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第五章 合従連衡
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一九五五年七月二日、東京都立川市、立川飛行場。
瑞鶴達月虹艦隊をキューバから追い払い、第五艦隊はグアンタナモ湾に入った。月虹がグアンタナモ湾を襲撃して占拠していたということになっているので、ゲバラ達は第五艦隊を万歳で迎えた。
とは言え、第五艦隊は設備の整っていないグアンタナモ基地に長居する訳にもいかず、早々にプエルト・リモン鎮守府に帰還した。赤城と峯風の修理やその他の艦のメンテナンスが行われる訳だが、その間、雪風は船魄だけ航空機で日本に向かい、帝都の立川陸軍飛行場に降り立った。ここまで離れると艦との接続は切れるが、それ以外で特に問題はない。
何人かの兵士に護衛され、雪風は飛行場の一角にある小部屋に入る。その先には高級将校が1人と護衛の兵士が2人あった。
「雪風です。報告に来ました、西浦中将」
「待ち侘びていたよ。まあまずは座ってくれ」
あまりパッとしないが、陸大主席の秀才、東條英機首相の秘書官として長らく側近を務めていたこの男、西浦進中将は、現職の憲兵司令官である。
憲兵隊は国防大臣(旧陸軍大臣)に直隷しているので一般に陸軍の組織だと思われているが、海軍はそういった組織を持っていないので、海軍の要人警護なども憲兵隊が行っている。海軍に対する監視も秘密裏に行われている。
「さて、話を聞かせてくれるかい?」
「はい。結論から言えば、誰も黒とは言い難いですが、長門、陸奥、信濃は黒の可能性があります。他の者は恐らく白です」
「伝説的な艦ばかりじゃないか」
「疑いがある、というだけです」
「分かった。しかし、陸奥と信濃はともかく、あの長門が皇道派に与するなど考えられないなあ」
憲兵隊の任務は軍の秩序を守ることである。最近勢力を伸ばしている皇道派がどこまで影響力を持っているのか、その内偵を雪風は依頼されていたのである。
「雪風も、そうは思います。ですがこの中に最低でも一人は不穏分子がいることは、間違いないかと。特に長門と陸奥のどちらかは」
「なるほど。それと、赤城と加賀はどうだった?」
「あの二人は洗脳されている側ですから、特に害はありませんよ」
「それと皇道派の件は関係ないんじゃないか?」
「……確かに。とは言え、赤城も加賀も軍令部の命令を忠実に守っているだけかと」
「赤城はどこまで把握している?」
「長門と陸奥に何となく疑いは持っているようです。ですが取り立てて確証はなく、大した行動は起こせないでしょう。このことは陸軍大臣に伝えるんですか?」
「まだ様子を見たい。今回の情報は、まだ伏せておく。ここから先のことは、君は心配しなくていい」
「そうですか。他に何かありますか?」
「いいや、特にないが、君は?」
「雪風は……雪風をこういう任務に使うのはあまりお勧めしませんよ。私がいると必ず周囲の誰かが傷付くんです。今回も、赤城と峯風が大きな損傷を負ってしまいました」
「頼れる船魄は限られているんだ。悪いが、これからも君は使わせてもらうよ」
「残念です。ではまた」
雪風はすぐさまコスタリカに戻った。赤城など第一艦隊の艦はまだ暫くは第五艦隊の下にいる予定だ。妙高と高雄を奪還するという表向きの目的はまだ果たされていないからである。
○
その日、キューバ沖海戦の結果を受け、大本営政府連絡会議が招集された。かつては数ヶ月に一度という頻度であったが、今では閣議並みに頻繁に開かれている。
「赤城と加賀と長門と陸奥を投入して負けたのか? 海軍は何をやっとるんだね?」
いつも誰かに嫌味を言っている男、陸軍参謀総長の武藤章大将は心底馬鹿にするように言った。
それに答えるのは、軍令部総長の神重徳大将である。その名前と孤高の性格から『神様』というあだ名でよく呼ばれている。
「健在な空母それも逃走する気のある空母を生け捕りにするなど前代未聞。世界中どこの海軍を探しても、そんな任務を達成できる者は存在しない。陸軍の妄想で話さないでもらいたいものだ」
「言い訳も見苦しいね、神様。だったら陸軍がやってもいいのだよ?」
「やれるものならやってみるといい。止めはしない」
「お前達、陛下の御前で見苦しいぞ。口を慎め」
そう言って口喧嘩を制止するのは阿南惟幾内大臣、この場で最古参の重臣である。内大臣に渇を入れられて黙らないのは岡本中将くらいである。
「岡本君、何か船魄を捕獲するいい手段はないのかね?」
石橋首相は尋ねる。
「そう言われましても、軍艦の生け捕りなど聞いたことがありませんからねえ。強いて言うのなら、まあこれは名誉なやり方ではありませんが、艦内に兵士でも送り込んで船魄を直接取り押さえることができれば、無力化できるでしょう」
「なるほど。じゃあそうすればいいじゃないか、神君」
