余命２ヶ月の俺の青春

最後の手料理に満足してくれて、最後の挨拶をする

相変わらずここは蔵書が多いな。田舎に行ったら、こんなにないだろうから、今のうちに気に入ったの買っていくか。どのみち引っ越しやさんが運んでくれるんだし。

俺は好きなラノベを完結してるものから、ピックアップして選んだあと、普通の小説も買った。いつもより結構多く買ったな。まぁ最後だしな。お金はあり余ってるから問題ないだろう。

俺はキテミテマツドをでたあと、そろそろ引っ越しやさんが段ボールを持ってくる時間だなと思い、家に帰ることにした。

電車に乗り南柏まで行き、そこからバスに乗って、家に着いた。すると扉を開けようとするときに、ちょうど引っ越しやさんが来ていた。もう少し遅かったら、ヤバかったな。冬優花がいるときに来ちゃうところだったからな。

俺は大量の段ボールを受けとり、そのなかに好きな本などひかるのグッツなどや服をいれた。ひかるがアイドルやっている姿は好きだからな。

｢ただいまー｣

冬優花が帰ってきたようだ。たまには俺が夕食を作るか。俺はしょうが焼きとモヤシ炒めを作ることにした。

俺はキッチンに立つと、料理をし始めた。

｢珍しいねー。お兄ちゃんが料理するの｣

｢たまには料理もいいなと思っただけだ｣

俺の作った料理の味を忘れてほしくないからな。そんなに美味しい料理は作れないけど。お兄ちゃん美味しいと言って笑顔になりながら食べいたら、そりゃ作りたくもなるだろう。

やがて簡単な料理なので、すぐに作り終わった。そして皿につぎテーブルの上に置く。冬優花は俺の料理をみて目を輝かせている。そんなに美味しくはないと思うが。俺は席に着き手を合わせた。

『いただきます』

そう言って、二人で食べ始めた。すると冬優花がほっぺに手を当てて、んーといいながら満面の笑みを見せる。その笑みをもう見れないとと思うと、寂しくなる。

｢やっぱり美味しい。お兄ちゃんの料理、店にでていてもおかしくないよ。将来店でも開いたら｣

俺にもう将来ははもうないんだよと口がでそうになったが、何とか詰ぐむ。いつぼろがでてもおかしくないな。それだけショックを受けたんだろうな。どうやら俺はまだ仕方ないと思ってないらしい。

｢やだよ、何で働かなきゃいけないんだよ。小説で稼いでいるからそれでいいだろ。それに店を出すほどのレベルじゃない｣

｢お兄ちゃんのしょうが焼きと味噌汁はそこら辺の店よりも美味しいんだけど｣

過大評価だろ。個人店で、美味しい店はもっとある。だがその舌を否定するつもりはない。味の好みは人それぞれだからな。　

｢まぁ人それぞれだからな。それと冬優花夢を実現しろよ。アイドルになったらいつまでも応援してるからな。がむしゃらに努力をし続けろ。そうすれば道は開ける｣

これが俺が面と向かって言える最後の言葉だ。これからは困難に合うこともあるだろう。だが諦めないで、最後までやり通してほしい。そうすれば運はあっちからよってくる。

｢何かもう会えないみたいないい方だけど、私の前からいなくならないよね？もう一人は嫌だよ｣

｢俺はいつまでも冬優花を見続けるぞ｣

天でな。冬優花が活躍して、俺は神様にこんなにアイドルとして、活躍してるんだぞと自慢をする。

｢うんそうだよね、それじゃ私はトップアイドルになれるように頑張る｣

それから食べ終わり、冬優花が皿を洗うと言ったので、任せて、俺は明日でる準備を整えた。この家とも明日で最後か。楽しい思い出も辛い思い出もあったな。だがそれを俺はこの家とひかると冬優花共に乗り越えてきた。愛着があるのは確かだろう。父さん母さんこんな家を残してくれてありがとう。

俺は少し目頭が熱くなった。やはり俺は家族が家が好きなようだ。だがでなきゃいけないから、素早く準備を整えて、夜中ごろに整理は終わった。あとは明日引っ越しやさんが来るのを待つだけだ。

そして俺は最後のこのベットで寝た。

俺は朝日の日差しで起きると、朝食を取っている、冬優花にでくわした。

｢おはようお兄ちゃん｣

｢おはよう、今日はいい天気だな。いつもと変わらずに元気でいろよ｣

｢私はいつも元気だよ。それじゃ友達と先行ってるね｣

｢あぁー、分かったよ。行ってらっしゃい｣

そう言って頭を撫でてやると冬優花は目を細めた。どうやら気持ちはよかったらしいな。しばらく撫でると満足そうに冬優花は家をでていった。それじゃいれ忘れがないか、チェックしておくか。

俺は自分の部屋に戻り段ボールにいれ忘れがないかチェックした。そしてないことを確認して、今書いている小説を完結させて、それを編集者に送った。

終わったのが１０時頃だ。引っ越しやさんが来るのが、大体十二時頃だ。それまで何をするかね。引っ越し先に何があるかチェックでもするかね。

俺はしばらくネットで近くに何があるか調べていた。そしたら、ラーメン屋がいくつかでてきたので、夜はそこで食べようと思い、名前をチェックした。

少し早い昼にするか。出前でも食べるかね。俺は出前でピザを頼んだ。そしてピザ屋さんが来るまで、ユニゾンエアーをやっていた。