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第 十四 話 素盞鳴尊と武甕槌神
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ハァ~~~、久しぶり主人公であるはずの俺、武の視点で語っていくぜ。主人公なのに酷い扱いだよ、まったく。まあ、別に主人公じゃなくても良いんだけど・・・。
今年も後数週間で終わってしまう頃の出来事だった。いつも経司や大地と一緒に行動していたんだけどその日は違ったんだ。厳しい寒さの中で単独にてあやかしと戦っていた。
「ふぅ~~~、こんなもんか。なぁ武甕槌、どうだ、最近の俺は?」
〈ああ、すごい成長振りだ。あと少しも経てば完全に私の力も引き出せよう。十握剣の媒体となるものがあれば汝も私も得意な剣術の力を揮えるのだが・・・〉
「その媒体って何でも良いって訳じゃないんだよな?それが手に入ったらもっと強く成れるのか?雷を操るより楽か?」
〈私は剣を手にしてこそ本来の力を発揮できるのだ。雷と剣術、その二つの力が合わさってこそ天津の中で最強の戦士、武神と呼ばれたのだぞ、私は〉
「それほど強いんだったら、素盞鳴尊だって勝てるんじゃないのか?」
〈どんなに私が強かろうと戦神であられるあの方だけには絶対に勝てん、それが私の生まれもった定め。この話はもうよそう。・・・、次の場所へ向かうぞ、武〉
俺は武甕槌の言葉でその場から新たな瘴気の流れを辿って動き出す。
辿り着いた場所で千載一遇の偶然を手にする。さっき武甕槌と話していた素盞鳴尊がその場所に居た。そして、やっぱり美姫姉ちゃんも一緒だった。更に、今まであったことのない男の人が居た。
一体どこから湧いてくるのだろうか大軍なんて言葉じゃ物足りないくらいの物の怪が滅びた都市の中を埋め尽くしていた。
八坂さんも姉ちゃんも知らない人も果敢に戦っている。三人の強さは目を見張る物だった。だけど、中々あやかしたちの減る気配はなかった。
素盞鳴尊の化身の八坂さんは一度の攻撃で数千体を軽く浄化するほどの力を振るっていた。今の俺だってそのくらいは軽く可能なんだけど・・・、神気が長続きしない。そんな強大な力を何度も八坂さんは振るっていた。
〈武、いつまでただ宙に漂っている積りだ?〉
「ああっ、うん、そうだな。よっし、どれだけ俺の力で相手を減らせるか知んないけど。行くぜ、武甕槌!」
〈私の力は汝のために〉
「ヤサカサンッ、ミキねぇちゃん、それとそこの誰か!助太刀するぜ!」
「武なの?どうしてここへ」
「タケル君?何故、私達の場所が・・・」
「徹よ、今は一神でも力あるものが助けてくれるのだぞ、戦いに専念して言葉は後にしなさい」
八坂さんも美姫姉ちゃんも俺が現れて心底、驚いたようだったけど、年配だと思われる人が一人だけ冷静に対処していた。
俺は神気で全身に雷霊を呼び寄せ、それを周囲に放つ。
数本のうねる龍の姿に見える雷撃が激しい放電音を轟かせながら、瘴気に憑かれたモノ等へ飛んで行く。雷陣と呼ばれる力だ。
体から放たれた電撃はまるで意志があるように物の怪を追いかけそれを喰らうと物の化け物の内に秘める邪念邪気を浄化させていた。命中率なんて気にする事ない便利な神技だけど、その力を放つまでに少々時間が掛かる。力を蓄えている間は無防備になるから敵が襲ってきたら躱すことなんて出来やしない。武甕槌が居るお陰で体の頑丈さも一般人とは段違いだけど、化け物の揮う力も常人が想像する以上のものだ。攻撃を受ければ其の分の傷を負う。だから、無防備になる時間は極力避けたい。そんな訳で敵と自分との距離を考えて巧みに神技を使い分け戦いに挑む。
人の時間にして約小一時間を掛けて辺り一帯の魑魅魍魎掃討に終わりを告げた。
