ステータス表記を変えて貰ったら初期設定に戻ってたー女神公認のハーレム漫遊記ー

ささやん

文字の大きさ
上 下
16 / 80
2章 危険を冒す者である事を知る

14話 男は色々と説明しないといけない事を思い出す

しおりを挟む
「嬉しいでしょ? 勿論、嫌って言わないよね!」

 俺の首根っこに抱き着いて揺さぶるターニャの言葉を必死になかったことにしようとするが「ねぇ、聞いてる? 冒険者になったから付いていくからね?」と時折挟んできてなかった事にさせてくれない。

 ダレカ、タスケテー

 現実逃避を続けたいがそうも言ってられないのでターニャに向き合う。

「嬉しいとか以前に戸惑ってるんだけど、それ以前にターニャ、戦えるの?」
「勿論だよ。ウチ、こう見えて肉体派なんだから!」

 力こぶを作るようにするがまったくコブは生まれず、女の子らしい細腕がそこにあるだけである。

 俺は優しくターニャの手を取って確認するように撫でていると擽ったそうに身を捩って「イヤン」と言わせる。

 宿の中にいた冒険者にその様子を見られて赤面したターニャが「場所を選んで!」と怒っていたが藪蛇な気がするぞ? 
 場所さえ選べばOKよ、と言ってるのと同じだからな? ほら見ろ、男の冒険者の俺へと送っていた殺気が鬼気にクラスチェンジを始めてるからなっ?

 少なくとも俺が夜道の一人歩きは止めた方がいいと思われる状況が着実に生まれつつある事だけが確実だ。

 特に月が出てない夜の外出、イクナイ!

 俺のたった一つしかない真面目な話であったが横道に逸れた。

 着いてくる事を了承する以前に本当にターニャは戦えるのか?

 ピコン

 ……また、はりきりさんが何かしたのかな?


 鑑定


 知りたいと思ったモノをジッと見つめると解説が出る。基本、調べたいものは何でも調べられるが、いくつか例外があり。
 例:相手とのレベル差が100以上離されている時など。

 本当に働き者だね? 今回は頑張らなくて良かったんだよ? 調べて断り辛い展開があったら困るから。

 とはいえ、とても優秀なスキルなので取るけどね?

 早速、色んな意味でターニャのステータスを見てみようか……


 ターニャ  Lv3

 HP:40 MP:10

 ちから:22 みのまもり:13
 きようさ:20 すばやさ:25
 かしこさ:11 うん:60


 スキル:格闘術Lv2 生活魔法 幸運

     調理Lv2 裁縫Lv1

 好感度:325  対象 シーナ


 むぅ……見た目からまったくターニャの言葉を疑ってかかったがマジで戦えそうだ。
 格闘術Lv2か、俺と違って急激に得たものじゃないから安定して使えるだろうし、確かにゴブリン程度じゃ負けないだろう。

 しかし、なんで、そんなに強いのだろう……ハッ、そうか!

 宿の方に目を向けるとグラスを磨きながらひと際、俺に致死レベルの鬼気を最初から飛ばしてる人物、ターニャパパを見て汗が頬を伝う。

 外見では一切遺伝してないと思ったら、そんな分かり難いとこで継承してたのかっ!

 落ち着いて考えれば、酔客は勿論、言い寄ってくる相手が紳士的対応ばかりしてた訳ではないだろう。

 なのに、あれだけ可愛いのに誰にも手を付けられてなかったのはこれが秘密だろう。

 そこらの冒険者なら返り討ちに出来るだろうしな。

 やっぱり、スキルポイントはないんだな……代わりに好感度か。


 好感度:もっとも好意的に意識を割いている相手を指す。これは隠しステータスで解放条件は相手が心を開いてキスをする。数値の高さで性的快感補正がかかる。


 うおぉ、ステータスの説明で辱められるとは思ってなかった。嬉しいけどさすがに恥ずかしい。
 まあ、それはともかく325って数値はどれくらいの意味なんだろう?


 100~

 恋人である事を喜ぶ(表面上の対応は個人差あり)

 200~

 結婚相手として強く意識する。

 300~

 一緒になる為なら親と絶縁してでも駆け落ちする。対応次第でストーカー、ヤンデレ化する恐れあり。

 400~

 この辺りから自重しなくなる。基本的に相手が困る事にはブレーキはかけてくれるが例えるなら極度の恥ずかしがり屋なのに人目のあるところでエッチな要求されても、恥ずかしさで死にそうになりながら受け入れるレベル。

 500~

 相手に捨てられたり、亡くなると迷いもなく生きている事を放棄する。唯一の回避方法は2人の子を残す事。


 ぶはっ!!!

