余命2ヶ月の俺の青春

希望

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帰り

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俺達はつけ麺が来たので、いただきますと言って、食べ始めた。濃厚な魚介のスープがコシのある麺と絡み合って美味しい。この味を死ぬ前に味わえなきゃ死にきれない。

「美味しい!すごく美味しい。ご褒美で食べるチェーン店の魚介とは全然違う。これが本物の魚介かぁー。今まで食べた麺関係で一番美味しいよ」

ねるはそう言いながら、麺をすすって食べていく。気に入ってもらえたようでよかったよ。まぁこのつけ麺を不味いという方が珍しく、言っていたら、舌が狂ってるんじゃないかと思うわ。それくらい美味しいのだ。

それからあっという間に食べ終わり、ねるは満足げな様子だった。松戸はこれで終わりするか、また来るし、電車がなくなりかねないし。

「それじゃ行くか」

「うん、ここのつけ麺美味しすぎだよ。これでこの値段はコスパいいね」
 
「まぁラーメンとかってそいうものだしな」

不味いところはこの値段でこれかよと、思うときもあるが。当たり外れが激しいんだよなラーメン屋って。

俺達は松戸駅に着くと、電車に乗った。本と首都圏の電車って便利だよな。田舎だと駅から駅まで遠いし、電車も全然来ないから、車が必至というのも分からなくもないな。

「これからも行きたいなぁー。美味しいラーメン屋に連れていってね」

どうやらねるはラーメンにはまったらしい。俺の好きなものを好きになってもらえるのは嬉しいな。

「館山周辺で探してみるわ」

あまり遠すぎるのは勘弁だが。暑いから、歩きたくない。それにいつぶっ倒れる変わらないからな。こんな暑い中歩いていると。

「お願いね。それにしても柏とか松戸とかって結構色々あるんだね」

「まぁ出掛けるときは、お金持っている人達は都内にでるがな。近いし」

柏は周辺住民が来るが、松戸はゲーセンとアトレとキテミテマツドぐらいしかないから、周辺住民はおろか、マツドに住んでいる人でさえ休日はあまりいない。まぁ住宅地ばっかしで、なにもないからな。

そして話しながら、乗り換えたりしてると、だんだん田んぼの風景になり、最寄り駅が近くなっているのを感じた。この田舎の風景もお気に入りの一つだ。変わり映えしないが、それでも自然の豊かさを感じて好きだ。まぁずっとここに住んでいる人は都会のビルばっかしの風景に、憧れているんだろうが。まぁとなりの芝生は青く見える的なやつだな。

「もう少しで着くね」

「そうだな、この風景を見ると、帰ってきた感があるな」

「そんなに早くホーム感を感じてくれて、嬉しいな」
 
ねるは地元を気に入ってくれたことを嬉しそうに微笑みながら、言った。まぁここに愛着を持ってる人からしたら、ここを気に入っているって言ってもらえたら、嬉しいか。

「元々自然が好きだからな。よく旅行で、観光スポットも行くが、マイナーなところとかも行くしな。最後の青春を過ごす場所として、ここは中々いいからな」

田舎は都会に比べれば不便だが、自然が豊かで、空気が綺麗で、オアシスのように感じる。やっぱり京都じゃなくて、ここに来て正解だったな。京都だと、観光スポットだから、人多
いから、ゆっくりと過ごせないし。それと館山に来なきゃねるとゆっくり過ごせなかったしな。

「そうなんだね。今度旅行に行ったときおすすめの場所に行こう」

「そうだな、おすすめのスポットでも行くか。ひとり旅ではなくて、ねると行けるのは嬉しいな」

俺の青春はまだ始まったばっかりだ。まぁ二ヶ月後には終わりを告げるんだけど。それでも最後まで俺は青春をする。

そんなこんなしてると、館山に着き、電車を降りた。相変わらず暗いな。柏とか松戸だとまだこの時間帯は人が多いが、田舎とはいえ、こんな暗いところに女子一人は危ないな。るなもとかはお手伝いで、店で働いているから、家まで両親が送ってくれるはずだから、一人でってことはないだろうが、ねるは一人で帰ってるから、心配だ。只でさえ、この前ヤクザに絡まれたばっかしだからな。その復讐のために何かやってきたら、ヤバイよな。

「ねるこれから俺がバイト帰り向かいに行こうか?」

「大丈夫だよー。今まで一人で帰っていたんだから、そこまでお手を煩わせるわけにはいかないよ」

「それならいいが、ヤバイことに巻き込まれたら、電話しろよ。どっからでも駆けつけてやる」

一応GPSは調べられるように設定してあるぽいから、連れ去れた場所は把握できる。仕事上勘違いしてた奴がでても助けに行けるようにだろうね。

「ふふありがとう。まぁ最新の注意はしておくよ」

「それならいいわ。あんまり迷惑かけるとか、考えるなよ。俺はねるがそれで傷ついた方が辛いんだからな」 

ねるが誰かに傷つけられると思うと、そいつを滅したくなる。それくらいねるは俺にとって大切なんだ。魅力的で、可愛く、優しい。だからねるは誰にも傷つけさせない。

「分かったよ。無茶はしないよ」

そんなことを話していると、家に着いた。

「それじゃまた明日ね」

「ああ、また明日」

そう言うと、ねるは自分の部屋に入った。俺も帰ろうと思い、自分の部屋に入った。
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