余命2ヶ月の俺の青春

希望

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プリクラとはドキドキするものである

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 これ友達モードだよね?なんで友達同士が頬をくっつけるんだよ。女子ってそいうの普通なの?よく抱きついていたりするから普通なのか。

 ねるはなんの疑いもなく俺の頬にくっついた。少し顔が赤い気もするが。恥ずかしいが、これが普通だと思っているから、何も疑いもせずやっているんだな。。異性同士だとどうしても気になってしまうんだが。

 「ねる嫌ならやんなくていいからな?」

 「いやじゃないよー。それにプリクラ機の指示にしたがった方がいいの撮れんるでしょ。友達が言っていたよ」

 それ異性じゃなかったらな。俺は男だぞ。そんなことされたら勘違いしちゃうよ?今までたくさんの男がねるの距離感で告白して振られたんだろうな。

 「ねるがいいなら、それでいいが」

 カシャッとプリクラが撮られた。次はどんな指示を出してくるか、戦々恐々である。同姓を想定してるから、かなり密着度が高いことをしてきそう。

『それじゃ次は頭をなでなでしてね!』

 それって同性同士でやることなのか?カップルがやることじゃないのか。ねるは頭を右腕に当ててきた。めっちゃいい匂いが漂ってくる。天使か。ねるはさっきあったばかりの男に頭撫でてもいいと思ってるのか?

 「ほら撫でていいよ」

 「それじゃ遠慮なく撫でさせてもらうわ」

 俺は頭をポンポンと叩いた後優しく撫でた。ねるは気持ちよさそうに目を細める。まさかここで冬優花のことを撫でてきた技術が生かされるとはな。

 その瞬間をプリクラに撮られた。次は何をしてくるのか抱きつくのは無理だぞ。もう精神状態がもたん。

『次は互いの頬に人差し指を当てて見つめ合いましょう』

 今回はちょっと落ち着いたものだな。これくらいなら、特に恥ずかしがらず普通にできるな。俺は人差し指をねるの頬に当てて、ニカッと微笑んだんだ。

 するとねるはアワアワとしながら、頬を真っ赤に染めた。そんなに照れることあったか? 

 「、、、、まさか近衛くんの微笑みがこんなに破壊力あったなんて、イケメンスマイルはずるいよぉー。あのときよりもかっこよくなってるし」

 ねるは頬を赤くしながらも、俺の頬に人差し指を当てた。ニコッとしながら。可愛すぎる天使かよ。やっぱり美少女のスマイルはその辺の女子を軽く凌駕する。

 互いに見つめ合いながら、いい雰囲気になったところで、プリクラを撮られた。はぁーまさかプリクラでこんなに精神力をすり減らすとは。 
 
『それじゃ次で最後だよー。ハートマークを作ろう』

 俺は最後は難易度が高くないもので、助かったと思いながらハートマークを作った。そしてねるも微笑みながらハートマークを作った。これこそラブラブマークだな。プリクラ入って、一番楽しかったわ。これからも楽しい日々を送れると思うと楽しみだ。

 やがてプリクラが撮られて、俺達は互いに笑顔を見せて見つめ合ってから、プリクラ機を出た。

 「楽しかったねー。まぁあんなに密着度が高い要求もあったのは驚いたけど」

 「女子同士か交際してる人がくることを想定してるんだろうな。だからあんなに密着度が高かったんだろ」

 「そうかもしれないね。それで落書きコーナと呼ばれるものがあるらしいけど、それってどこにあるの?」

 「あれだな」

 俺はそういって、小さなカーテンがかかったところを指差した。

 「あそこで落書きできるんだぁー。何を書こうかな」

 変なこと書かなければなに書いてもいいが、まぁねるのことだから、変なことを書かないだろう。

 「それじゃ俺はあそこのベンチで、待っているわ」

 「分かったよ。それじゃ私は書いてくるね」

 そうるんるんとした気分で、ねるは落書きコーナに行った。まぁ始めてのものは楽しく感じるよな。

 俺は飲み物を買おうと、自販機に向かった。自販機に着くと、マッカンがあった。さすが千葉の自販機、千葉ならどこでもマッカンがあるな。

 俺はお茶とマッカンを買って、自販機からベンチに戻った。ベンチに座ると、マッカンを開けてぐびぐびと飲んだ。

 「くぅーこの暴力的な甘さが堪らない」

 今は癌になったから、マッカンを制限しなくてよくなったから、いくらでも飲むことができる。ラーメンもいくらでも食べれるから、好きなだけ飲んだり食べたりしよう。 

 俺はその間インターネットを弄っていた。するとねるが笑顔で俺のとなりに座ってプリクラを渡してきた。

 「はいこれ」

そこにはハートマークが書かれていて、ずっとこの思いでは忘れないよと書いてあった。そしてもう一枚は仲良しとも書いてあった。俺もこの思いでは忘れることはないだろう。
 
「ねるに会えてよかったわ」

「私もだよ。近衛くんに会えなかったら、こんな楽しいことも知ることができなかったしね」

「これからも思い出を作っていこうな」
 
そして死ぬとき悪くなかった人生だったと思いたい。そう思えることが俺の小説が最高傑作になる方法でもある。
 
「うんそうだね。一緒に青春をしようね」
 
弾けるような笑顔で、ねるは言った。やっぱりねるほどの美少女はひかるぐらいしかいないな。そう思いながら、俺はそうだなと言って歯を見せた。いつかこの青春が後生に残るといいね。


 



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