 もうそんなレベルに達してるの。ターニャさん!?

 思わず敬称を付けてしまったが、さっきからターニャパパの鬼気は冒険者になる事を反対して……ガクブル

 となると俺の対応次第でストーカー、ヤンデレ化……これって俺が着いてくる事を拒否出来ないやん!!

 確かにターニャはそれなりには強いとは思うが、1,2回だけでなくこれからも、という話だと問題が出てくる恐れがある。

 だから、ターニャが同行を言ってるのは1,2回だけの話なのかを確認する必要があるか。

 考え込んでる俺に焦れてきてるターニャに質問をする。

「なぁ、ターニャ。俺と冒険者稼業するってのは1,2回ぐらい一緒にやるという意味か、それともずっとやり続けるという意味か?」
「うん、ずっと、というかシーナが冒険者でいる限り、ウチもそうするつもり」

 迷いもなく答えられた俺は内心で盛大な溜息を吐く。

 どうしたもんか……こないだの大量のゴブリンと戦う事もそれ以上の事がこれからあるかもしれない。そんな時、ターニャは着いてこれるだろうか?
 着いてこれないとすぐに見切ってくれたら助かるが意固地になったらターニャを失う恐れがある。

 せめて、ターニャもスキルポイントがあれば……

 ピコン

 ……おいおい、またこのパターンか? お前は俺のどら○モンかよ!


 スキルポイント譲渡


 やっぱりか……そういうのがあるのか。取得と……

 スキルポイント譲渡:お互いに信頼関係、愛情関係を築き上げている異性にスキルポイントを譲渡出来る。

 なるほど、譲る事は出来たが上げたとしてターニャは扱えるのか? 先輩に冒険者ギルドの入会の説明を受けた時、ステータスは冒険者ギルドにある水晶で任意で確認出来ると聞いた。まあ、勝手に調べる事は出来ないらしいけど、出来るとしてもそこにいかないと出来ないのかな? と思っていると

 ピコン

 ……もう突っ込まないもんね!

 スキルポイント操作:相手が身を委ねる意思がある状態で持っているスキルポイントを操作できる。

 ジーザス! 何これ! 昔の性質の悪い通販番組みたいなの!

 今日のお買い得のハンディカムカメラ、今なら○○! 大変をお買い得になっております。お電話お待ちしております! 在庫100ですお急ぎください。

 ――そして、番組終盤――

 ハンディカムカメラ、完売しました。有難うございます。実はこのハンディカムカメラ、この専用バッテリーがないと……

 これかっ、このスキル製造機!!

 ……

 黙したら何でも許されると思うなっ! しかし、さっきのスキルが無駄になるから……取得だぁ!

『スキルポイント譲渡とスキルポイント操作の双方の取得を確認しました。統合されてスキルポイント管理に纏められました』

 そんなのになるなら纏めて出してこいよ! やっぱりあの手法なのかぁ!! 責任者出せやっ!!

 まあ、本当に出てこられても「ごめんね?」と言われたら頷くしかないんだけどね?

 だって、責任者ってシズクやん? 無理よ? シズクにマジギレとか?


 椎名 (シーナ) Lv10

 HP:300(3000) MP:600(6000)

 ちから:50(500) みのまもり:30(300)
 きようさ:60 すばやさ:55(550)
 かしこさ:40 うん:3
 スキルポイント:100

 スキル:剣術Lv5 盾術Lv5 身体強化Lv5

     雷魔法Lv3 回復魔法Lv5 探査Lv2

     共通語 解体 危険探知

     HP自動回復 MP自動回復 挑発

     巨根 精力増大 スキルポイント取得倍増

     成長促進 鑑定 スキルポイント管理


 ちゃんと取得したな……しかし、使うとなるとシズクの存在をしっかりと伝えないといけない。
 まあ、嫁にする予定のってのも言わないとは思ってたがそれは多分、俺が1人じゃ満足しない発言を受け入れてくれてたから問題はない気がする。

