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あ と が き

後書き

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 第一部から引き続きお読みになってくださって有難うございます。
 初めにこの慎治編を読んでこの主人公に関する突っ込んだ出来事や話題が少なすぎると思ったんではないでしょうか?
 それは慎治と言う人物設定が調停者と監察者と言う立場だからです。
 故にこの編は全体的にそうなってしまいました。誠に申し訳ない。付け加えるならば他の編では余り・・・、ほとんど?と言っていい程彼に関する話題は浮上してきません。
 そして、やたら話題は貴斗の事が多いんですがそれは慎治が詩織と一緒で貴斗と接する機会が多いからだし、彼の監察を母親から任されているからです。
 それと口に出す言葉でも、心の中でも宏之の事を親友だと思っているのに、その割に彼の話が少ないのは香澄と一緒にいる宏之に対して羨ましさから来る慎治のささやかな心の抵抗だという理由で、そうなった訳です。
 それではちょっとしたこの物語のまとめ解説を・・・。
 学内でも友達の多い主人公の慎治。しかし、彼が本当の友達とよべたのは記憶喪失の貴斗、宏之、香澄、詩織、春香だけだった。そして、その中の男友達で貴斗だけは特別な気持ちで慎治は接していた。
 何故なら、貴斗の記憶喪失になる前の過去を知ってしまったからだった。
 それから、ある夏休みの日、慎治は、彼が恋心を抱いていた香澄から彼女の心の内を明かされる。
 それを知ってしまった彼は叶わぬ恋だと気づき、複雑な思いで彼女を見守る事に決意した。そして、夏休みも終わり、学校が始まると彼の女友達である春香は事故によって入院してしまったのだと貴斗から聞かされた。
 春香は生きているのに目覚める気配がなく、それを見守る友達の宏之の精神的疲弊を目のあたりにする。
 その所為で慎治を取り巻く友達たちの関係が崩れ去ろうとしてしまう。
 春香が事故を起こした多くの真実を知りながら、それを慎治は修復し様と必死になる、心に秘めた想いを奥底に追いやりながら。
 二つの情に挟まれながらも慎治は友達といる事に幸せを感じ、それで良いと思い続けていた。だが、しかし、突然の春香の目覚めにより慎治の友達関係が再び、崩れ始め・・・。
 物語の中で慎治は常に親友とは何なのか、情とは何かと考え続けて行動して行く様に演じさせてみました。
 この慎治の性格設定は二枚目と三枚目を時と場合によって器用にこなす、ってな感じに造形した積りです。
 心の中身はいつも三枚目役なんですけどね。
 話しを別にして奴とヤツ使い分けしていたのを皆様お気づきになったでしょうか?
 宏之←奴。貴斗←ヤツ。それ以外←やつ。
 他にも人を表す人称を、それを指す人物によって漢字、ひらがな、カタカナと分けて使ってみたんです。
 送り仮名振ったところが少ないので参考的に、彼奴(あいつ、もしくはあやつ)、此奴(こいつ、もしくはこやつ)、使ってはいないですがついでに其奴(そいつ、もしくはそやつ)となっています。当て字ではありません。広辞苑や大辞林にはちゃんと書かれています。
 貴斗の過去をすべて知る唯一の主人公。しかし、それについてこの編でほとんど触れないのは貴斗編を読む楽しみがなくなってしまうからです。
 その真相を知りたい方はぜひ引き続き読んで下さい。お願いいたします。
 最後に第二部全編を読んでいただいた方、いたく感謝します。まだ他の編を読んでいない方、続けて読んでいただければ、嬉しい限りです。
 第三部は読まないほうがいいのかもしれない。
「第三部を手にした時、アナタは物語の真実を知るだろう。そして、それは・・・、フッフッフッふはぁっはっはっははっはっははぉあぁ・・・、しょぼん(´Д`)」
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