周囲にそれらが居ないと感じ取った八坂さんたちは俺に何も告げないで瞬転しようとした。だけど、俺は神?紙一重で移動して美姫姉ちゃんの手を掴む。
「手を放しなさい、武。今は貴方をかまってあげられる暇はないの」
「姉ちゃん、爺ちゃんやミサ婆ちゃんが心配してる。さあ、家に帰ろうぜ。美姫姉ちゃんがあんな奴等と戦う必要なんってないんだ」
「武にはそれが許されて、私は駄目だって言うの?そんなの可笑しいわよ。私は・・・、私は武の事を思って・・・」
「美姫さん、それ以上言葉にしては今までの苦労の意味がなくなりますよ」
「徹さん・・・」
「武甕槌、貴様の力の後継者は昔の貴様そのモノだな。いつまで天照の命に従う積りだ?本当に姉上のやろうとしている事が正しいと思っているのか?答えてみよ、武甕槌」
八坂さんの口から武甕槌に向けられた言葉は俺の知っているその人の声じゃなくて、初めて会ったときに耳にした素盞鳴尊のものだった。
〈私は軍人、私情は捨てている。武もその心は同じ。天照が私に命を下すなら、武も詠華の言葉に従うまでだ〉
「エイカって誰よ、武?どうして、どうして、武は貴方の意志で戦っていたんじゃないの?」
「天照、って言う天津神の主神が姿を見せるまでは俺が困っている人を助けなきゃいけないんだって思っていた。でもそんなの俺独りでは無理だったんだ。だけど、詠華さん、照神先輩の双子の妹だって人。美姫姉ちゃん、先輩の親友なんだろう、妹いるの知らなかったのか?」
「え・い・か・・・、まさかハナちゃんがアナタ達の・・・」
「なんだ、やっぱり知ってんじゃないかよ。・・・、詠華さんは人々総てを救うチカラを持っている。俺には日本に住むみんなを助ける方法なんって知らない。でも詠華さんは違うみたいだ。・・・、だから、そんなあの人に少しでも役立ちたくて今の俺は動いているんだぜ」
「武甕槌の後継者よ、武と言ったな?ヌシは姉上の継承者がいったい何をしようとしているのか知っているのか?」
「はっきり言って知らない。俺そんなに先のコト考えられるほど頭良くないから。・・・、それに俺には何が本当の正義で何が真の非道とかなんってわかりゃしないよ。でも、詠華さんのすることが正しいならそれが俺にとっての正義だ」
「武甕槌、貴様も、そして力の継承者の武。貴様等は大きな力を持ちながら何故その力を真理の道のために使わぬ。天津等はその力の使い方を過って忘却してしまうくらい遙かなる過去に・・・、その様なこと今の貴様のヌシの後継者に言ったとしてもいかような意味もないか。俺はやる事がある。もう退かせてもらうぞ。次ぎあう時までに武甕槌、そして武、姉上に対する忠誠心が変わっていなくば、俺の手でこの現世から黄泉の更に下へと引導を渡してくれるぞ。・・・・・・、櫛名田姫、火之迦倶槌、消えるぞ」
〈ホノカグツチ・・・、火之迦倶槌?まさか父上か!〉
〈武甕槌よ、お前のその力のあり方、何のためにあるのか今一度考えなさい〉
そんな言葉が俺と俺の中に宿る神に聞えてくると八坂さんも姉の美姫も武甕槌の親父らしき神を宿す男の人もどっかへ消えてしまった。そんな三人を追いかけようと神気を辿ろうとしたがやっぱり毎度の如くその気の波を捉えることが出来なかった。
「オイッ、武甕槌。オマエ今、八坂さんが言ったホノカグツチだっけ、親父って言わなかった?」
〈まさか・・・、父上まで降臨なさっていたとは。・・・、違う、いつその封印を解かれたのだ〉
「どういうコトだ?説明してくれよな、武甕槌」
〈言葉では語らん、記憶で語って見せよう。私と上手く同調してみろ〉
内に宿るそれの言葉に従って心の波を同調させた。そして、それから武甕槌の一部の記憶らしきものが俺に流れてくる。
火之迦倶槌、武甕槌の父親は二津の乱と呼ばれる大きな戦いで誤って仲間の皇族の后を焼き殺してしまったみたいで、その時の罰でその皇に斬り殺され、その魂を黄泉に落とすのではなく高天原の神宮に封印されたのだとその記憶からわかった。
