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本編
ずっと謝りたかった・・・
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「愛を確かめる前にキスをするとは・・・!お前のフレイヤ嬢に対する気持ちはそんなものだったのか!!この恥知らずめが・・・っ!」
公爵様のお怒りが私の予想と真逆の方向だった為、思わず目を見開いて固まってしまう。
(ーーーへ?)
「フレイヤ様・・・今一度、坊っちゃまにチャンスを頂けませんでしょうか?」
そんな驚いている私を置いて、すかさず言葉を続けてきたのは爺やだ。
(チャンスーーー?って、何の?)
「フレイヤ嬢・・・傍で見てきた私が保証する!エドマンドは必ず君を大切に出来る男だ!少し我慢弱くなってしまったらしいが・・・決して、君を弄んだ訳では無いのだ!」
いやー・・・まぁ、確かに。
弄ばれた事など有りませんし・・・
仮にそうだったとしても、私はそうは思っていませんけれど・・・?
(ま、まぁ・・・キスの事はね。一先ず置いといて・・・。)
「え、あ・・・はぁ・・・。」
もう何が何だか分からない!
皆、何のことを誰に対して話しているのだ!
(私だけ・・・?!私だけが、分かってないの?!、)
頭を抱えながらグルグルと目を回す私の肩をエドマンドが支える。
その真剣な眼差しから目が離せなくなってしまった私は・・・何故かドキドキして仕方がなかった。
「フレイ・・・ごめん。まさか君がこんなに鈍ーいや、僕の気持ちに気付いていなかったとは・・・」
「あの・・・私、もしかして馬鹿にされていますか?」
今、「鈍い」って言いかけたでしょ?!
ハイネス公爵様の前でなんて事をカミングアウトしてくれてるのよ!もう・・・っ!!
「僕の気持ちは・・・ずっと変わらない。6年前、離れ離れになってしまったけれどーーーずっと、変わらなかったんだ。」
私の膨れた頬を見て、蕩けるように優しく微笑んだエドマンドの表情を不覚にも間近で見てしまった私は・・・それ以上何も言葉を続けられない程に、顔が熱くて仕方がなくなってしまった。
「本当はー・・・ずっと謝りたかったーーー。
大変な時に力になれなくて、ごめん。
没落させる様なきっかけを作って、ごめん。
ずっと一人にさせて・・・、ごめん。」
泣き出しそうな程、悲しそうに顔を歪めながらそうポツリと零す様に謝罪の言葉を重ねるエドマンドに・・・胸が締め付けられる。
「エドマンド様・・・が、謝る事では有りません。」
本当は「エド」と手を差し伸べたかったのだが・・・爺やと公爵様が見ている手前、出来なかった。
だけど、私の他人行儀な言葉ではエドマンドの心には届かなかったらしく・・・お互いに俯いたまま沈黙の時が流れたーーー。
「ままま、マトン!久しぶりに学園を散策したくなったぞ!」
「左様でございますか。御一緒させて頂きます。」
何故か凄く焦った様子の公爵様が突拍子も無いことを口にすると・・・間髪入れずに爺やがお供を名乗り出た。
「え、あ・・・私がーーー」
どう考えても学園内を散策するので有れば、爺やより私の方が適任である。
この状況で部屋を出るのは忍びないと思いつつも・・・
一応、申し出ておこうと公爵様に声を掛けようとした瞬間、
「フレイ・・・待ってよ!」
エドマンドに手を握って止められた。
「でも、公爵様が・・・」
と言葉を続けようとすると、そのまま手を引かれて、エドマンドの腕の中に吸い込まれてしまった。
「ーーーっ!?」
公爵様が見ている前での事だった為、慌てて腕を解こうと力を込めるが・・・
(びっ、びくともしない・・・っ!!)
