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14:スキルレベルを上げるには

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 『そう言えば、死神さんの腕輪ってどういう物なんですか?拠点用の魔道具を、それから取り出したように見えましたが』

 肉に【状態保存】のスキルを掛けながら、死神に訊ねると少しの間沈黙が流れた。

 『……死神さん……?……』
 『あ、すみません。お名前を聞いてなかったので』
 『……我に名前はない……好きに呼べば良い……腕輪の話であったな……これも魔道具だ……ダンジョンで稀にドロップする……物によって収納できる容量に違いはあるが……これは500kg程度の荷物を入れておける……』

 やっぱり、ファンタジー物の定番とも言える能力の魔道具の様だ。
 500kgか、かなり便利だな。いつかダンジョンに潜って狙ってみるのも良いかもしれないな。

 『……さて、そんなことより……残り5つのスキルの説明もしておこう……』

 死神が教えてくれた僕の残り5つのスキルは次の通り。

  ・【暗視】……暗闇でも目視が効く。
  ・【吸収】……対象に触れて使うと生命力を奪える。
  ・【不意打ち】……対象に気が付かれていない時に放った攻撃がクリティカルになりやすい。
  ・【ポイズン】……対象に毒を付与する。
  ・【シャドウエッジ】……自身の影を操作し武器に変える事が出来る。

 正直どれも微妙な気がする。出来れば【鑑定】が欲しかった。とは言え人間に比べると多いだけありがたい、ようは使いようだろう。スキルを使いこなせるように頑張ろう。
 そう意気込んで、最後の肉に【状態保存】のスキルを使った。

 「……おはよう」

 ちょうどその時、灰田さんが拠点から出て来た。
 髪には寝癖が付いており、手で目をこすっている。まだ大分眠そうだ。

 『おはよう、灰田さん』
 『……起きたか……では早速……【鑑定】……ふむ、レベル679か……悪くないペースだ……』

 僕の昨日の戦果に、死神も満足してくれたようだ。

 「え?!もしかして一晩中戦ってたの?!」

 灰田さんが驚いて声を上げる。
 確かに、ブラック企業もビックリの働きっぷりだろう。無給だし。

 『……アンデッドは疲れなど感じんし……睡眠も必要ない……問題は無かろう…』
 「それはそうかもだけど、なんか私だけ寝てるだけでレベルが上がるなんて、流石に申し訳ない様な」
 『……種族的に仕方なかろう……貴様は起きている間にスキルレベルを上げろ……』
 「わかったわ。それで?スキルのレベル上げってどうやるの?」

 それは僕も気になる。
 魔物を倒してレベルを上げてもスキルレベルが上がらないって事は、使用回数とか使用時間かな?

 『……スキルレベルを上げるには3つほど方法はある……まず使う事だ……スキルレベル1から2に上げるのに10日以上……2から3に上げるのに半年……3から4に上げるのに2年ほど掛かる……さらに言えばユニークスキルは通常スキルに比べて上がりにくいとされている…』

 流石にこんな森の中に2年以上閉じ込められるのは確かに勘弁して欲しい。

 「流石に時間が掛かり過ぎね、他にはどんな方法があるの?」
 『……魔道具だな……スキルレベルを上げられる魔道具が存在している……ダンジョンの宝箱から極稀にドロップする……使い捨てなうえ……上がるスキルがランダムだが……小娘はスキルが1つしかないからそれは問題ない……問題はドロップ率が異常に低い事だ……探して見つかる物でもない……仮に買おうと思えば1つで屋敷が建つ金額が必要だろう……まぁ、売っているとも思えんが……』
 「私が1つ目の方法でスキルレベルを上げている間に、貴方とアンディがダンジョンに潜って探すっていうのは?」

 ブラック企業もビックリな仕事がまた増えそうだ。

 『……それでも効率が悪すぎる……そこで3つ目の方法だ……小娘にはダンジョンコアを壊して貰う……』
 「ダンジョンコア?」
 『……その名の通りダンジョンの核だ……核を破壊すると自動的にダンジョンの外に排出され…核を失ったダンジョンは自壊する……人間どもの間ではこれを……踏破と呼ぶ……踏破には幾つかメリットがある……その内の一つがスキルレベルの上昇だ……』
 「ダンジョンの踏破。そういえば私たちを召喚した奴らが言ってたわね。ダンジョン攻略の為に私たちを召喚したとかなんとか……ふふ、面白いじゃない!奴らより先にダンジョン踏破して追放した事を後悔させてやるわ!!」

 そう言えばそんな事を灰田さんから聞いていたな。

 「それで、そのダンジョンってのは何処にあるの?」
 『……気合が入っている所悪いが……ダンジョンに挑むのは少し先だ……まずはここでレベルとスキルレベル上げだ……今のレベルでも問題は無いが……ダンジョンでは何があるか分からんからな……先に我に【ネクロマンス】が通じる程度のレベルになってもらう……当面の目標はスキルレベル2だな……』
 「そ、そうね。私も死にたく無いし、それで良いわ」
 『それじゃ、僕は暫くこの辺で魔物狩り?』
 『……うむ……我は【ネクロマンス】で使用する魔物の死骸を用意するとしよう……魂喰いの大鎌ソウルイーターで殺せば死骸が残らぬからな……』

 なるほど、今まで倒して来た魔物が光になって消えて行ってたのって、魔物だからじゃなくて魂喰いの大鎌ソウルイーターの能力だったのか。

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