青春代行

希望

文字の大きさ
上 下
4 / 4

リア充の好みは分からん

しおりを挟む
びしょ濡れの状態でアトラクションから降りた。こんなになるなら着替えをもってくるべきだった。リア充はこんなものをのって青春してるのか。真似できないな。

「楽しかったね」

「うぇ俺はもう乗らなくていいや」

ていうか替えの服って言っても制服じゃないじゃん。まぁそのうち乾くか。今回のことて俺はリア充にはなれないことを知った。

「情けないわね。まぁいいわ、今度はホンデットマンションに行きましょう」

あの幽霊が宴をしている場所か。あそこは本物かでると噂なんだよなぁー。まぁ本物なんてもう何回も見てきたし、問題ないんだが。

「分かった。あそこは高いところから落ちたりしないよな?」

「落ちないわ。それにゆっくりと乗り物も進むわ」

それならゆっくりできそうだし。吐き気も少しは収まるだろう。だが奏の顔色が少し悪そうだ。もしかして怖いのか。まぁ呪術の類いを使えなきゃ幽霊は見えると着いてくるしな。

「ねぇ本当にあそこに行くの?あそこ本物のもいるよ」

「奏は見える体質なのかしら?」

「うん、別に幽霊の被害にはあったことないけど、交通事故や自殺した幽霊はグシャグシャでトラウマなんだー。だから私はアイマスクつけさせてもらうね」

たしかに事故系で死んだ幽霊はグロいよな。幽霊は死んだまんまの状態だからな。まぁ俺は慣れたけど。祓う幽霊はそいう系多いし。

俺たちはホンデットマンションに着いた。たしかに恨みを持ったり、名瀬ここにいるのか分からない戸惑いを持った幽霊がいるな。これを知ってるってことは奏は何回かここに来たことがあるのか。まぁリア充なら吊り橋効果で落とそうとするから当たり前か。

「やっぱり結構いるね。前より増えているよ」

「結構離れているけど分かるのかしら?呪われたりしないわよね?」

見えない奴なら問題ないだろう。なにか相手の怒りを買わない限り。見える奴には着いてきたりするが、助けを求めて。

「大丈夫だよ。悪霊はいるけど、そこまで強くないし、何かをしなきゃ着いてこないから。まぁ事故系は見たくないけど」

俺の場合は無理矢理にでも慣れなきゃいけなかったが、普通のやつは慣れないよな。いろんなバリエーションがあるし。

俺達は列に並ぶと、奏は段々進むにつれ暗くなる。グロいのを見たんだろう。俺にも見えるし。

「アイマスクもうしたらどうだ?」

「うんそうするね。手を握ってもらってもいいかな?」

まさかここで初めて意識し手を握ってもらうときがくるとは。それだけみたくないものを感じたんだろうな。それにしても初めてがこんな美少女だとは。人生何があるか分からないな。

「お安いご用だ」

そして俺は手を繋いだ。柔らかいし、すべすべしている。これが女子の手か。ヤバイな、思わずニギニギしちゃいそうだ。もう手を洗えないかもな。そんなことを思っていると鞄からアイマスクをだしてつけた。

そしてしばらく進むと俺達の番になった。渚はワクワクした感じだ。あれか心霊スポットとか青春とか言っていっちゃうタイプか?

奏は目が見えないから分からないが、霊気を見ると平常心でいるから大丈夫だろう。俺達は乗り物に乗り、出発した。

奏はアイマスクをしながらも幽霊を感じているのだろう。いや司会を遮られてる分余計に感じるのだろう。周りをキョロキョロしないでずっと正面を向いている。俺の視界にはたくさんの幽霊がいる。思ったよりも多いな。

やっぱりこいう系のアトラクションだから幽霊も集まりやすいのか。そんなことを考えていると、お化け達がパレードするところまで来た。

するとぐちゃぐちゃになった幽霊がキョロキョロしている。あれは見ちゃダメな奴だ。俺は咄嗟に視線をはずしてできるだけ見ないようにする。あれは死んだことに気づいてないな。

奏がここで見たことある幽霊はあれだろうな。そりゃ見たくもなくなりますわ。俺だって見たなかであれは上位にはいるほどグロい。

他には親子の幽霊が楽しそうに踊っている。あれは死後を楽しんでいるな。冥界からやってきたんだろうな。カップルの幽霊もいるな。泣き叫んでいるのもいる。断末魔をあげているのもいる。マジでいろんな幽霊がいるんだな。そんなことを観察していると、ホンデットマンションは終わった。

そして乗り物から降りると、奏はふぅーと息を吐いた。まぁ見えなくても感じるから疲れるだろうな。

「思ってたよりいっぱいいたよ。前よりも増えていたし」

「私は全く見えなかったわ」

残念そうに頭を下げている。あんなの見えないほうがいいぞ。見えたら対抗手段を身に付けなきゃいけないし。

「俺にも見えたな。あれはさすがそれ系なだけあってたくさんいたな」

「覚醒したの?うちの本家や分家でもこの年で覚醒することはよくあるし」

奏って俺達の陰陽師と同じ家系なのか?それなら対抗手段も持っているはずだが継がないから祓うことはしてないのか。

「俺は陰陽師系の家系だぞ。まぁそんなに名門じゃないが。両親も普通に働いていたし」

それに死が近づいているからかより鮮明に見えるようになった気がするんだよな。まぁこれは言わなくていいか。心配をかけるだけだし。それにしても少し酔った。地場が安定していなかったからな。まぁそれが幽霊がたくさんいる原因だが。心霊スポットも案て押してないがここまで安定してないのはあまりない。



しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...