「エドマンド!私達は戻って来るのだからな!!ぜ、絶対に寝室には入らない様に・・・っ!!」
「失礼致します。坊っちゃま、フレイヤ様。」
私がエドマンドの腕の中でジタバタしている間に爺やと公爵様は本当に外へと出て行ってしまった様で・・・
パタンという扉が閉まる音で我に返った私は、エドマンドの一瞬の隙をついて、腕の中から脱出する事に成功した。
「公爵様が見ている前で何て事するのよ・・・!エド・・・!」
「父上・・・?似たような所を既に何回も見られているのに・・・今更、恥ずかしいの?」
「ろ、6年前と今とでは状況が違うでしょうが・・・!」
悪びれもせずにそう言ってのけるエドマンドに対し、またお説教モードのスイッチが入ってしまいそうになったが・・・
(いかんいかん・・・。公爵様が折角下さった貴重な時間を・・・私の説教で台無しにする所だったわ・・・)
「ゴホンっ!それで、さっきも言ったけれど・・・どれもエドが謝る様な事じゃないわ。」
「で、でも・・・!貿易商を営んでいたハンメルン家が苦しくなったのは・・・間違いなく、父上が隣国に橋を掛けたからで・・・」
数回咳払いをして、無理やり話を戻した私は改めてそう伝えるが・・・エドマンドは素直には聞いてくれない。
「エド・・・あのね・・・」
「う、恨んでないの・・・?ハイネス家の事・・・、父上の事・・・。実際、貿易商を生業としていた家からは、沢山の批難を受けたんだ・・・。だから・・・」
まさか、ハイネス公爵家を批難する様な阿呆が居たとは・・・。
それは初耳だったが・・・まぁ、確かに人のせいにもしたくなる様な困窮ぶりだったのは確かだ。
短期間の間に、まともな予告も無しで次々と掛けられた橋のせいで冷静に考える時間も余裕も無かったのだから・・・
「でも・・・公爵様が橋を掛けて下さったお陰で国は発展したわ?貧民街も減ったし・・・、国民の生活は豊かになっているじゃない!」
「でも、ハンメルン家は没落してしまって・・・今は苦しい生活をしていると・・・。」
「エド・・・。公爵様がした事はとても立派な事なのよ?もっと誇るべきだわ・・・。それに・・・没落したのはお父様に才が無かっただけの話で・・・ハイネス公爵家は全く関係ないわ?」
これは私の本心だーーー。
お父様には申し訳ないが・・・実際、貿易商を生業としていた貴族が皆んな没落した訳では無い。
先見の明を持っていらっしゃった方は・・・様々な策を講じて、今でも貴族のままだ。
大体、ハイネス公爵家はあくまでも王命を受けてその使命を全うしただけの事。
橋を掛けるというのは、王族が決めたことであって公爵様が決めた訳では無い。
だからエドマンドが気に病む必要は全く無いし、私自身もそんな事微塵も思っていないのだが・・・
「でも・・・謝りたかったんだ。僕が大変な時、いつもフレイが助けてくれたのに・・・自分は出来なかったから」
「だから・・・見付け出してくれたじゃない?王立学園なんていう・・・この国で一番の教育まで受けさせてくれて・・・もう十分よ?お釣りを渡さないといけない位!」
そうエドマンドの手を握って笑い掛けると・・・ようやく胸つかえが取れたのか、エドマンドも優しく微笑み返してくれた。
公爵様のお怒りが私の予想と真逆の方向だった為、思わず目を見開いて固まってしまう。
(ーーーへ?)
「フレイヤ様・・・今一度、坊っちゃまにチャンスを頂けませんでしょうか?」
そんな驚いている私を置いて、すかさず言葉を続けてきたのは爺やだ。
(チャンスーーー?って、何の?)
「フレイヤ嬢・・・傍で見てきた私が保証する!エドマンドは必ず君を大切に出来る男だ!少し我慢弱くなってしまったらしいが・・・決して、君を弄んだ訳では無いのだ!」
いやー・・・まぁ、確かに。
弄ばれた事など有りませんし・・・
仮にそうだったとしても、私はそうは思っていませんけれど・・・?
(ま、まぁ・・・キスの事はね。一先ず置いといて・・・。)
「え、あ・・・はぁ・・・。」
もう何が何だか分からない!
皆、何のことを誰に対して話しているのだ!
(私だけ・・・?!私だけが、分かってないの?!、)
頭を抱えながらグルグルと目を回す私の肩をエドマンドが支える。
その真剣な眼差しから目が離せなくなってしまった私は・・・何故かドキドキして仕方がなかった。
「フレイ・・・ごめん。まさか君がこんなに鈍ーいや、僕の気持ちに気付いていなかったとは・・・」
「あの・・・私、もしかして馬鹿にされていますか?」
今、「鈍い」って言いかけたでしょ?!
ハイネス公爵様の前でなんて事をカミングアウトしてくれてるのよ!もう・・・っ!!