 しかし、相手が女神、俺をこちらに送り出したり出来るぐらいだからおそらく主神、もしくは創造神の可能性も否定できない状態の相手だというのを飲み込んでくれるのかが問題だ。

 この辺りは調べておいたほうが良かったかな? なんとなく調べてそういう特別扱いは嫌がりそうな気がしたし、なんかの話の流れで本人から言い出すのがベストな気がしてたんだよな。

 その辺りは出たとこ勝負だな。

「なあ、ターニャが冒険者になって一緒に行動するにあたって条件があるんだ」
「うん、シーナが出す条件ならウチは何でも飲む!」

 ターニャさん、迷いがなさ過ぎですよ。ちょっとは警戒するなりしようよ。

 これが好感度300超えるという事なのかと思いながら続ける。

「まあ、そんなにすぐに返事しないでいいから。まずは説明を聞いて、と言ったものの他人に知られると面倒だから……着いて来て」

 そう言って腕を取ると素直に着いてくるターニャを厩舎の中へと導く。

 こんなに素直過ぎるターニャが心配だ、俺が呼んでると言われてノコノコと行ってしまいそうだ。

 その辺りの事はまた今度対策しようと俺はターニャを招いて厩舎の扉に閂をかけた。
しおりを挟む
感想 31

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にいますが会社員してます

neru
ファンタジー
30を過ぎた松田 茂人(まつだ しげひと )は男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にひょんなことから転移してしまう。 松本は新しい世界で会社員となり働くこととなる。 ちなみに、新しい世界の女性は全員高身長、美形だ。 PS.2月27日から4月まで投稿頻度が減ることを許して下さい。

成長率マシマシスキルを選んだら無職判定されて追放されました。~スキルマニアに助けられましたが染まらないようにしたいと思います~

m-kawa
ファンタジー
第5回集英社Web小説大賞、奨励賞受賞。書籍化します。 書籍化に伴い、この作品はアルファポリスから削除予定となりますので、あしからずご承知おきください。 【第七部開始】 召喚魔法陣から逃げようとした主人公は、逃げ遅れたせいで召喚に遅刻してしまう。だが他のクラスメイトと違って任意のスキルを選べるようになっていた。しかし選んだ成長率マシマシスキルは自分の得意なものが現れないスキルだったのか、召喚先の国で無職判定をされて追い出されてしまう。 一方で微妙な職業が出てしまい、肩身の狭い思いをしていたヒロインも追い出される主人公の後を追って飛び出してしまった。 だがしかし、追い出された先は平民が住まう街などではなく、危険な魔物が住まう森の中だった! 突如始まったサバイバルに、成長率マシマシスキルは果たして役に立つのか! 魔物に襲われた主人公の運命やいかに! ※小説家になろう様とカクヨム様にも投稿しています。 ※カクヨムにて先行公開中

Hしてレベルアップ ~可愛い女の子とHして強くなれるなんて、この世は最高じゃないか~

トモ治太郎
ファンタジー
孤児院で育った少年ユキャール、この孤児院では15歳になると1人立ちしなければいけない。 旅立ちの朝に初めて夢精したユキャール。それが原因なのか『異性性交』と言うスキルを得る。『相手に精子を与えることでより多くの経験値を得る。』女性経験のないユキャールはまだこのスキルのすごさを知らなかった。 この日の為に準備してきたユキャール。しかし旅立つ直前、一緒に育った少女スピカが一緒にいくと言い出す。本来ならおいしい場面だが、スピカは何も準備していないので俺の負担は最初から2倍増だ。 こんな感じで2人で旅立ち、共に戦い、時にはHして強くなっていくお話しです。

同級生の女の子を交通事故から庇って異世界転生したけどその子と会えるようです

砂糖流
ファンタジー
俺は楽しみにしていることがあった。 それはある人と話すことだ。 「おはよう、優翔くん」 「おはよう、涼香さん」 「もしかして昨日も夜更かししてたの? 目の下クマができてるよ?」 「昨日ちょっと寝れなくてさ」 「何かあったら私に相談してね?」 「うん、絶対する」 この時間がずっと続けばいいと思った。 だけどそれが続くことはなかった。 ある日、学校の行き道で彼女を見つける。 見ていると横からトラックが走ってくる。 俺はそれを見た瞬間に走り出した。 大切な人を守れるなら後悔などない。 神から貰った『コピー』のスキルでたくさんの人を救う物語。

処理中です...