そして、その事件の罪の償いを皇はその者の子供や子孫、武甕槌とそれを宿す者の科せる運命を永遠に与えたみたいだった。それはその皇の子に対する絶対服従と言う定めの枷を・・・。
だけど、武甕槌も今の俺もそんな運命のために天照や詠華さんの下についているわけじゃないぜ。その理由は・・・・・・。
「武甕槌・・・、今日のこと報告しておいた方がいいのかな?」
〈その判断は、汝、武に任せる。私の意志は武の意志〉
「判ったぜ、それじゃ、照神先輩と一緒に居る時の詠華さん、直ぐに二人して意味無い喧嘩してくれるからあんまし顔出し、したくないけど東京に戻るかな」
次の行動が決まった俺は地球の環境変化の所為で極光が見えてしまう冬の北海道、網走の街から東京へと残りの神気を使って飛んでいった。
しかし、今日は経司が一緒じゃなくて良かったぜ。現在、経司の奴、心身ともに過剰なくらい鍛錬しているからな。次に八坂さんに会ったら、倒してでも美姫姉ちゃんを取り戻してやるって感じだ。
いくら、幼馴染みがそんな事をしても素盞鳴尊の化身の八坂さんに勝てる訳が無い、って言うのを今日しみじみと感じた。だから、経司には八坂さんや姉ちゃんと出会したのを絶対教えてはやらない事にしたんだ。
大地の妹の沙由梨ちゃんもそうだけど、現首相様と国防長官と何かの省の大臣さん、内の校長とその奥さんも他にも多く、身内同士みたいな感じで天津と国津に分かれて対立してしまっている。
どうしてこんなにバラバラになってしまったんだろうか?唯一、一緒に居るのは伊勢野姉妹と熱海って言う俺の部活の友達兄弟だけだぜ、まったく。ああ、そういえば、国津側は諏訪姉弟が一緒だったな・・・。
本当に俺達は雌雄を決して戦わないといけないのだろうか?俺にはちっとも判らない。・・・、ただ、詠華さんの命に従うだけだ。彼女がみんなを導いてくれればきっと良い未来を迎えられるんじゃないか、って俺は思っているんだ。だから詠華さんのために頑張らないと・・・。
今年も後数週間で終わってしまう頃の出来事だった。いつも経司や大地と一緒に行動していたんだけどその日は違ったんだ。厳しい寒さの中で単独にてあやかしと戦っていた。
「ふぅ~~~、こんなもんか。なぁ武甕槌、どうだ、最近の俺は?」
〈ああ、すごい成長振りだ。あと少しも経てば完全に私の力も引き出せよう。十握剣の媒体となるものがあれば汝も私も得意な剣術の力を揮えるのだが・・・〉
「その媒体って何でも良いって訳じゃないんだよな?それが手に入ったらもっと強く成れるのか?雷を操るより楽か?」
〈私は剣を手にしてこそ本来の力を発揮できるのだ。雷と剣術、その二つの力が合わさってこそ天津の中で最強の戦士、武神と呼ばれたのだぞ、私は〉
「それほど強いんだったら、素盞鳴尊だって勝てるんじゃないのか?」
〈どんなに私が強かろうと戦神であられるあの方だけには絶対に勝てん、それが私の生まれもった定め。この話はもうよそう。・・・、次の場所へ向かうぞ、武〉
俺は武甕槌の言葉でその場から新たな瘴気の流れを辿って動き出す。
辿り着いた場所で千載一遇の偶然を手にする。さっき武甕槌と話していた素盞鳴尊がその場所に居た。そして、やっぱり美姫姉ちゃんも一緒だった。更に、今まであったことのない男の人が居た。
一体どこから湧いてくるのだろうか大軍なんて言葉じゃ物足りないくらいの物の怪が滅びた都市の中を埋め尽くしていた。
八坂さんも姉ちゃんも知らない人も果敢に戦っている。三人の強さは目を見張る物だった。だけど、中々あやかしたちの減る気配はなかった。
素盞鳴尊の化身の八坂さんは一度の攻撃で数千体を軽く浄化するほどの力を振るっていた。今の俺だってそのくらいは軽く可能なんだけど・・・、神気が長続きしない。そんな強大な力を何度も八坂さんは振るっていた。
