・・、良いのです。未来の王妃候補である貴女の評価が〝ドS〟で有るという事実を私は受け止め、改善しなくてはいけません。具体的にどこら辺がドSなのかお聞かせ願えますか?」
「え・・・いや、本当に言っても宜しいのですか?」
前回までの私なら確実にここで幕引きを図ったであろう・・・が!私は今世では婚約破棄を目論む女!!調度良いわ!ここで失礼な事をぶっかまして、サイラスから殿下に告げ口して貰い、何故か上がっている殿下の好感度を地の底へ下げてやるわ・・・!
「フローラ・・・冷静に、冷静に考えて発言しなさい・・・な?」
「お嬢様・・・!間に受けてはいけません・・・!」
私を止めようとヒソヒソ声MAXでお父様とアーニャが顔を青くしながら私に言葉を投げかけるが、私は視線をサイラスから離さなかった。
「サイラス・・・貴方、人の困った顔を見るのが大好きなのでしょう?!あと、追い詰めるのとか・・・逃げ道を塞いだりとか・・・そういう事に至高の喜びを感じている所がドSなのです!!!」
私の言葉に完璧な笑顔を崩さないサイラス・・・。
両手で顔を覆うアーニャ・・・、狼狽えるお父様・・・、
そして、手応えのない反応に首を傾げる私。
きっとここに居る誰もが忘れてしまっているーーー。
殿下との大切なデートの待ち合わせ時刻に、もう既に間に合わない事をーーー
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