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第三章 仲 間

第二十一話 月の名を持つ才女

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 三つ子月の長女ルナが南天の空のやや南西の方角に昇っていた頃、ノーディック大平原のずっと西にあるボイザー森林地帯で。そこはアスターなど住んでいない森の中、しかも夜だと言うのに昼の様に明るかった。それは森林の木々を焼く火が炎となりて渦巻くように炎上していたからである。
「ああぁーーーっ!私としたことが後方の退路まで断たれてしまったわ」
 装飾豊かな鎧を装備したその女性は額に手を当てながら自らの失敗を悔やむように愚痴をこぼしていた。
「あぁ、大丈夫よクリス。貴女はちゃんとキャステルまで行ける様にしますから」
「ルティ、私のことは心配してくださらなくて結構です。それより兵の皆様を・・・」
 今ここにいる二人、一人は緋龍侯の名を持つルティア・ムーンライトだった。そして、もう一人、クリスティーナ・スタンシア。ウォード提督の妻でありアルエディーの母親、その人である。貴族の女性でありながら尊大ではなく、とても親しみ易い婦人。ルティアとクリスは同じ貴族同士と言うことで長い付き合いのある二人でもある。
「貴女だけはちゃんとアル坊に合わせてあげないと・・・、私を王都から逃がしてくれたウォード提督に合わす顔が無いわ」
「ルティ、夫のことは気にし無くて良いのよ。それが夫の務めなのですから」
 二人の会話中、年齢にして十七、八位、ボディーラインのくっきりと現れる女性用の鎧を身に付け、ポニーテールの腰の下まで伸びた髪を持った少女がその長い髪を揺らしながら二人の前へ駆け寄り、
「お母様、これからどうなさるのですか・・・、完全に退路を立たれ、前方からは帝国魔法兵が確実に前進しております」
 ルティアを母親と呼ぶその少女の名はルナ・ムーンライト。ペルセア第一衛星と同じ名前を持ち、夜に浮かぶその月の色と同じ髪と蒼く澄んだ瞳を持った神秘的な美しさを授かった娘だった。年齢とは程遠いほど聡明でこの状況下でも冷静な表情をしていた。彼女の所に駆け寄ってくる伝令兵達に的確の指示を与えながら閉ざされた退路を切り開こうとしている。
「ルナ貴女、そう言うわりには冷静な顔してるわね?」
「信じていますから・・・」
「あらあら、自信過剰?いけないわよそう言う考え。特に今の様な状況下で」
「兵を指揮する者が不安な表情をして士気を下げるよりはましだと思います」
「まぁ、そんな強いこと言っちゃって、我が娘ながら大した物だわ」
「・・・、私が信じているのは・・・、その自信では無く・・・、アルエディー様達が・・・」
 薄っすらと頬を赤く染めながら最後まで言葉にせず口をつむぐ。
「ルナ、そんなバカなことある訳無いでしょ?坊がここにくる事なんてありえないわよ。そんなこと考えている暇があったらルナもちゃんと剣を動かしなさい!」
 ルティアは口を動かしながら迫りくる歩兵にクリスを庇う様にして鮮やかに剣を躍らせていた。
 ルナは相手を見据えるように小剣を構え巧みで繊細な流れで帝国兵を迎え撃っていた。そして、クリスティーナもできる限り使える魔法で二人の補助をしていた。それからは伝令兵の下、散開していたルティアとルナの部下が彼女達の元へと集まってきた。
「集まったのはこ探索探知器けか・・・」
 その場に集合してきた人数を数えながらルティアは小さく溜息を吐いていた。ここに来るまで彼女の魔法兵と槍兵、ルナの魔法兵と弓兵、合わせて五百近くいたそれも今では百以下となっていた。対する帝国は魔法兵八十と歩兵、槍兵約二百、それと指揮官が乗る騎馬が数体。
「万事休すって所ね。ごめんクリス・・・」
「ルティ、貴女が悪いわけじゃないでしょう?だからそのような顔しないで」
「アルエディー様・・・・・・」
「ルナ、まだそんなことを言って・・・、神頼みする前に貴女のその頭の中を使いなさい」

