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第3話 頼れるのは幼馴染だけ
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「で、僕のところに来たのか」
そう話すのはレイラの幼馴染のカイルである。
レイラはジェシーに見つからないようにこっそりとカイルを呼び出し、反逆計画への協力を依頼した。
最初は乗り気では無かったがレイラのしつこさに押された結果、カイルは協力を承諾する。
「はあ、仕方ないな。今回だけだぞ」
「やったー!ありがとう!」
心強い味方を手にすることが出来て喜ぶレイラに、カイルはその方法を問い掛ける。
「それでどうやってジェシーを惑わせるんだ?」
カイルから尋ねられたレイラは自信満々に反逆計画の内容を語り始めた。
「それはね、名付けて誘拐計画よ!本当に私のことを好きなら、誘拐されたと聞いて心配するはず。何でもそつなくこなすあの人が焦る姿を見てみたいわ」
ジェシーが狼狽える姿を想像してうっとりとするレイラとは対照的に、カイルは冷めた目でレイラを見つめる。
「はあ……。まあ、上手くいくと思えないが、やりたいならやってみれば。とりあえず協力はするよ」
「ありがとう!カイルがいてくれたら計画は完璧に成功出来るわ」
カイルの協力を得られた喜びで頭の中がいっぱいのレイラは、カイルの呆れた表情に気付くことは無かった。
それからレイラは何度かカイルと打ち合わせを行い、ジェシーへの反逆計画を着実に進めていく。
具体的な話も進んできた頃のある日、ジェシーと休日にデートをしていたレイラは突然、ジェシーから驚くべき言葉を掛けられる。
「最近、俺抜きでカイルと話しているな。浮気か?」
レイラはこっそりとカイルに会っているつもりであったが、勘の良いジェシーには筒抜けであった。
しかし、ここで計画がバレる訳にはいかないレイラは慌てて否定する。
「なっ、いやっ、そんな訳ないじゃない!誤解よ、誤解。カイルはただの友達でそんな関係じゃないのジェシーも知っているでしょう?」
「それは知ってる。そもそもカイルがレイラに恋愛感情を抱く訳が無いからな」
その言葉にレイラはムッとした表情をする。
確かにそうだけど、何か言い方がムカつくわ。
でも、本当にカイル自身も恋愛関係になるなんて思ってもいないの分かるから何も言えないわ。
反論したくても出来ずに悔しがるレイラを見て、ジェシーは更に追い討ちを掛ける。
「俺はお前が俺に焼き餅を焼いて欲しくてわざとやっているのかと思っただけだ。まあ、そんなんじゃ俺は嫉妬しないからカイルに迷惑かけるなよ」
「そんなんじゃないもん!」
そうレイラは口に出すが、ジェシーに相手にして貰えず、またもや頭をポンポンと叩かれた。
何でもお見通しなの悔しい。
やっぱり何としても反逆計画を成功させるしかないわね。
地団駄を踏みながらデートを終えた翌日、レイラは早速カイルのところに向かった。
そう話すのはレイラの幼馴染のカイルである。
レイラはジェシーに見つからないようにこっそりとカイルを呼び出し、反逆計画への協力を依頼した。
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「はあ、仕方ないな。今回だけだぞ」
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「はあ……。まあ、上手くいくと思えないが、やりたいならやってみれば。とりあえず協力はするよ」
「ありがとう!カイルがいてくれたら計画は完璧に成功出来るわ」
カイルの協力を得られた喜びで頭の中がいっぱいのレイラは、カイルの呆れた表情に気付くことは無かった。
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「最近、俺抜きでカイルと話しているな。浮気か?」
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「なっ、いやっ、そんな訳ないじゃない!誤解よ、誤解。カイルはただの友達でそんな関係じゃないのジェシーも知っているでしょう?」
「それは知ってる。そもそもカイルがレイラに恋愛感情を抱く訳が無いからな」
その言葉にレイラはムッとした表情をする。
確かにそうだけど、何か言い方がムカつくわ。
でも、本当にカイル自身も恋愛関係になるなんて思ってもいないの分かるから何も言えないわ。
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「俺はお前が俺に焼き餅を焼いて欲しくてわざとやっているのかと思っただけだ。まあ、そんなんじゃ俺は嫉妬しないからカイルに迷惑かけるなよ」
「そんなんじゃないもん!」
そうレイラは口に出すが、ジェシーに相手にして貰えず、またもや頭をポンポンと叩かれた。
何でもお見通しなの悔しい。
やっぱり何としても反逆計画を成功させるしかないわね。
地団駄を踏みながらデートを終えた翌日、レイラは早速カイルのところに向かった。
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