上 下
58 / 407
第三章 戦いの布告

船魄紹介【プリンツ・オイゲン】

しおりを挟む


【Prinz(プリンツ) Eugen(オイゲン)】
・艦として
 ・艦種:重巡洋艦
 ・艦級:アトミラール・ヒッパー級重巡洋艦三番艦
 ・前級:ドイッチュラント級
 ・次級:ラ・ペリエール級
 ・建造:キール造船所
 ・進水日:1938年8月22日
 ・所属:大洋艦隊第二隊群
 ・全長:213m
 ・最大幅:21.3m
 ・基準排水量:15,000トン
 ・対艦兵装:20.3cm-S.K. C/34 連装×4 533mm水上3連装魚雷発射管×4
 ・対空兵装:10.5cm-S.K. C/33 連装×9 3.7cm-Flak 43 連装×12 2cm-Flak 38×20
 ・対潜兵装:なし
 ・搭載機:約3機

 艦名は17世紀から18世紀に、当時半独立していたエスターライヒ(オーストリア)に仕えた軍人オイゲン・フォン・ザヴォイエン公に由来する。初使用。

 アトミラール・ヒッパー級はワシントン海軍条約の基準内、1万トン級ということで建造されたものの、実際の排水量はその1.5倍であり、第一次世界大戦以前の戦艦並みの大型巡洋艦である。その重量は主に装甲によるものだ。しかし、戦闘能力が高い代わりに航続力が低く、巡洋艦本来の意義が失われかねない中途半端な艦となってしまったのは否めない。またドイツの大型艦艇全般に言えることだが、意図的にビスマルク級などと似た外見に設計されており、敵を混乱させることを狙っている。

 主砲は8門と、日本の標準的な10門やアメリカの9門に劣っているが、射程と発射速度に秀でており、そう劣るものではない。10.5cm高角砲も毎分15発以上という良好な発射速度を持っていたが、3.7cm速射砲は手動装填という非効率なもので、2cm砲は威力が不足しており、航空機に近づかれるとやや弱い。

 本艦の初戦は1941年5月の通商破壊作戦であるライン演習作戦であった。本作戦ではビスマルクと二隻だけで作戦を実施し、戦艦フッドを撃沈したが通商破壊としての成果は挙げられなかった。なおビスマルクは数日後に撃沈された。

 1942年2月、ドーバー海峡と堂々と通ってブレストからドイツ本国に帰還するというツェルベルス作戦に参加し、無傷で通過することに成功した。同月にイギリス潜水艦の雷撃を喰らって大破し、修理を受ける。その後は制海権が失われていたので、暫く練習艦として過ごした。1943年10月、プリンツ・オイゲンは復帰し、バルト海でソ連軍に対する砲撃を行い、地上部隊を支援することになった。

 1944年8月にグラーフ・ツェッペリンが船魄化されて実戦投入されると、制海権がドイツのものになって自由に動けるようになったが、引き続きソ連領への砲撃やツェッペリンの護衛を務めた。1944年11月のレニングラード上陸作戦では勝利に大きく貢献している。

 数々の戦歴から幸運艦と名高い彼女であるが、船魄搭載艦となったのは戦後である。十分に稼働できる船がほとんど残っていなかったドイツ海軍においては優先的に改造され、古参の部類に入る。その後は地中海でソ連軍との小競り合いを戦った後、アメリカ方面に配属され情勢の監視に当たっている。


・船魄として
 ・技術系統:独式第二世代
 ・身長:155cm
 ・体重:68kg
 ・血液型:AB型
 ・髪:金髪
 ・目:碧眼
 ・好きなもの:死地・可愛いもの
 ・嫌いなもの:英語・舐められること

 いつも不敵な笑みを浮かべ、背中の血塗れの羽と相まって、初対面ならまず不気味以外の感想を持たないであろう。実際の性格は高飛車そのものであり、自分を最強の軍艦だと自負して止まず、姉妹艦などを除き誰に対しても喧嘩腰である。合理的と考える限りは命令に素直に従うが、そうでないと判断すれば平然と命令を無視する。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

大日本帝国、アラスカを購入して無双する

雨宮 徹
歴史・時代
1853年、ロシア帝国はクリミア戦争で敗戦し、財政難に悩んでいた。友好国アメリカにアラスカ購入を打診するも、失敗に終わる。1867年、すでに大日本帝国へと生まれ変わっていた日本がアラスカを購入すると金鉱や油田が発見されて……。 大日本帝国VS全世界、ここに開幕! ※架空の日本史・世界史です。 ※分かりやすくするように、領土や登場人物など世界情勢を大きく変えています。 ※ツッコミどころ満載ですが、ご勘弁を。

【新訳】帝国の海~大日本帝国海軍よ、世界に平和をもたらせ!第一部

山本 双六
歴史・時代
たくさんの人が亡くなった太平洋戦争。では、もし日本が勝てば原爆が落とされず、何万人の人が助かったかもしれないそう思い執筆しました。(一部史実と異なることがあるためご了承ください)初投稿ということで俊也さんの『re:太平洋戦争・大東亜の旭日となれ』を参考にさせて頂きました。 これからどうかよろしくお願い致します! ちなみに、作品の表紙は、AIで生成しております。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

こども病院の日常

moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。 18歳以下の子供が通う病院、 診療科はたくさんあります。 内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc… ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。 恋愛要素などは一切ありません。 密着病院24時!的な感じです。 人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。 ※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。 歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。

連合航空艦隊

ypaaaaaaa
歴史・時代
1929年のロンドン海軍軍縮条約を機に海軍内では新時代の軍備についての議論が活発に行われるようになった。その中で生れたのが”航空艦隊主義”だった。この考えは当初、一部の中堅将校や青年将校が唱えていたものだが途中からいわゆる海軍左派である山本五十六や米内光政がこの考えを支持し始めて実現のためにの政治力を駆使し始めた。この航空艦隊主義と言うものは”重巡以上の大型艦を全て空母に改装する”というかなり極端なものだった。それでも1936年の条約失効を持って日本海軍は航空艦隊主義に傾注していくことになる。 デモ版と言っては何ですが、こんなものも書く予定があるんだなぁ程度に思ってい頂けると幸いです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ

朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】  戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。  永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。  信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。  この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。 *ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。

処理中です...