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「次は素振り行くわよぉ~」
と、見た目だけは俺好みのムキムキイケメン騎士が校庭でトレーニング中だ。
圧倒的な作画の違いから分かるように彼も攻略対象の一人である。
騎士でムキムキでオネェという謎属性だが実はヘテロで、好感度が上がれば素の男らしい姿を見れるというギャップ担当らしいのだが…。
俺からしてみればビジネスオネェは万死に値する。
いや、どれだけ見た目が好みでも今は誰かに恋するなんてそんな気持ちにはなれない。
鬱屈とした気持ちにさせるのはきっと今朝見た夢のせいだろう。
転生前の俺は人並みに生活し、人並みに恋をし、青春を謳歌する男子高校生、だったはずだ。
恋愛対象が同性であるという事を除けば。
俺の初恋の相手は 運動部で、日に焼けた健康的な肌、明るくて、俺の引きの良い不幸体質をまたかよー。と笑いに変えてくれる。
自分と違う者に恋焦がれ、盲目になった俺は止せばいいのに気持ちを伝えてしまった。
それに後悔したのは次の日感じた周りからの好奇や嫌悪の目だった。
「だからぁ~失恋にはいい男に甘やかされるに限るんだって!」
と、俺の隣の席の女子はこのゲームを半ば強引に勧めてきた。
ヒソヒソと俺の様子を伺いながら勝手な想像を話す彼らより、大声で脇目も振らず推しを語る彼女に普段なら感じないであろう感謝の念があったのは記憶している。
そうか、だからこんなにストーリーを鮮明に覚えていたのか。
俺の死因は前方不注意だった。
「けどさー。実際どうよ。アイツ女みたいな顔しててわりと可愛いじゃん!俺結構イケるわ」
「いやいや!ねぇって!逆にキモいだろ。そんなにいいならお前にやるし」
下品な笑い声で会話をする集団から離れたくて、俺は走って逃げた。
冗談じゃない。俺にだって選ぶ権利はある。
フッたくせに、何だよお前にやるって。
いつ所有物になったんだよ。
…言うんじゃなかった。
あーあ。これがあの乙女ゲームだったならリセットして選択肢を間違えないようにやり直すのに。
思い詰めて周りが見えていなかった俺は、見晴らしの悪い道路に法定速度を超えた車が迫ってきている事に気付いていなかった。
それにしてもさ、何でこんなモブな訳?
主人公とまでいかなくても、もう少しいいの居たんじゃないの?
「ああいうのが好みなのか?やめておけ、あいつは金遣いが荒いくせに金勘定のできない阿保だ。話が合わないぞ。」
ぼーっと窓の外を眺めているとアルフレッドが声をかけてきた。
何やらゲームのイベント真っ最中のようだが、集中力が切れた俺は騒ぐヒロイン達を横目に心ここに在らずでただボケっと立っていた。
アルフレッドもお話にならないといった顔で喧騒の中から戻ってきた所だ。
あの日以来、アルフレッドと俺はポツポツ軽口をたたく間柄になっていた。
長いからアルでいいぞ。と言われるくらいには友好的な態度を取られてはいるけれど仮にも侯爵貴族、実は第二王子という立場の人間にそう易々と愛称で呼べるものか。
それに、あの夢の事もある。
今の所敵意はないにしても完全に信頼できるとは言い切れない。
俺はこの世界での身の振り方を決めかねていた。
と、見た目だけは俺好みのムキムキイケメン騎士が校庭でトレーニング中だ。
圧倒的な作画の違いから分かるように彼も攻略対象の一人である。
騎士でムキムキでオネェという謎属性だが実はヘテロで、好感度が上がれば素の男らしい姿を見れるというギャップ担当らしいのだが…。
俺からしてみればビジネスオネェは万死に値する。
いや、どれだけ見た目が好みでも今は誰かに恋するなんてそんな気持ちにはなれない。
鬱屈とした気持ちにさせるのはきっと今朝見た夢のせいだろう。
転生前の俺は人並みに生活し、人並みに恋をし、青春を謳歌する男子高校生、だったはずだ。
恋愛対象が同性であるという事を除けば。
俺の初恋の相手は 運動部で、日に焼けた健康的な肌、明るくて、俺の引きの良い不幸体質をまたかよー。と笑いに変えてくれる。
自分と違う者に恋焦がれ、盲目になった俺は止せばいいのに気持ちを伝えてしまった。
それに後悔したのは次の日感じた周りからの好奇や嫌悪の目だった。
「だからぁ~失恋にはいい男に甘やかされるに限るんだって!」
と、俺の隣の席の女子はこのゲームを半ば強引に勧めてきた。
ヒソヒソと俺の様子を伺いながら勝手な想像を話す彼らより、大声で脇目も振らず推しを語る彼女に普段なら感じないであろう感謝の念があったのは記憶している。
そうか、だからこんなにストーリーを鮮明に覚えていたのか。
俺の死因は前方不注意だった。
「けどさー。実際どうよ。アイツ女みたいな顔しててわりと可愛いじゃん!俺結構イケるわ」
「いやいや!ねぇって!逆にキモいだろ。そんなにいいならお前にやるし」
下品な笑い声で会話をする集団から離れたくて、俺は走って逃げた。
冗談じゃない。俺にだって選ぶ権利はある。
フッたくせに、何だよお前にやるって。
いつ所有物になったんだよ。
…言うんじゃなかった。
あーあ。これがあの乙女ゲームだったならリセットして選択肢を間違えないようにやり直すのに。
思い詰めて周りが見えていなかった俺は、見晴らしの悪い道路に法定速度を超えた車が迫ってきている事に気付いていなかった。
それにしてもさ、何でこんなモブな訳?
主人公とまでいかなくても、もう少しいいの居たんじゃないの?
「ああいうのが好みなのか?やめておけ、あいつは金遣いが荒いくせに金勘定のできない阿保だ。話が合わないぞ。」
ぼーっと窓の外を眺めているとアルフレッドが声をかけてきた。
何やらゲームのイベント真っ最中のようだが、集中力が切れた俺は騒ぐヒロイン達を横目に心ここに在らずでただボケっと立っていた。
アルフレッドもお話にならないといった顔で喧騒の中から戻ってきた所だ。
あの日以来、アルフレッドと俺はポツポツ軽口をたたく間柄になっていた。
長いからアルでいいぞ。と言われるくらいには友好的な態度を取られてはいるけれど仮にも侯爵貴族、実は第二王子という立場の人間にそう易々と愛称で呼べるものか。
それに、あの夢の事もある。
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俺はこの世界での身の振り方を決めかねていた。
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