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閑話:クラスメイト達

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 アンディと灰田がレベル上げに勤しんでいる一方、クラスメイト達もまたレベル上げをしていた。
 彼らが召喚された場所から程近くにある平原で、手頃なゴブリンやスライムといった低級の魔物と戦わされていた。 
 この世界ではごく当たり前なレベル上げの方法だ。
 一部の貴族や王族を除き、止めだけ刺してレベルを上げるなどしない。

 「おりゃーー!!!」

 男子生徒がスライムに向かって、貸し与えられたボロボロの銅剣を勢いよく振り下ろた。それは切ると言うよりも叩くに近い。
 スライムはぶしゅりと音を立てて溶けてなくなった。その場には赤い石がポツリと残された。

 「はぁはぁ……どうだ!俺のレベル、どれぐらいになった?」

 男子生徒が近くにいた女子生徒に話しかける。

 「ちょっと待って。【鑑定】」

 彼女は世界を渡る時に授かった【鑑定】のスキルで男子生徒のレベルを確認する。

 「……2だよ」
 「くそ!これだけ戦ってたったの2かよ!」

 生徒たちはかれこれ3時間ほど戦っている。それでも殆どの生徒はレベル2か3だ。
 これは特別彼らの成長が遅いわけでは無い。
 本来レベルの成長速度などこんなものなのだ。

 「今日の目標はレベル4だ。4になるまで休めると思うなよ」

 監視兼【鑑定】役として同行しているローブの男がそう告げると、生徒たちの恨みがましそうな視線が彼に刺さる。

 「3時間でレベル2なのに、レベル4とか後どんだけ掛かるんだよ」
 「私何て3つともサポート系のスキルなんだよ?レベルを上げたってどうせ大した戦力にはならないのに」
 「俺なんてスキル1つだぜ?まぁ、死地に飛ばされた奴らよりはマシだけどよ」

 ため息と共に重たい空気が場に蔓延る。そんな中、一人の男子生徒が、先ほどの【鑑定】持ちの女子生徒に声を掛けた。

 「ねぇ、俺も鑑定してもらえる?」
 「うん、いいよ。【鑑定】……え?レベル4だ」
 「なにー!?」

 先に鑑定して貰っていたレベル2の男子生徒が驚きの声を上げる。
 鑑定した女子生徒も驚いたが、直ぐに原因が分かった。

 「【経験値増加】の効果だね」
 「へへ、良いだろ?あいつらが言うには結構レアなスキルらしいよ?」
 「け、どうせ今だけだろ。実際にダンジョンに潜ったら戦闘系スキルの方が役に立つさ」
 「そうだね。だから残り2つのスキルが役に立つだろうね、きっと」
 「げ、お前、3つか?羨ましすぎんだろ」

 「そこ、いつまで喋っている!」
 「あ、俺もうレベル4でーす」

 彼らのレベル上げは続き、最後の一人がレベル4になる頃にはすっかり日が暮れてしまっていた。
 
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