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登場
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しおりを挟む肩幅もありまだ冬服の学ランに身を包んでいるがマッチョ系ではなくちょっとポチャッとした感じの体型だが筋肉がかなりありそうな感じかしていた
そして後ろ姿は何か優しげな大きな背中
ユキは喧嘩が強い人には全く興味がないから体型や力自慢、喧嘩自慢をされても何とも思わない
しかしノンちゃんにも言っていなかったが、入学式や廊下で見掛けた時に何故だか理由はわからないが彼に目が止まって気にはなっていた唯一の男子がいた
彼の何が気になったかと言えば顔
特に目だ
体型からわかるようにイケメンではない……
しかし決してカッコよくない人が好みだというわけでもない
イケメンではないしキリッともしておらず、ほわかとしたどちらかと言えばマスコット的な温厚そうな優しい目をしている
何かを持っていそうな自信はありそうな目だが全く主張しておらず、とにかく優しく温かな雰囲気とそれが溢れるほどの目がたまらなく大好きで、ポッチャリにありがちな線みたいに目が細くて頬っぺたがぷっくり……といった感じではない
そしてイケメンではないが顔のパーツも悪くなく肌も脂ぎった感じもない
むしろ清潔感がありユキとは真逆な誠実で真面目な印象だ
頼りないただ優しい人はたくさんいるが、彼の目や顔付きは断トツの優しさの中に何か芯のある強さも感じ、人を惹き付ける不思議な魅力を感じていた
一言では言い表せず、好きという感情ではないと思うのだがユキは初日に一目見た時から彼が気になってしかたなかった
友達なんかいらないと思っていたユキの強固な心の扉に何故か無防備に顔パスの如くスッと入り込んできた友達と笑いながら話している彼の笑顔が焼きついていた
『あの人とは仲良くなりたい……
でも自分のこんな見た目だからたぶん彼とは接点もなく仲良くなる事などないだろうな……』
報われない想いとはわかっていた
自分から友達もいらないと思って教室でも周りを威嚇し拒否していたはずなのに……しかし彼に対してだけは違う……
矛盾した考えをしているのもわかる
しかし彼を見掛けるたびに想いだけが募るばかりだった
彼の存在がユキの感情を大きく揺るがしていた
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