妖怪達との非日常

青緖

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ぬらりひょん

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「それで、なんでここに来ることになったの?」

しばらくゆっくりとお茶を飲んでから、れんさんがそう切り出した。
確かに少しは気になる。なぜここに来ることになったのか。

「僕。ですか?んーあまり深い意味はありませんねー。ちょっと通った時にここでゆっくりして行こうって思って寄っただけですから」

ぬらりひょんはちょっとカフェ寄っていこうという感覚でこの家にお邪魔したらしい。なんという勝手な……

「あまりにもいい部屋の間取りで、質で、気に入ってしまって」

うっとりとした視線で部屋を眺めるぬらりひょん。
家主の女性が褒められたわけじゃないのに嬉しそうにしているのは気のせいだろうか。
いや、このせいではないだろう。

「まあ、とにかくさっさとこの家から出てくことだな。」

禅が無愛想に呟く。すると意外な言葉が返ってきた。

「あの…その、よかったら暫くここにいてもらっても構いませんよ……?」

と家主の言葉。その言葉が発せられた瞬間少しの沈黙が続いた。そして破ったのはぬらりひょん

「ほんとですか!?それなら嬉しい限りです!」

見るからに嬉しそうなオーラを出すぬらりひょん。
どうして家主さんはそんなことを思ったのだろうか。

「ひとりじゃ寂しいんです。帰ってきても誰もいなくて……冷たい部屋にひとりでいるの寂しかったんです。だから……人間ではないけれどひとりじゃなくなるのがいいなって思って。勝手な事言ってすみません」

っと、少し俯きながら話す。
確かに人には色々な事情があるよな……
しかも、その手助けとなるのが妖怪、ッとなると少し面白いけど…

「なら、ぬらりひょんをここに置いといても大丈夫なのでしょうか?」

れんさんがそういうと家主さんは、はいっと答えた。
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