§   §   §

 ルティア達がボイザーの中で戦う少し前、あと一日で城塞都市まで到着すると言うくらいのボイザー森林地帯とノーディック大平原の中間付近で野営をしていた。宮廷三師、機械技師のティークニックが竜機の整備のため一機のそれの操縦席に乗り機兵制御画面をいじっていた。彼は欠伸をしながらその画面に向かって色々と操作していた。ティークニックが敵味方察知映像投影画面を除いたとき・・・、慌てて竜機から飛び降りアレフ達の所へ駆け寄った。
「アレフ王、この近場で帝国兵と我が国の兵が戦っているようです!・・・、エーテル反応からその中に緋龍侯がいると思われます」
「この近くでか!?・・・アル、すぐに救援に向かってくれ」
 ティークニックの言葉にアレフは即断でアルエディーにそう命令を下した。
「分かった。ミルフィ、君も一緒に来てくれ」
「了解!わかってるってアルにぃ」
「アルエディー!魔法が使える私も一緒にいきますよ」
「ああ、レザード、助かる」
 アルエディーとケリーの千騎隊二十とミルフィーユの天騎馬隊天馬十それとレザードがそちらへと向かっていた。

†   †   †

 アルエディー達の部隊は森の中を駆け抜け炎上している方角へと向かって行く。前方に味方らしき兵が見えるとその者達が慌てない様に自ら名を名乗った。
「千騎隊、隊長アルエディー・ラウェーズ、助けに来たぞおぉおぉおぉおーーっ!」
「天騎馬隊、ミルフィーユ・スタンシア、ここに見参!後は下に同じ」
 上空からほぼ同じ速度で移動して来た彼女も眼下にアルエディーを捕らえるとそう言葉に出していた。アルエディーの視界にルティアの姿が入ると勢いよく彼女の所まで馬を駆けさせた。
「ルティア将軍、助けに来ました」
「アル?アル坊なのかい?・・・、本当に坊は生きてたんだな」
「アルエディー・・・」
「母さんなのか?・・・、挨拶は後、この馬に乗ってください」
 馬から飛び降り彼が乗っていた馬をルティアに勧めた。
「そこの君もルティア将軍と・・・」
「アルエディー様、お初にお目にかかります。私は・・・」
「自己紹介は後だ。さあ早く!」
 ルナの言葉を無視して彼女をルティアの方に送ると彼の部下一人に話しかけクリスを連れて野営にもどれと命じた。
「アル坊、それじゃこの馬拝借するわ。ほらっルナ早く乗りなさい」
「俺が来た方向に進めばアレフ王達がいる」
 ルティアは娘が後ろに乗った事を確認するとアルエディーに一礼してその方角へと馬を走らせて行った。
「各自、君等の判断で味方兵の援護をし後退させてくれ。深追いはするな。散開!」
 副隊長のケリー以外は命令に従い四散して行く。
「アルエディー、お前は騎馬なしでどう戻る?」
「心配ない。レザードと一緒にエギンで戻るさ。ほらケリー、君も行ってくれ」
「分かった、無理はするな」
 二人はその場を離れ、移動してきた帝国兵に威嚇攻撃を仕掛けた。アルエディーは相手に魔法兵がいる事を知るとデュオラムスの力を借りて魔法防御壁を張ってそれに応戦する。
 少し遅れて到着したレザードは火の海を見て、それ以上それが広がらないように水の精霊の力を借りた彼オリジナル特大魔法、アイス・レインでその消火に勤めていた。
 それから、引き際を見極めた千騎隊も天騎馬隊も巧妙にルティアが連れていた兵を出来るだけ多く、馬や天馬に乗せながら後退を開始していた。そしてアルエディーもレザードを発見すると直ぐに後退する様に話し彼と共に敵陣から遠ざかって行った。

