あなたと二人

ゆきちん

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モヤモヤ

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入学から数週間が経ち、周りの人は新しい友達を作って仮入部や部活体験をしながら充実した楽しい毎日を送っていたが、相変わらずユキは人に対しての拒絶もあるが周りからの偏見もあり毎日学校には通っていたが友達はノンちゃん一人だけだった



『私の目的は一つだけだしノンちゃん以外に友達は作らないって決めてるからいいんだけど退屈だよなぁ……』



そんな退屈な毎日だがノンちゃんは一日に一回は必ずユキの教室に来てくれていた



「ゆきちゃん、どう?まだ男子は来たりするの?」


「ハァ……まだたまに来る
マジでウザイ」


気だるく返事をするがノンちゃんは明るく話して心配そうにしてくれていたが退屈なユキは愚痴っていた




「こんな感じだよ 
まぁあの頃と多少理由は違うけど……」



普通の生徒だったユキがここまで気持ちが変化した理由は小学生の時にあった
学年全体でも10人もいない学校だったのだが、ある日いきなり事実無根の噂が流れてから無視や陰口などのイジメに合い、ノンちゃん以外の普通に話していた子達までイジメを主導していた人側についてしまって全く意味がわからないユキは深く傷付いた


それから考えが屈折してしまい、わざわざ辛い想いをしないといけない学校に行く意味がわからなくなり引きこもりを始めたのだった



『友達って何?
仲良くして裏切られるくらいなら最初から友達なんて作らなきゃ良かった
もう他人は信用しない』



友達なんて無意味な物だから作らない
他人と馴れ合うから辛い思いをしなきゃいけなくなるんだ……

そんな考えに達したユキは家族とノンちゃん以外には無表情、無関心、拒絶、を通してきた



そんな思いなど知らない他の学校から来た同級生達だが、ユキの風貌と噂話が手伝って教室でも放課になると周りの机には人すら座らない無人島状態になっていた



『放課はつまらないけど、それでも友達なんて作ってこれ以上傷付くよりはよっぽどまし』



そんなユキだが、どんな時でもノンちゃんだけはイジメ側には回らずに周りから色々言われてもかばってくれ続け、独りぼっちになっていたユキをずっと支えてくれていた

なので彼女とは喧嘩や言い合いはするが昔と変わらずに唯一ユキは心を開いていて、体験入部終わりに久しぶりに一緒に帰るので二人とも少しテンションが上がっていた




「そういえば前に言ってた他の学校で出来てた色々なグループが中学でも継続してツルんでる人達がいっぱいいるみたい」


仲間に入りたいとか仲良くしたい気ははいし、もちろん興味はないが暇潰しとして噂好きなのんちゃんの仕入れてくる話を聞いていた



「○部を中心とした○○グループとか……面白い人達が集まってたり○○君がリーダーでグループが出来てたりとか……」




ノンちゃんはユキをいつも気にしてくれてすごい優しい子だから唯一の友達にして親友でもある
人懐っこく話好きな彼女は周りともすぐに仲良くなり色々な話題を仕入れてはユキに話してくれるので『そんな情報どうでもいいわ』と思うような面倒な時もあるが一応彼女の話には耳を傾けて軽く相槌をしたりして聞いていた



「あとね、あの人……まさ君達」



まさ君とは、彼女はハッキリとは言わないがノンちゃんがたぶん好きであろう男子で、見た目はヤンキーではないが侠気のありそうなガッチリ体型の凛々しい人で、普段はカジ君や数人のその仲間らしき人達とよく一緒にいる仲良しグルーの一人だ



ノンちゃんの語るまさ君の話はあまり真剣には聞いていなかったのだが、ユキにはある考えがあった


それは、ノンちゃんがまさ君と付き合えば自然とカジ君とも仲良くなるだろう
そうしたら彼女の事だからユキも強引にみんなと遊ぶ時に連れて行かれる事もあるだろうから無理なくカジ君との距離も近づくであろうと考えていた


その為にはまさ君との事の相談には親友としての立場で親身になって受けてあげてまさ君と付き合ってもらおうと思っていた



しかしノンちゃんは昔から端から見れば一目瞭然なのだが好きな男子の事はなかなか自分から言い出さない人なので、そこをどうにかしようと作戦を考えている所だった

そして、昔は学年でも男子は数人しかいなかったから良かったのだが、中学は学年の人数が10倍以上になった事で目移りしやすい彼女がまさ君だけを狙っているのかも怪しいのでユキも下手にカマを掛けて探る事が出来ずにいたのだ



『ノンちゃんが素直に言えば私もやりやすいのに……
ホントに面倒な人だよなぁ』



相変わらず掴み所のない会話をして彼女は帰って行った
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