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番外編
手探りの恋模様 中編(エクトルの恋愛)
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数日後、エマが1人で帰宅しているところを見掛けたエクトルは、これはチャンスと考えて声を掛けた。
「エマさん、ちょっといいかな?相談したいことがあるんだ」
「うん、大丈夫だよ。どうしたの?」
突然の引き止めにも関わらず、嫌な顔をせずに振り向いてくれたエマを見て、エクトルの心拍数が上がる。
それに気付かれないように平静を装いながらエクトルは話をした。
「実はこの前、ジョエル様から卒業後に首都の学校への進学を勧められたんだけど、悩んでいるんだ。そこで相談に乗って欲しいんだけど、今週の週末で空いている時間はあるかな?」
それを聞いてしばらくエマは考えてからエクトルに返事をする。
「うーん……、あっ、土曜日の午後なら空いているよ!」
約束を取り付けられそうでエクトルは心の中でガッツポーズをしながら、すかさず予定を押さえる。
「じゃあ、今週の土曜日の13時に広場で待ち合わせでいいかな?」
「うん、大丈夫!それじゃあ、またね」
「ありがとう。じゃあ、また明日」
エマと別れたエクトルは心が弾む気持ちを抑えながら家路についた。
そして、約束の土曜日。
少し早めに広場に着いたエクトルがベンチに座って待っていると、やがてエマの姿が見えた。
エクトルを待たせて悪いと思ったエマが小走りで近付いてくる。
「待たせてごめんね」
「ううん、僕が来るのが早すぎたから気にしないで。今日はカフェに行こうと思っているんだけど、どうかな?」
ゆっくり話がしたいエクトルは、座って話せるカフェにエマを誘う。
すると、エマがおすすめのカフェを提案してきた。
「それならこの近くにあるパンケーキのカフェに行ってみたい!友達からふわふわのパンケーキのカフェがオープンしたって聞いて、気になっていたんだ」
適当に近くの空いているお店でいいと思っていたエクトルは、エマの提案に乗る。
「じゃあ、そこにしよう。僕は特にお店は決めていなかったから、おすすめを教えて貰えて嬉しいよ」
「私こそお願いを聞いてくれてありがとう。じゃあ、案内するね」
エマの案内で2人はカフェに移動する。
人気店のため行列が出来ており、学校での出来事などを話しながら2人は並んだ。
そして、順番となり、ようやく席に着く。
「行列に付き合わせてごめんね」
「ううん、大丈夫だよ。これだけ人気店なら食べるのが楽しみだね」
2人はお店1番人気のパンケーキと飲み物を注文する。
やがて目当てのパンケーキがやって来るとエマの目が輝いた。
美味しそうにパンケーキを食べるエマを見て、エクトルも嬉しくなる。
パンケーキを堪能した後、飲み物を飲みながらエクトルは本題を切り出した。
「相談っていうのは卒業後の首都の学校への進学のことなんだけど、ジョエル様が1人で不安なら誰かもう1人誘ってくれてもいいって言って下さったんだ。そこで勉強熱心なエマの顔が浮かんで声を掛けようと思ったんだけど、どうかな?」
まさか首都への進学に誘われると思っていなかったエマは、この話を聞いて驚いた表情となる。
その後、伏し目がちになってしばらく悩んだ後に返事をした。
「……うーん、誘ってくれるのは嬉しいけど、私よりも他に良い人がいると思う」
歯切れの悪い返事を聞き、諦めきれないエクトルは説得を試みる。
「そんな事ないよ。エマさんは真面目だし、成績優秀だから首都の学校でもやっていけると思う」
そう言われるが、エマの心内は決まっているため、返事は変わらない。
「私が勉強を頑張っているのは家族の役に立ちたいからなんだ。学校で学んだことを生かして家の牧場の手伝いをしたいし、弟や妹達のお世話もあるからここを離れるのはちょっと難しいかな……」
そう言われるとエクトルは引き下がるしかない。
「エマさんは家族思いで優しいね。急に誘ってごめんね。返事を聞かせてくれてありがとう」
「ううん、私こそ役に立てなくてごめんね」
そんな事ないとエクトルは首を振って、また話題を世間話に戻した。
エマとの会話を楽しみ、暗くなる前に別れて家路についた。
本当は自分の恋心も伝えるつもりだったが、首都への誘いを断られて言いにくくなったエクトルは心の中に留めた。
そして、他に誘いたい人もいなかったため、エクトルはジョエルに1人で首都へ進学する旨を伝える。
結局、卒業まで告白する勇気が持てず、エマへの恋心を胸に秘めたまま、エクトルは首都へと旅立った。
首都の学校で勉学に励んで、そして一人前になったらエマさんを迎えに来よう。
家族が心配ならば僕が仕送りをすればいいし。
