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12:続レベル上げ
しおりを挟む確かに、死神の言う通りアンデッドは疲労を感じることは無いのだろう。
空腹も感じなければ、眠気も感じてはいない。
しかし、精神的には疲労を感じている気もしなくもなくはない…結局どっちなんだって?言語化するのは難しい。何となく疲れていると言い張りたい気分なだけかもしれない。
何より薄暗い森の中で、たった一人魔物と戦い続けるのだ。恐怖…は感じないが、不満はある。
とはいえ逆らえる立場には無いので渋々と魔物を狩り続ける。
手が6本ある巨大な猿。鎧の様な鱗に全身を覆われた巨大な蟷螂。赤黒く尻尾が三つある巨大な蠍。4枚の翼で空を飛ぶ円形の何か。コモドドラゴンより大きなトカゲ。動く巨木。
兎に角倒して倒して倒しまくる。
幸いな事に、今のところ魂喰いの大鎌が効かないアンデッド系の魔物とは遭遇していない。
(ん?そろそろかな?)
幾度かの進化を経験して、僕は何となくだが進化可能な状態になると分かるようになっていた。
この状態の時に進化したいと願うとメッセージウインドウが現れるようだ。試しに念じてみる。
≪レベルが上限に到達しています。リッチキングに進化可能です≫
ここで進化先が2つ以上に分かれている場合は進化先が全て表示される。今回は固定の様だ。
イエスと念じる。
≪リッチキングに進化しました≫
相変わらず情報量が少ない。
しかも此方から念じないと出現しない時もあるなど、メッセージウインドウをうまく使いこなすにはコツが必要な様だ。時間が出来たら色々試してみたい。
自分の手を見てみる。
やはり進化しても見た目に何の変化も無い。これは【ネクロマンス】の影響なのだろうか?後で死神に聞いてみよう。
ふと空を見上げると空が明るくなり始めていた。
そう言えば、月明かりさえ碌に届かない深い森の中なのに、普通に活動できていた自分に疑問を持つ。
暗いのは勿論暗いのだが、何故かハッキリと周辺が見えるのだ。
もしかして、これは自分の2つのスキルの内1つの効果なのだろうか?その辺も死神に聞いておきたい。答えてくれるかどうかは分からないけど。
鎌を強く振って夜露を払う。
夜も明けたし一度拠点に戻ろう。
灰田さんのレベルはいくつ位になっただろうか。そもそもこの世界で人間が生きていくにはレベルがいくつ位あれば良いのだろう。少なくとも、あの死神のような強さの魔物がゴロゴロいるような世界ならば1000では足りない気がする。いや、上限が999という可能性もあるのかな?
拠点に向かいながら僕はそんな事を考えていた。
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