〈武、いつまでただ宙に漂っている積りだ?〉
「ああっ、うん、そうだな。よっし、どれだけ俺の力で相手を減らせるか知んないけど。行くぜ、武甕槌!」
〈私の力は汝のために〉
「ヤサカサンッ、ミキねぇちゃん、それとそこの誰か!助太刀するぜ!」
「武なの?どうしてここへ」
「タケル君?何故、私達の場所が・・・」
「徹よ、今は一神でも力あるものが助けてくれるのだぞ、戦いに専念して言葉は後にしなさい」
八坂さんも美姫姉ちゃんも俺が現れて心底、驚いたようだったけど、年配だと思われる人が一人だけ冷静に対処していた。
俺は神気で全身に雷霊を呼び寄せ、それを周囲に放つ。
数本のうねる龍の姿に見える雷撃が激しい放電音を轟かせながら、瘴気に憑かれたモノ等へ飛んで行く。雷陣と呼ばれる力だ。
体から放たれた電撃はまるで意志があるように物の怪を追いかけそれを喰らうと物の化け物の内に秘める邪念邪気を浄化させていた。命中率なんて気にする事ない便利な神技だけど、その力を放つまでに少々時間が掛かる。力を蓄えている間は無防備になるから敵が襲ってきたら躱すことなんて出来やしない。武甕槌が居るお陰で体の頑丈さも一般人とは段違いだけど、化け物の揮う力も常人が想像する以上のものだ。攻撃を受ければ其の分の傷を負う。だから、無防備になる時間は極力避けたい。そんな訳で敵と自分との距離を考えて巧みに神技を使い分け戦いに挑む。
人の時間にして約小一時間を掛けて辺り一帯の魑魅魍魎掃討に終わりを告げた。
周囲にそれらが居ないと感じ取った八坂さんたちは俺に何も告げないで瞬転しようとした。だけど、俺は神?紙一重で移動して美姫姉ちゃんの手を掴む。
「手を放しなさい、武。今は貴方をかまってあげられる暇はないの」
「姉ちゃん、爺ちゃんやミサ婆ちゃんが心配してる。さあ、家に帰ろうぜ。美姫姉ちゃんがあんな奴等と戦う必要なんってないんだ」
「武にはそれが許されて、私は駄目だって言うの?そんなの可笑しいわよ。私は・・・、私は武の事を思って・・・」
「美姫さん、それ以上言葉にしては今までの苦労の意味がなくなりますよ」
「徹さん・・・」
「武甕槌、貴様の力の後継者は昔の貴様そのモノだな。いつまで天照の命に従う積りだ?本当に姉上のやろうとしている事が正しいと思っているのか?答えてみよ、武甕槌」
八坂さんの口から武甕槌に向けられた言葉は俺の知っているその人の声じゃなくて、初めて会ったときに耳にした素盞鳴尊のものだった。
〈私は軍人、私情は捨てている。武もその心は同じ。天照が私に命を下すなら、武も詠華の言葉に従うまでだ〉
「エイカって誰よ、武?どうして、どうして、武は貴方の意志で戦っていたんじゃないの?」
「天照、って言う天津神の主神が姿を見せるまでは俺が困っている人を助けなきゃいけないんだって思っていた。でもそんなの俺独りでは無理だったんだ。だけど、詠華さん、照神先輩の双子の妹だって人。美姫姉ちゃん、先輩の親友なんだろう、妹いるの知らなかったのか?」
「え・い・か・・・、まさかハナちゃんがアナタ達の・・・」
「なんだ、やっぱり知ってんじゃないかよ。・・・、詠華さんは人々総てを救うチカラを持っている。俺には日本に住むみんなを助ける方法なんって知らない。でも詠華さんは違うみたいだ。・・・、だから、そんなあの人に少しでも役立ちたくて今の俺は動いているんだぜ」
「武甕槌の後継者よ、武と言ったな?ヌシは姉上の継承者がいったい何をしようとしているのか知っているのか?」
「はっきり言って知らない。俺そんなに先のコト考えられるほど頭良くないから。・・・、それに俺には何が本当の正義で何が真の非道とかなんってわかりゃしないよ。でも、詠華さんのすることが正しいならそれが俺にとっての正義だ」