「お言葉ですが、瑞鶴に軍艦で近寄るなど自殺行為であり空から近寄るのは猶更です。瑞鶴を圧倒できる航空戦力があれば別ですがそんなことをすれば国防に穴が開きます」
「ふーむ、そうか。残念だね」
軍艦を沈めるのは簡単なことだが、現代において生け捕りというのは聞いたことがない。とは言え、それで諦める帝国軍ではない。
○
さて、少し日を遡り、第五艦隊が帰還した直後のプエルト・リモン鎮守府にて。峯風は艦をドック入りさせると共に、船魄の方も医務室に運び込まれていた。幸いにして船魄には特に異常はなく、すぐに目覚めた。
「ここは……涼月……?」
「峯風ぇ……大丈夫……?」
峯風の視界にすぐさま入ったのは泣きそうな涼月であった。
「泣くな。私は何も問題はない」
「う、うん。よかった……」
「……いや、一つ問題があった」
「な、何?」
「こっちに来い」
峯風は涼月を抱き寄せ、決して他の誰にも聞かれぬよう耳打ちする。
「私は……見てしまったんだ。私達が戦っていた敵は、あの2隻の巡洋艦は、間違いなく、妙高と高雄だった」
「え……?」
「私達は……多分、妙高と高雄と戦わされていたんだ」
「そ、そう……」
「涼月、私は……どうすればいいんだ……?」
峯風は縋るように言う。涼月は自分が峯風を導かねばならないと決意した。
「峯風、このことは、誰にも言わないで。どうするかは、また考える」
「あ、ああ、分かった」
「一先ずは、何もなかったことにして」
「そうしよう」
峯風の身体には特に異常がないとのことだったので、その日の夜は普通に私室で寝ることになった。二人の部屋には二段ベッドが用意されているが、二人とも下段で一緒に寝るので、上段は新品のように綺麗である。涼月は峯風が眠ったのを確認すると、ベッドから出て独り雪風を訪ねた。
「――涼月、です。雪風さんは、いらっしゃいますか?」
扉を叩いた。「いますよ」と返事がすぐに来て、雪風は廊下に出てきた。
「用事が何であれ、静かにしてください。秋月が起きてしまいます」
「秋月お姉さん……一緒、なんですね」
「はい、そうですよ。秋月とは何か話していないんですか?」
「秋月お姉さんとは……あまり一緒にいたことがなくて……」
「そうですか。ですが、他の部隊の船魄と会えることは珍しいのですから、少しは仲を深めておいた方がよいかと思いますよ」
「そ、そうですね……」
「それで、雪風に何の用ですか?」
「その……他の人に聞かれない場所に、移動してもらえますか……?」
「人に聞かれたくない話ですか。構いませんよ」
涼月は雪風を空き部屋に案内した。
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とは言え、第五艦隊は設備の整っていないグアンタナモ基地に長居する訳にもいかず、早々にプエルト・リモン鎮守府に帰還した。赤城と峯風の修理やその他の艦のメンテナンスが行われる訳だが、その間、雪風は船魄だけ航空機で日本に向かい、帝都の立川陸軍飛行場に降り立った。ここまで離れると艦との接続は切れるが、それ以外で特に問題はない。
何人かの兵士に護衛され、雪風は飛行場の一角にある小部屋に入る。その先には高級将校が1人と護衛の兵士が2人あった。
「雪風です。報告に来ました、西浦中将」
「待ち侘びていたよ。まあまずは座ってくれ」
あまりパッとしないが、陸大主席の秀才、東條英機首相の秘書官として長らく側近を務めていたこの男、西浦進中将は、現職の憲兵司令官である。
憲兵隊は国防大臣(旧陸軍大臣)に直隷しているので一般に陸軍の組織だと思われているが、海軍はそういった組織を持っていないので、海軍の要人警護なども憲兵隊が行っている。海軍に対する監視も秘密裏に行われている。
「さて、話を聞かせてくれるかい?」
「はい。結論から言えば、誰も黒とは言い難いですが、長門、陸奥、信濃は黒の可能性があります。他の者は恐らく白です」
「伝説的な艦ばかりじゃないか」
「疑いがある、というだけです」
「分かった。しかし、陸奥と信濃はともかく、あの長門が皇道派に与するなど考えられないなあ」
憲兵隊の任務は軍の秩序を守ることである。最近勢力を伸ばしている皇道派がどこまで影響力を持っているのか、その内偵を雪風は依頼されていたのである。
「雪風も、そうは思います。ですがこの中に最低でも一人は不穏分子がいることは、間違いないかと。特に長門と陸奥のどちらかは」
「なるほど。それと、赤城と加賀はどうだった?」
「あの二人は洗脳されている側ですから、特に害はありませんよ」
「それと皇道派の件は関係ないんじゃないか?」
「……確かに。とは言え、赤城も加賀も軍令部の命令を忠実に守っているだけかと」
「赤城はどこまで把握している?」
「長門と陸奥に何となく疑いは持っているようです。ですが取り立てて確証はなく、大した行動は起こせないでしょう。このことは陸軍大臣に伝えるんですか?」
