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モヤモヤ
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一人で帰っていると学校から家は近いといってもいつも横にいるうるさいアイツがいない事で物足りなさを感じていて、不思議と家までの距離が遠くなったようにさえ思えてしまう
ノンちゃんがいると周りを見ながら歩くという事がないので、彼女が部活の体験入部をしてからは周辺の景色を見ながら帰っていた
農道から見える県道には多くの車が行き交い、家路を急ぐ車の帰宅ラッシュを横目にゆっくりと辺り一面に拡がった田んぼにスクスクと伸びてきた稲穂を見ながらのんびりと歩いていた
『たまには一人もいいもんだ
でも、これから部活が始まれば一人で帰る事になるのか……何か学校に行く気持ちがかなり萎えてきたなぁ
フゥ~っ
久しぶりに風に揺れた稲穂の音を聞いたかも』
いつもは横でずっと喋っているノンちゃんの声で周りの音も聞いていなかったが、改めて都会にはない季節を感じる自然の音色を聞いて心が和んで寂しい気持ちを逸らしていた
そんなのんびり帰宅をする日々を過ごしていて、虫の音や風を感じる癒しの一時を邪魔するように前方には普段はいないはずのすれ違いたくない怪しい数人の女子がたむろをしている人影が見えていた
こんな農道の脇で制服姿の女子がいる事自体が怪しく、ユキは道を変えたいがまともな道はこの一本道しかなく、制服で遠回りの畦道を歩くのも嫌だった
ユキが予想したヤンキー女子達だとしたら畦道に行ってしまうと挟まれた時に逃げ場も戦うスペースすらもないので、諦めて彼女達の横を無視して行こうと目前まで歩くと「おいっ あんた、何を無視してんだよっ」と三人の女子先輩が道いっぱいに並んで道を塞いだ
「邪魔だ どけ!」
予想通り、以前一年生を使って呼び出しをしてきた違うレディースに所属している先輩達だった
近づく毎にそれもわかっていたユキは既に臨戦態勢になりながら歩いていたのでいつ彼女達が攻撃してきても応戦できる気持ちはできていた
そして日頃のストレスをぶつけるように言い返すとそのまま言い合いになっていた
「ふざけやがって
コイツ舐めすぎだ」
「ボコボコにしちゃお」
そう言うと先輩の一人が後ろからユキの髪の毛を掴んで引っ張ってきた
ヤンキーとは言っても普通の女子のように髪の毛や服を引っ張ったりする人が多く、いきなり殴りかかる人は少ないのでユキにとっては好都合の相手だった
「痛てぇんだっ ボケッ」
ユキもカバンを投げ捨てるようにして両手を開けると、下を向きながらも髪の毛を掴んだまま振り回そうとする先輩の胸元を掴んで位置を確認すると躊躇いもなく顔があるであろう位置に拳を握りおもいっきり腕を振り抜いた
バッチ~ンッ
「ぎゃっ……ああぁ~っ」
見ずに殴ったので完全にヒットはしなかったが、ユキのパンチが顔面に当たると先輩は手を離して当たった部分を押さえてうずくまった
うずくまった先輩の脇腹に蹴りを入れると先輩はそのまま苦しんで戦闘不能になった
『バァ~カッ
一人終了~っ』
姉や姉の友達などから聞いたこのやり方は色々な喧嘩で実践していて効果抜群だったので「復活されたら面倒だから絶対に脇腹を蹴って動けなくさせておけ」というアドバイスや複数相手の方法も思い出し、残った二人を見ると一人は少しヒキ気味な顔をしていたのでユキはそのまま彼女を数発で倒すと一人だけになった
彼女は三人のうちのリーダーっぽい感じで腕には自信がありそうな雰囲気だが、さすがに二人を秒殺されたので焦っていた
しかし、ユキは普段から最強と言われている姉と本気で姉妹喧嘩をしていたり、姉の友達の空手女子から蹴りやパンチなどを教えてもらっているのもあり普通に強いレベルの相手に一対一で負ける気はしていなかった
「あれ?