「武甕槌、貴様も、そして力の継承者の武。貴様等は大きな力を持ちながら何故その力を真理の道のために使わぬ。天津等はその力の使い方を過って忘却してしまうくらい遙かなる過去に・・・、その様なこと今の貴様のヌシの後継者に言ったとしてもいかような意味もないか。俺はやる事がある。もう退かせてもらうぞ。次ぎあう時までに武甕槌、そして武、姉上に対する忠誠心が変わっていなくば、俺の手でこの現世から黄泉の更に下へと引導を渡してくれるぞ。・・・・・・、櫛名田姫、火之迦倶槌、消えるぞ」
〈ホノカグツチ・・・、火之迦倶槌?まさか父上か!〉
〈武甕槌よ、お前のその力のあり方、何のためにあるのか今一度考えなさい〉
そんな言葉が俺と俺の中に宿る神に聞えてくると八坂さんも姉の美姫も武甕槌の親父らしき神を宿す男の人もどっかへ消えてしまった。そんな三人を追いかけようと神気を辿ろうとしたがやっぱり毎度の如くその気の波を捉えることが出来なかった。
「オイッ、武甕槌。オマエ今、八坂さんが言ったホノカグツチだっけ、親父って言わなかった?」
〈まさか・・・、父上まで降臨なさっていたとは。・・・、違う、いつその封印を解かれたのだ〉
「どういうコトだ?説明してくれよな、武甕槌」
〈言葉では語らん、記憶で語って見せよう。私と上手く同調してみろ〉
内に宿るそれの言葉に従って心の波を同調させた。そして、それから武甕槌の一部の記憶らしきものが俺に流れてくる。
火之迦倶槌、武甕槌の父親は二津の乱と呼ばれる大きな戦いで誤って仲間の皇族の后を焼き殺してしまったみたいで、その時の罰でその皇に斬り殺され、その魂を黄泉に落とすのではなく高天原の神宮に封印されたのだとその記憶からわかった。
そして、その事件の罪の償いを皇はその者の子供や子孫、武甕槌とそれを宿す者の科せる運命を永遠に与えたみたいだった。それはその皇の子に対する絶対服従と言う定めの枷を・・・。
だけど、武甕槌も今の俺もそんな運命のために天照や詠華さんの下についているわけじゃないぜ。その理由は・・・・・・。
「武甕槌・・・、今日のこと報告しておいた方がいいのかな?」
〈その判断は、汝、武に任せる。私の意志は武の意志〉
「判ったぜ、それじゃ、照神先輩と一緒に居る時の詠華さん、直ぐに二人して意味無い喧嘩してくれるからあんまし顔出し、したくないけど東京に戻るかな」
次の行動が決まった俺は地球の環境変化の所為で極光が見えてしまう冬の北海道、網走の街から東京へと残りの神気を使って飛んでいった。
しかし、今日は経司が一緒じゃなくて良かったぜ。現在、経司の奴、心身ともに過剰なくらい鍛錬しているからな。次に八坂さんに会ったら、倒してでも美姫姉ちゃんを取り戻してやるって感じだ。
いくら、幼馴染みがそんな事をしても素盞鳴尊の化身の八坂さんに勝てる訳が無い、って言うのを今日しみじみと感じた。だから、経司には八坂さんや姉ちゃんと出会したのを絶対教えてはやらない事にしたんだ。
大地の妹の沙由梨ちゃんもそうだけど、現首相様と国防長官と何かの省の大臣さん、内の校長とその奥さんも他にも多く、身内同士みたいな感じで天津と国津に分かれて対立してしまっている。
どうしてこんなにバラバラになってしまったんだろうか?唯一、一緒に居るのは伊勢野姉妹と熱海って言う俺の部活の友達兄弟だけだぜ、まったく。ああ、そういえば、国津側は諏訪姉弟が一緒だったな・・・。
本当に俺達は雌雄を決して戦わないといけないのだろうか?俺にはちっとも判らない。・・・、ただ、詠華さんの命に従うだけだ。彼女がみんなを導いてくれればきっと良い未来を迎えられるんじゃないか、って俺は思っているんだ。だから詠華さんのために頑張らないと・・・。
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