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閑話:クラスメイト達(2)
しおりを挟むアンディ達が深森のダンジョンに挑んでいる一方。彼のクラスメイト達もまた、ダンジョンに挑もうとしていた。
「良いか!お前たちはこの10日でレベルも十分に上がった!これからこの街にあるFランクダンジョンに挑んでもらう!心して掛かるように!!」
全身鎧の騎士が、学生たちの前に立ち声を張った。
「十分にって……俺、まだレベル7なんだけど…」
「私も7」
「僕は9。でも十分って言ってるってことはそれだけあればクリア出来るって事じゃないかな?今あの騎士はFランクダンジョンって言ってたろ?初心者用のダンジョンなんだよ、きっと」
【経験値増加】のスキルの恩恵で、一人周囲のクラスメイト達よりレベルが高い男子学生が余裕の表情を浮かべる。
「勘違いしているヤツもいるようだから言っておくが、お前たちの目標はこのダンジョンの踏破ではない。1~5階層でレベル上げをすることだ。間違っても5階層にいるフロアボスに挑もうなどと思うなよ。全員がレベル12に以上になった時に挑んでもらう。ちなみにボス部屋に入れるのは最大で6人までだ。その時までに誰と組むか決めておけ」
騎士の言葉に、最初文句を言っていた男子生徒が、安心したような態度を見せる。
「なんだ、クリアが目的じゃないのか。それにしてもまたレベル上げかよ」
「レベル12以上が6人でボスが倒せるって感じみたいだね。念の為レベル15ぐらいは欲しいけど……」
「ゲームと違って死んだらそこで終わりだからね。まぁ、他の人たちがレベル12になる事には、俺はレベル15になってるかもね」
「じゃあお前タンクな」
「ちょ!それは酷くないか?!」
「冗談だよ」
学生たちが談笑していると、騎士が続けて言った。
「なお、ダンジョン内で魔物がアイテムをドロップした場合、また宝箱を見つけた場合、アイテムは見つけた者の所有物にして良いとのことだ。とは言っても、このダンジョンには日々多くの冒険者が出入りしているから、取り残しの宝箱など、そう無いだろうがな」
騎士の言葉を聞いて学生たちが色めきだつ。
「おい!聞いたかよ!ドロップに宝箱だって!マジでゲームだな」
「どんな物が手に入るんだろう」
「ゲームの定番だと、武具とかアイテムとか?」
「分かりやすくお金とかだったりして」
「それも有るかもな!よーし俄然やる気出て来た!」
学生たちは浮かれつつ、ダンジョンに足を踏み入れた。
この日、ダンジョンから戻ったのは31人中26名だった――
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