せんぱぁ~い、あと一人だけどすね~
もう終わりなのかな?」
「クソッ……一年のガキが調子にのんなっ!」
茶髪でパーマをかけた中学生には見えないリーダーは喧嘩慣れしているのかユキもかなり気を抜いておちょくっていると数発くらってしまった
しかし、姉達と比べたら威力もテクニックも遥かに劣る彼女に負けるはずもなく、そこにいた三人ともを倒すともがきながら倒れている横に立って彼女達を見下ろしていた
「チッ クソ弱えぇくせに先輩だからって調子に乗んなっ!」
そう言ってイライラの八つ当たりでリーダーにもう一発蹴りを入れた
「ううぅぅぅ……」
横たわり悶え苦しむ先輩を無視して久しぶりに暴れてスッキリしたユキは何もなかったかのようしながら気分良く家に戻った
『あ~、何かちょっとストレス解消したかも~っ』
砂利道の農道で暴れたので制服も多少汚れてしまい、翌日は姉のおさがりの少しいじってあるセーラー服を着て何事もなかったように学校に行った
1日過ごしても彼女達は何も話していないようで、ユキのチームの先輩からも何も言われずにいたのでユキも誰にも話さずにいて、その後も彼女達からの報復もなく過ぎていた
ノンちゃんがいると周りを見ながら歩くという事がないので、彼女が部活の体験入部をしてからは周辺の景色を見ながら帰っていた
農道から見える県道には多くの車が行き交い、家路を急ぐ車の帰宅ラッシュを横目にゆっくりと辺り一面に拡がった田んぼにスクスクと伸びてきた稲穂を見ながらのんびりと歩いていた
『たまには一人もいいもんだ
でも、これから部活が始まれば一人で帰る事になるのか……何か学校に行く気持ちがかなり萎えてきたなぁ
フゥ~っ
久しぶりに風に揺れた稲穂の音を聞いたかも』
いつもは横でずっと喋っているノンちゃんの声で周りの音も聞いていなかったが、改めて都会にはない季節を感じる自然の音色を聞いて心が和んで寂しい気持ちを逸らしていた
そんなのんびり帰宅をする日々を過ごしていて、虫の音や風を感じる癒しの一時を邪魔するように前方には普段はいないはずのすれ違いたくない怪しい数人の女子がたむろをしている人影が見えていた
こんな農道の脇で制服姿の女子がいる事自体が怪しく、ユキは道を変えたいがまともな道はこの一本道しかなく、制服で遠回りの畦道を歩くのも嫌だった
ユキが予想したヤンキー女子達だとしたら畦道に行ってしまうと挟まれた時に逃げ場も戦うスペースすらもないので、諦めて彼女達の横を無視して行こうと目前まで歩くと「おいっ あんた、何を無視してんだよっ」と三人の女子先輩が道いっぱいに並んで道を塞いだ
「邪魔だ どけ!」
予想通り、以前一年生を使って呼び出しをしてきた違うレディースに所属している先輩達だった
近づく毎にそれもわかっていたユキは既に臨戦態勢になりながら歩いていたのでいつ彼女達が攻撃してきても応戦できる気持ちはできていた
そして日頃のストレスをぶつけるように言い返すとそのまま言い合いになっていた
「ふざけやがって
コイツ舐めすぎだ」
「ボコボコにしちゃお」
そう言うと先輩の一人が後ろからユキの髪の毛を掴んで引っ張ってきた
ヤンキーとは言っても普通の女子のように髪の毛や服を引っ張ったりする人が多く、いきなり殴りかかる人は少ないのでユキにとっては好都合の相手だった
「痛てぇんだっ ボケッ」
ユキもカバンを投げ捨てるようにして両手を開けると、下を向きながらも髪の毛を掴んだまま振り回そうとする先輩の胸元を掴んで位置を確認すると躊躇いもなく顔があるであろう位置に拳を握りおもいっきり腕を振り抜いた
バッチ~ンッ
「ぎゃっ……ああぁ~っ」
見ずに殴ったので完全にヒットはしなかったが、ユキのパンチが顔面に当たると先輩は手を離して当たった部分を押さえてうずくまった
うずくまった先輩の脇腹に蹴りを入れると先輩はそのまま苦しんで戦闘不能になった
『バァ~カッ
一人終了~っ』
姉や姉の友達などから聞いたこのやり方は色々な喧嘩で実践していて効果抜群だったので「復活されたら面倒だから絶対に脇腹を蹴って動けなくさせておけ」というアドバイスや複数相手の方法も思い出し、残った二人を見ると一人は少しヒキ気味な顔をしていたのでユキはそのまま彼女を数発で倒すと一人だけになった
彼女は三人のうちのリーダーっぽい感じで腕には自信がありそうな雰囲気だが、さすがに二人を秒殺されたので焦っていた
しかし、ユキは普段から最強と言われている姉と本気で姉妹喧嘩をしていたり、姉の友達の空手女子から蹴りやパンチなどを教えてもらっているのもあり普通に強いレベルの相手に一対一で負ける気はしていなかった
「あれ?
せんぱぁ~い、あと一人だけどすね~
もう終わりなのかな?」
「クソッ……一年のガキが調子にのんなっ!」
茶髪でパーマをかけた中学生には見えないリーダーは喧嘩慣れしているのかユキもかなり気を抜いておちょくっていると数発くらってしまった
しかし、姉達と比べたら威力もテクニックも遥かに劣る彼女に負けるはずもなく、そこにいた三人ともを倒すともがきながら倒れている横に立って彼女達を見下ろしていた
「チッ クソ弱えぇくせに先輩だからって調子に乗んなっ!」
そう言ってイライラの八つ当たりでリーダーにもう一発蹴りを入れた
「ううぅぅぅ……」
横たわり悶え苦しむ先輩を無視して久しぶりに暴れてスッキリしたユキは何もなかったかのようしながら気分良く家に戻った
『あ~、何かちょっとストレス解消したかも~っ』
砂利道の農道で暴れたので制服も多少汚れてしまい、翌日は姉のおさがりの少しいじってあるセーラー服を着て何事もなかったように学校に行った
1日過ごしても彼女達は何も話していないようで、ユキのチームの先輩からも何も言われずにいたのでユキも誰にも話さずにいて、その後も彼女達からの報復もなく過ぎていた
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