そのためには良いところに就職出来るように頑張らないと。
この気持ちを糧にしてエクトルは首都で努力を重ねるようになる。
「エマさん、ちょっといいかな?相談したいことがあるんだ」
「うん、大丈夫だよ。どうしたの?」
突然の引き止めにも関わらず、嫌な顔をせずに振り向いてくれたエマを見て、エクトルの心拍数が上がる。
それに気付かれないように平静を装いながらエクトルは話をした。
「実はこの前、ジョエル様から卒業後に首都の学校への進学を勧められたんだけど、悩んでいるんだ。そこで相談に乗って欲しいんだけど、今週の週末で空いている時間はあるかな?」
それを聞いてしばらくエマは考えてからエクトルに返事をする。
「うーん……、あっ、土曜日の午後なら空いているよ!」
約束を取り付けられそうでエクトルは心の中でガッツポーズをしながら、すかさず予定を押さえる。
「じゃあ、今週の土曜日の13時に広場で待ち合わせでいいかな?」
「うん、大丈夫!それじゃあ、またね」
「ありがとう。じゃあ、また明日」
エマと別れたエクトルは心が弾む気持ちを抑えながら家路についた。
そして、約束の土曜日。
少し早めに広場に着いたエクトルがベンチに座って待っていると、やがてエマの姿が見えた。
エクトルを待たせて悪いと思ったエマが小走りで近付いてくる。
「待たせてごめんね」
「ううん、僕が来るのが早すぎたから気にしないで。今日はカフェに行こうと思っているんだけど、どうかな?」
ゆっくり話がしたいエクトルは、座って話せるカフェにエマを誘う。
すると、エマがおすすめのカフェを提案してきた。
「それならこの近くにあるパンケーキのカフェに行ってみたい!友達からふわふわのパンケーキのカフェがオープンしたって聞いて、気になっていたんだ」
適当に近くの空いているお店でいいと思っていたエクトルは、エマの提案に乗る。
「じゃあ、そこにしよう。僕は特にお店は決めていなかったから、おすすめを教えて貰えて嬉しいよ」
「私こそお願いを聞いてくれてありがとう。じゃあ、案内するね」
エマの案内で2人はカフェに移動する。
人気店のため行列が出来ており、学校での出来事などを話しながら2人は並んだ。
そして、順番となり、ようやく席に着く。
「行列に付き合わせてごめんね」
「ううん、大丈夫だよ。これだけ人気店なら食べるのが楽しみだね」
2人はお店1番人気のパンケーキと飲み物を注文する。
やがて目当てのパンケーキがやって来るとエマの目が輝いた。
美味しそうにパンケーキを食べるエマを見て、エクトルも嬉しくなる。
パンケーキを堪能した後、飲み物を飲みながらエクトルは本題を切り出した。
「相談っていうのは卒業後の首都の学校への進学のことなんだけど、ジョエル様が1人で不安なら誰かもう1人誘ってくれてもいいって言って下さったんだ。そこで勉強熱心なエマの顔が浮かんで声を掛けようと思ったんだけど、どうかな?」
まさか首都への進学に誘われると思っていなかったエマは、この話を聞いて驚いた表情となる。
その後、伏し目がちになってしばらく悩んだ後に返事をした。
「……うーん、誘ってくれるのは嬉しいけど、私よりも他に良い人がいると思う」
歯切れの悪い返事を聞き、諦めきれないエクトルは説得を試みる。
「そんな事ないよ。エマさんは真面目だし、成績優秀だから首都の学校でもやっていけると思う」
そう言われるが、エマの心内は決まっているため、返事は変わらない。
「私が勉強を頑張っているのは家族の役に立ちたいからなんだ。学校で学んだことを生かして家の牧場の手伝いをしたいし、弟や妹達のお世話もあるからここを離れるのはちょっと難しいかな……」
そう言われるとエクトルは引き下がるしかない。
「エマさんは家族思いで優しいね。急に誘ってごめんね。返事を聞かせてくれてありがとう」
「ううん、私こそ役に立てなくてごめんね」
そんな事ないとエクトルは首を振って、また話題を世間話に戻した。
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本当は自分の恋心も伝えるつもりだったが、首都への誘いを断られて言いにくくなったエクトルは心の中に留めた。
そして、他に誘いたい人もいなかったため、エクトルはジョエルに1人で首都へ進学する旨を伝える。
結局、卒業まで告白する勇気が持てず、エマへの恋心を胸に秘めたまま、エクトルは首都へと旅立った。
首都の学校で勉学に励んで、そして一人前になったらエマさんを迎えに来よう。
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そのためには良いところに就職出来るように頑張らないと。
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