余命2ヶ月の俺の青春

希望

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旅行計画

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病院を見渡して、ここ美少女率高くねと思いながら、自分の病室に向かった。やがて自分の病室に着くと、ねるが駆け寄ってきた。

「頭から血流してたけど、どこも異常なかった?!」

「なかったぞ。3日で退院できるみたいだからな」

よかったよ。残りの人生病室でなくて。まぁ何回も言っているが、なにかあったとしても助けたことに後悔はない。それだけねるは俺にとって、特別な存在だからだ。

「それならよかった」

「そうだな、それで旅行にそろそろ行こうと思うんだが、どこか行きたい場所はあるか?」

体の自由がきくうちに旅行に行きたい。今回みたいな不足の自体が起きるとなにもせずに死んじゃうからな。思いでも残さないで死ぬのは死んでも死にきれない。

「うーん京都かな?私中学のときに修学旅行に行けなかったから」

まぁそんだけ切羽詰まっていたことだろう。俺が死んだ後はやりたいことをやってほしい。だからある程度のお金は渡せるように契約をしておかないとな。

「京都かそこならうちの所有のアパートがあるからちょうどいいな」

「京都にもあるんだね。やっぱり結月くんの家って、すごい資産家だよね」

「元々家が明治時代にかなりの資産を築いて、土地を買い漁ったらしいからな。それでそれなりに資産は持っているが、両親は普通の社畜だったから、そこまでお金持ちのような生活はしてなかったがな」

俺が今散財してるのも、もう少しで死ぬからだしな。いきれるんだったら貯蓄に回して、小金持ちぐらいのお金しか使わないだろうしな。

「そうなんだ。今結構使ってるから、前からそうなんだと思っていたよ。今使ってくれるから、今まで体験したことないような生活を送れてるんだけど」

まぁそう感じるのも無理ないか。こんなに散財してるやつなんて、お金持ちぐらいだろうし。俺は貯蓄はそれなりにあるから、2ヶ月散財したところで、大したことはないが。

「まぁとりあえず金額のことは気にしないで行きたいところ行こうぜ」

「結月くんがそう言うなら、そうしようかな。それで結月くんって京都どんくらい行ったことがあるの?」

「そんなに行ってないな。どっちかというと九州とか、北海道の方が多かったし。京都は親戚に会いに行ったくらいだな」

本家が京都にあるしな。うちは分家だけど。本家は一応京都政治家の家系だ。お金は持ってないが、一応平安時代から続く貴族の家系だ。まぁ明治時代から、平民になったが。あのときはそこまで権力を持っていなかったからな。


「そうなんだ。てっきりアパートを持っているなら、頻繁に行ってると思っていたよ」

「アパートやマンションは全国に持っているから、両親が時々に飛行機でチェックしに行くぐらいだぞ。まぁ京都はやっぱり和食の店が思い出に残っているな」

あそこの娘は確か京大に進んだよな。めちゃくちゃ頭よくて、東大にもいけるみたいなことを言われていたらしいが、親の店を手伝っていつか継ぎたいと言っていたから、独り暮らしはしないって言っていたな。

「和食かーそこの店行きたいな」

「いいぞ、それで後はどこに行きたい?」

「やっぱり二条城かな。それと金閣寺とか、稲荷神社とかかな。奈良とかも行きたいけど、大丈夫?」

「大丈夫だぞ。京都にはアパートが二つあって、一つは奈良寄りだからな」

ちなみに俺の持っている資産は土地もある。まぁ田舎の方だから、そこまで資産価値はないが。

「本当にすごい資産かなんだね」

「祖父母がすごいだけで、俺は大したことないがな」

実際俺は管理するだけだし、後はマンション建てたいという人の話を聞いて建てるかどうか判断するだけだ。実際にすごいのは資産を築いた人達だ。

「でも増え続けてるんでしょ?」

「まぁそうだが、コツさえつかめれば、増やすことはそんなに難しいことじゃないぞ。投資と一緒だ。ある程度まで知識があればそんなに大変じゃない」

これからも増やし続けたかったが、もうそれは叶わないから、せめて冬優花に資産が結構な額いくように調製をしておかないといけない。

「そうかもしれないね。何より本人が言っているんだから。でも結月くんは結月くんが思ってるよりも優秀だよ」

俺が優秀だったら、東大生はもっと優秀で、天才に近いってことになるんだが。現実的に東大生で優秀なのは3割くらいだろう。後は勉強に得意分野が、重なっていたというだけだ。たから俺はそこまで優秀じゃない。

「そんなに優秀じゃないと思うが、他に行きたいところはあるか?」

「法隆寺と東大寺に行きたいな」

「それじゃそこもいれるか。それと飛鳥寺もいいな」

互いに行きたい場所を言い合って、予定を詰めていった。ねるは嬉しそうな笑みを浮かべている。この笑みのためなら、いくらでもお金をだそう。

会話をしていると、あっという間に面会時間の終わりが来たので、ねるは家に帰っていた。帰るときに式神の式符を渡した。これで何かあったら、連絡は俺に行くし、襲われても、ねるを引き離すぐらいはできるだろう。

「それじゃ小説でも書くか」

俺は携帯を開き小説を書き始めた。今の思い出を書き連ねていた。これがいつの日にか、いろんな人の目に触れ、感動を与えることを願いながら。そして、俺の人生は意味があったものだと、示すためにも。

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