余命２ヶ月の俺の青春

病気が発覚する

　俺はいつも通り授業を受けていた。だが無性に胃が痛む。だが周りを見ても、俺を気にするやつはいない。俺は妹違って、幼馴染みを除いて、ほぼぼっちだからな。その幼馴染みも１つ下の学年だから、俺を気にするやつはいない。むしろ俺は幼馴染みが有名なアイドルなお陰で、仲がいいことにむしろ疎まれている。つまり俺は邪魔物だったてことだ。そんなやつが体調悪そうでも気にするやつなんていないだろう。それに病院に行けば胃潰瘍で、薬をもらってすぐに直るんだから、気にするまでもない。だがこのときの俺は知らなかった、まさかこの胃痛が人生のターニングポイントになることを。

　何とか耐えながら、俺は放課後を向かえた。するとひかるがこっちを心配そうにしながらやってきた。

　｢大丈夫ですか？何か顔色悪いですよ｣

　｢問題ないぞ。まぁちょっと体調悪いのは確かだから、病院には行くが｣

　｢付いていきましょうか？荷物を持つのも辛いでしょ｣

　｢いや大丈夫だ。冬優花が騒ぎそうだから、そっちをどうにかしてくれ｣

　両親が亡くなってから、少し具合が悪いだけでも冬優花は騒ぎ立てるようになったからな。まぁ気持ちは分からんでもないけど。まぁ胃潰瘍とかよくある病気だろうけどな。

　｢分かりました。冬優花ちゃんはこちらで抑えておきます。それではお大事に｣

　そう言ってクラスをでていった。クラスメイトからの刺すような視線が痛いが。有名人も辛いものだぜ。

　｢くっこりゃ結構痛いな｣

　早く病院に行って、薬をもらおう。そうすればこの痛みとはおさらばだ。俺はリュックを背負って、教室をでた。

　そして近くの新松戸病院に向かった。解くにすることもなく適当携帯をいじりながら、ひかるの歌っている動画をみていた。よく振り付け覚えられるよな。アイドルやってるやつって記憶力がいいのかね。

　そしてしばらく経ち新松戸病院に着いた。受付をして、ソファーに座っていた。キリキリするような痛みだ。ソファーに座ってるだけでもしんどい。まぁ救急車を呼ぶほどではないが。

　そして順番が回ってきて、俺は病室に入り検査を行う。なぜか一回検査をしたが、より詳しく知りたいのか、そのあと詳細な検査をした。そしてソファー座って呼ばれるのを待っていた。胃痛によって俺は顔をしかめていた。

何と気を紛らわすために、俺はユニゾンエアーをやっていた。すると段々集中力が増していき、痛みが気にならなくなった。そして何分経ったか、分からないが、放送で呼ばれたの診察室に入った。

そこには沈痛な面持ちを
した医者がいた。なにか重大のことでも見つかったのだろうか。

｢近衛さん心して聞いてください｣

やっぱりなにか見つかったようだ。まぁさすがに入院になっても１週間やそこらだろう。多分珍しい病気なんだろうな。

｢近衛さんは胃癌です。余命２ヶ月です｣

癌だと。しかも余命２ヶ月ってそんなに進行していたのか。痛みは最近でてきたんたが。俺は現実を受け止められなくて、ははと乾いた笑いが溢れた。

｢癌ですか。何の冗談ですか？｣

｢これが現実です。受け止めるのは難しいと思いますが、受け止めてください｣

俺はまだ高校生だぞ。しかも両親はいなくて、冬優花が一人なってしまう。俺まで死んだら、あいつは家族を全員なくしてしまう。

｢何か治す方法とかはないんですか？｣

｢ここまで進行してると、厳しいです。それでどうしますか？治療をしますか、それとも自宅療養をしますか｣

これを言ったら、冬優花を悲しませるだけだよな。それにひかるだって、ショックを受けるだろう。それなら、俺は遠いところでひっそり死ぬか。２ヶ月姿を見せないで、死ねばダメージは少ないだろう。あそこのアパートに住むか。あそこは誰も知らないはずだ。

｢千葉の田舎のほうで、療養します｣

｢引っ越すのですか？もしかして両親はいないんですか？｣

｢ええいません、妹はいますが、ショックを少なくするためにも、弱っていく姿を見せないようにするためにも、一人でひっそりと暮らします｣

｢そうですか、住所を教えてください。病院を紹介しますので｣

｢ここです｣

俺はこれから住むアパート住所を教えた。そしたら、田舎の大病院を紹介されてそこに通うことなった。

｢それでは薬を出しておきますが、毎日飲んでくださいね｣

｢はい、それではまたいつの日か会いましょう｣

俺は診察室をでると、壁に背中を預けて、がっくりとした。まさか胃癌だとはな。これなら糖尿病のほうがまだ現実味があったな。まずは高校を辞めるか。そして旅立つ前に母さんと父さんの墓参りでも最後にするか。

俺はお金を支払い、病院をでて、痛み止めを飲んで、俺はお墓がある満満寺に向かった。

痛み止めを飲むと、痛みは和らいだ。さすが薬だな。効き目が抜群だ。歩いていても痛くない。まぁスポーツはできないけどな。それにしても２ヶ月か、最後の作品の構想を練らないとな。そして印税は冬優花に入るようにしないとな。かなり売れるような小説を書くか。最後だし、どいうテーマで書こうか。そんなことを考えていると、お墓に着いた。