「僕の気持ちは・・・ずっと変わらない。6年前、離れ離れになってしまったけれどーーーずっと、変わらなかったんだ。」
私の膨れた頬を見て、蕩けるように優しく微笑んだエドマンドの表情を不覚にも間近で見てしまった私は・・・それ以上何も言葉を続けられない程に、顔が熱くて仕方がなくなってしまった。
「本当はー・・・ずっと謝りたかったーーー。
大変な時に力になれなくて、ごめん。
没落させる様なきっかけを作って、ごめん。
ずっと一人にさせて・・・、ごめん。」
泣き出しそうな程、悲しそうに顔を歪めながらそうポツリと零す様に謝罪の言葉を重ねるエドマンドに・・・胸が締め付けられる。
「エドマンド様・・・が、謝る事では有りません。」
本当は「エド」と手を差し伸べたかったのだが・・・爺やと公爵様が見ている手前、出来なかった。
だけど、私の他人行儀な言葉ではエドマンドの心には届かなかったらしく・・・お互いに俯いたまま沈黙の時が流れたーーー。
「ままま、マトン!久しぶりに学園を散策したくなったぞ!」
「左様でございますか。御一緒させて頂きます。」
何故か凄く焦った様子の公爵様が突拍子も無いことを口にすると・・・間髪入れずに爺やがお供を名乗り出た。
「え、あ・・・私がーーー」
どう考えても学園内を散策するので有れば、爺やより私の方が適任である。
この状況で部屋を出るのは忍びないと思いつつも・・・
一応、申し出ておこうと公爵様に声を掛けようとした瞬間、
「フレイ・・・待ってよ!」
エドマンドに手を握って止められた。
「でも、公爵様が・・・」
と言葉を続けようとすると、そのまま手を引かれて、エドマンドの腕の中に吸い込まれてしまった。
「ーーーっ!?」
公爵様が見ている前での事だった為、慌てて腕を解こうと力を込めるが・・・
(びっ、びくともしない・・・っ!!)
「エドマンド!私達は戻って来るのだからな!!ぜ、絶対に寝室には入らない様に・・・っ!!」
「失礼致します。坊っちゃま、フレイヤ様。」
私がエドマンドの腕の中でジタバタしている間に爺やと公爵様は本当に外へと出て行ってしまった様で・・・
パタンという扉が閉まる音で我に返った私は、エドマンドの一瞬の隙をついて、腕の中から脱出する事に成功した。
「公爵様が見ている前で何て事するのよ・・・!エド・・・!」
「父上・・・?似たような所を既に何回も見られているのに・・・今更、恥ずかしいの?」
「ろ、6年前と今とでは状況が違うでしょうが・・・!」
悪びれもせずにそう言ってのけるエドマンドに対し、またお説教モードのスイッチが入ってしまいそうになったが・・・
(いかんいかん・・・。公爵様が折角下さった貴重な時間を・・・私の説教で台無しにする所だったわ・・・)
「ゴホンっ!それで、さっきも言ったけれど・・・どれもエドが謝る様な事じゃないわ。」
「で、でも・・・!貿易商を営んでいたハンメルン家が苦しくなったのは・・・間違いなく、父上が隣国に橋を掛けたからで・・・」
数回咳払いをして、無理やり話を戻した私は改めてそう伝えるが・・・エドマンドは素直には聞いてくれない。
「エド・・・あのね・・・」
「う、恨んでないの・・・?ハイネス家の事・・・、父上の事・・・。実際、貿易商を生業としていた家からは、沢山の批難を受けたんだ・・・。だから・・・」
まさか、ハイネス公爵家を批難する様な阿呆が居たとは・・・。
それは初耳だったが・・・まぁ、確かに人のせいにもしたくなる様な困窮ぶりだったのは確かだ。
短期間の間に、まともな予告も無しで次々と掛けられた橋のせいで冷静に考える時間も余裕も無かったのだから・・・
「でも・・・公爵様が橋を掛けて下さったお陰で国は発展したわ?貧民街も減ったし・・・、国民の生活は豊かになっているじゃない!」
「でも、ハンメルン家は没落してしまって・・・今は苦しい生活をしていると・・・。」
「エド・・・。公爵様がした事はとても立派な事なのよ?もっと誇るべきだわ・・・。それに・・・没落したのはお父様に才が無かっただけの話で・・・ハイネス公爵家は全く関係ないわ?」
これは私の本心だーーー。
お父様には申し訳ないが・・・実際、貿易商を生業としていた貴族が皆んな没落した訳では無い。
先見の明を持っていらっしゃった方は・・・様々な策を講じて、今でも貴族のままだ。
大体、ハイネス公爵家はあくまでも王命を受けてその使命を全うしただけの事。
橋を掛けるというのは、王族が決めたことであって公爵様が決めた訳では無い。
だからエドマンドが気に病む必要は全く無いし、私自身もそんな事微塵も思っていないのだが・・・
「でも・・・謝りたかったんだ。僕が大変な時、いつもフレイが助けてくれたのに・・・自分は出来なかったから」
「だから・・・見付け出してくれたじゃない?王立学園なんていう・・・この国で一番の教育まで受けさせてくれて・・・もう十分よ?お釣りを渡さないといけない位!」
そうエドマンドの手を握って笑い掛けると・・・ようやく胸つかえが取れたのか、エドマンドも優しく微笑み返してくれた。
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