「まだ様子を見たい。今回の情報は、まだ伏せておく。ここから先のことは、君は心配しなくていい」
「そうですか。他に何かありますか?」
「いいや、特にないが、君は?」
「雪風は……雪風をこういう任務に使うのはあまりお勧めしませんよ。私がいると必ず周囲の誰かが傷付くんです。今回も、赤城と峯風が大きな損傷を負ってしまいました」
「頼れる船魄は限られているんだ。悪いが、これからも君は使わせてもらうよ」
「残念です。ではまた」
雪風はすぐさまコスタリカに戻った。赤城など第一艦隊の艦はまだ暫くは第五艦隊の下にいる予定だ。妙高と高雄を奪還するという表向きの目的はまだ果たされていないからである。
○
その日、キューバ沖海戦の結果を受け、大本営政府連絡会議が招集された。かつては数ヶ月に一度という頻度であったが、今では閣議並みに頻繁に開かれている。
「赤城と加賀と長門と陸奥を投入して負けたのか? 海軍は何をやっとるんだね?」
いつも誰かに嫌味を言っている男、陸軍参謀総長の武藤章大将は心底馬鹿にするように言った。
それに答えるのは、軍令部総長の神重徳大将である。その名前と孤高の性格から『神様』というあだ名でよく呼ばれている。
「健在な空母それも逃走する気のある空母を生け捕りにするなど前代未聞。世界中どこの海軍を探しても、そんな任務を達成できる者は存在しない。陸軍の妄想で話さないでもらいたいものだ」
「言い訳も見苦しいね、神様。だったら陸軍がやってもいいのだよ?」
「やれるものならやってみるといい。止めはしない」
「お前達、陛下の御前で見苦しいぞ。口を慎め」
そう言って口喧嘩を制止するのは阿南惟幾内大臣、この場で最古参の重臣である。内大臣に渇を入れられて黙らないのは岡本中将くらいである。
「岡本君、何か船魄を捕獲するいい手段はないのかね?」
石橋首相は尋ねる。
「そう言われましても、軍艦の生け捕りなど聞いたことがありませんからねえ。強いて言うのなら、まあこれは名誉なやり方ではありませんが、艦内に兵士でも送り込んで船魄を直接取り押さえることができれば、無力化できるでしょう」
「なるほど。じゃあそうすればいいじゃないか、神君」
「お言葉ですが、瑞鶴に軍艦で近寄るなど自殺行為であり空から近寄るのは猶更です。瑞鶴を圧倒できる航空戦力があれば別ですがそんなことをすれば国防に穴が開きます」
「ふーむ、そうか。残念だね」
軍艦を沈めるのは簡単なことだが、現代において生け捕りというのは聞いたことがない。とは言え、それで諦める帝国軍ではない。
○
さて、少し日を遡り、第五艦隊が帰還した直後のプエルト・リモン鎮守府にて。峯風は艦をドック入りさせると共に、船魄の方も医務室に運び込まれていた。幸いにして船魄には特に異常はなく、すぐに目覚めた。
「ここは……涼月……?」
「峯風ぇ……大丈夫……?」
峯風の視界にすぐさま入ったのは泣きそうな涼月であった。
「泣くな。私は何も問題はない」
「う、うん。よかった……」
「……いや、一つ問題があった」
「な、何?」
「こっちに来い」
峯風は涼月を抱き寄せ、決して他の誰にも聞かれぬよう耳打ちする。
「私は……見てしまったんだ。私達が戦っていた敵は、あの2隻の巡洋艦は、間違いなく、妙高と高雄だった」
「え……?」
「私達は……多分、妙高と高雄と戦わされていたんだ」
「そ、そう……」
「涼月、私は……どうすればいいんだ……?」
峯風は縋るように言う。涼月は自分が峯風を導かねばならないと決意した。
「峯風、このことは、誰にも言わないで。どうするかは、また考える」
「あ、ああ、分かった」
「一先ずは、何もなかったことにして」
「そうしよう」
峯風の身体には特に異常がないとのことだったので、その日の夜は普通に私室で寝ることになった。二人の部屋には二段ベッドが用意されているが、二人とも下段で一緒に寝るので、上段は新品のように綺麗である。涼月は峯風が眠ったのを確認すると、ベッドから出て独り雪風を訪ねた。
「――涼月、です。雪風さんは、いらっしゃいますか?」
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「用事が何であれ、静かにしてください。秋月が起きてしまいます」
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「はい、そうですよ。秋月とは何か話していないんですか?」
「秋月お姉さんとは……あまり一緒にいたことがなくて……」
「そうですか。ですが、他の部隊の船魄と会えることは珍しいのですから、少しは仲を深めておいた方がよいかと思いますよ」
「そ、そうですね……」
「それで、雪風に何の用ですか?」
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