†   †   †

 アルエディーは野営地に戻り、アレフにその場から直ぐ移動開始を提言したが王はその騎士の言葉を冷静に拒否した。それは竜機の察知機を確認していたティークニックの報告により帝国兵も戦場のあった場所から後退し敵陣営に戻っていると言ってきたからだ。そして、星空の下でルティア将軍はアレフ王とその場にいる者達に挨拶を交わす。
「アレフ王、そしてセフィーナ王女。ご無事で何よりです」
「ルティア将軍、貴女こそご無事でなりよりだ。私の方はアルがいてくれましたから辛いと思ったことはありません」
「そうそう、アル坊だけどなんとも小粋な登場で私を助けてくれて、私の娘くらい若かったら私、惚れちゃっていたわね」
「ルティア将軍、何を言っているんですか、まったく」
「坊、照れない照れない」
「照れていませんっ!それに俺のこと坊って子供の様に言わないでくださいっ!」
「わたくしやルティから見たらあなたは子供でしょう?」
「母さんまでっ!」
 少しの間だけこの場で二人の母と子の会話を交えた。それからアレフとアルエディーの二人はウォード提督と前王リゼルグの生死についてルティアに聞いていた。
「リゼルグ様とウォード提督は私や他の者達を逃がすために・・・、その後はどうなったのか」
「そうか・・・、それ以上何も言わなくていい」
「・・・・・・」
「あらっ、アル坊、あまり悲しそうな顔していないようね?」
「父さんは誰もが知っているほど強い。だから何処かでちゃんとリゼルグ様と生き延びているさ」
「前向きの考え方だわ。さすがはウォード提督とクリスの子ね・・・、子供で思い出してけど紹介するわね。私の娘ルッ」
 ルティアの後ろに控えていたルナは母親の言葉を止め、アレフとアルエディーの前に立った。
「アレフ王、そしてアルエディー様、お初にお目に掛かります緋龍侯ルティアの娘ルナ・ムーンライトと申します。これからの戦いアレフ王とアルエディー様のために志願させていただきたく、お母様に同行して参りました」
〝あの子いつになく積極的だわねぇ〝とルティアは娘が自己紹介をしているときそう呟いていた。
「まだ実戦経験が乏しく至らぬこと多きと思いますがアレフ王、我が娘を使ってやってください」
「分かりました・・・、ルナさん、その言葉確かに受け取りました。この国のためにもその力お貸しください」
「はい、有難う御座います」
 アレフの前に方膝をつき頭を下げそう言葉にしていた。それが終わると彼女は静かに立ち上がりアルエディーの方を見る。
「先ほどは満足にお礼も言えず失礼しました。あの時はお助け頂いて有難う御座います」
「ルナさん、そんなかしこまって礼を言わなくていい。騎士として仲間を助けるのは当然の義務だから」
「私の事はルナと呼んでください」
「だったら俺も敬称なしで」
「はい、畏まりました」
「まだ話したいこともあると思うが明日には城塞都市まで到着しなければならない。明朝に出発する。解散を願いたい」
 アルエディーの言葉にその場にいた者が用意されたテントへと移動してゆく。
「アレフ・・・、俺たちももう寝よう」
「そうだな。アルお休み」
「ああ、おやすみ」
 二人は言葉を交わし各々のテントへと向かって行く。しかし騎士の方は王と違ってテントはなく芝生の上に敷物を広げて寝転がるだけだった。その理由はルティア達の兵の大半以上が女性でその者立ちにアルエディーの部隊のテントを譲ったからだ。
 こうして、火盛の月五日目、城塞都市キャステル到着まであと一日と言うところでルティア将軍とその娘のルナ、二人の仲間を加えたのであった。
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