余命2ヶ月の俺の青春

希望

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店員に感謝されデートに誘われるが断る

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 男はもがいていたが指一本動かせず、焦ってる様子だった。このまんまだと捕まるだけだからな。店員を盾にするのが悪い。そんな姑息なことしなければ、すぐに盗み出すこともできただろう。俺は正義の味方じゃないから、強盗が入ろうと、知らんぷりするからな。だが傷つく可能性がある人がいるなら別だ。どんな手を使っても助け出す。じゃないとあとで後悔で、蝕まれるからな。

 そんなことを考えていると警察が来た。やっぱり早いな。イオンの中を常にパトロールしてるんだろう。娯楽は少ないし、ショッピングモールは問題が起こりやすいからな。

 「そこの動けてない人が強盗ですか?」

 警察官がそう訪ねてくる。俺はそうですと言うと、警察官は男に触る。

 「ふむ、呪術を使ったね。まぁ今回ははとを助けるために使ったから、法律で罰したりはしないです。これも僕が何があったかは隠しておきます」

 「それは助かります。陰陽師の免許を持った人じゃないので」

 「免許持ってないで、このでき師匠が優秀で、貴方自身も相当優秀だね」

 「あいつに比べれば全然ですよ。それより早くそいつを警察署に送ってください」

 「そうですね、それではこれで失礼します。ご協力感謝いたします」

 そう言って警察官は男を引きずりながら、パトカーに乗せて去っていた。それじゃ料理を食べるか。ほどなくして、他の料理も運ばれてきた。さっきの店員さんが持ってきて。

 「あのーさっきはありがとうございました」

 「さすがに目の前で撃たれるのは嫌だからね。たまたま動けるのが俺だっただけで、感謝されるほどのことじゃないぞ」

 どうにかできなきゃ動かなかった可能性もある。回りが動けなかったのはどうにもできなかったからだろう。どうにかできれば誰でも動ける。

 「いえ、それでもありがとうございます。あのときは死を覚悟しました。命の恩人です。あ、私桜木唯衣といいます」

 いきなり自己紹介し始めたんだが、これはなにかあるのかね?まぁ俺も名前を名乗っても特に問題はないから、名乗るが。

 「俺は近衛結月だ。多分同級生だと思うから、敬語はいらないぞ」

 霊気から、およその年齢は分かるからな。俺と同じような年齢の霊気だから、一個上か、同級生だろう。

 「分かったよ。改めてありがとね。今度お礼したいから、どっか行かない?」

 これはデート誘いか?だが今の俺はねると青春を送ることに決めてるから、断らせてもらおう。ねるもあまりいい気分にはならないだろ。一緒にいる男が他の女子と仲がいいのは。それに俺はもう少しで死ぬ。仲がいい人を増やして無駄に悲しませたくない。

 「一緒に出掛けるのはできない。彼女がいるからな」

 ここは嘘をつかせてもらおう。こう言えば退くだろう。誰しも付き合っている人がいると分かれば退くはずだ。もしバレたら不倫に当たるからな。

 「そっかーそれは無理だね。それなら私のライブに来てよ」

 「そのくらいならいいが、アイドルなんだな」

 確かに普通と違うオーラは纏っていたが。るなもほどではなかった。美人とか綺麗とかそっち系だから、どっちかというとモデルに近いと思っていたからな。

 「そうだよー。それじゃこれチケットね。それで私のことはゆいぽんと呼んでね。それじゃん私は仕事に戻るね」

 そう言って、ゆいぽんは仕事に戻った。チケットは一枚か、ねる分のチケットは俺が買えばいいか。

俺はそれから食事を楽しんだ。この安さでチェーン店でこのクオリティはさすが千葉の誇るサイゼだ。安定の美味しさだ。

俺は会計をして店をでると、本屋に向かった。今は昼頃である。本買った後は料理の材料でも買うかね。ねるの手料理は楽しみだ。きっと美味しいに違いない。

回りからはヒソヒソと話し声が聞こえるが、まぁあれだろ。にやにやしていて気持ち悪いとかだろ。俺は楽しみに思うと、にやついちゃう癖があるから、今更気にしたりしない。隣に誰かがいるときは制御できるしな。

そんなこんなしながら歩いていると、本屋に着いた。なにを買おうかね。行動学の本に興味が湧くな。後はラノベかな。

本屋に入ると、本の匂いに興奮する。新品の本の匂いはやっぱり最高だ。俺はそれから心理学コーナに行って行動心理学の本を探した。ここはとり揃えがいいな。この辺に本屋は少ないから、貴重だ。今じゃ首都圏でも本屋はつぶれているからな。家の近くの本屋もつぶれていたし。

どれかいいか探していると、よさげな本を見つけた。京から使える行動心理学という本だ。これなら、相手の心理を分かりやすく解説されているから、分かりやすいだろう。これにしよう。それからも心理学コーナでいくつかの本を籠に入れた。

それじゃ次はラノベコーナでも行くか。そして少し歩いて、ラノベコーナに着いた。お、東京レイヴンズの新刊がでているな。これは買おうか。

「んーやっぱりどれも同じような内容のラノベだな。これじゃいつかラノベ業界が衰退してもおかしくないぞ」

するとあるラノベが目に入った。俺が好きなのはお前だけかよか、珍しいラノベのタイトルだ。これなら斬新な内容ぽくて楽しめそうだ。ファンタジーはどれも同じ内容だし、ラブコメも似たようなのが増えたから、この本には期待してみよう。

俺はこの本を籠にいれて、会計をした。
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