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いいなぁ森田は長濱さんに優遇されて

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 「なんで知ってるんだっていう顔してるけど、数学の先生がわざわざ私のことを職員室に呼んで、勉強させてくれって言ったんだよ」 

 数学の先生が言ったのか。わざわざ呼ぶってそんなに危ないのか?長濱さんと勉強できるかもしれないし、教えてもらうか。数学は長濱さんは前回のテストで満点取っていたはずだし。森田に教えてるくらいだから、教えるのにもなれているだろうから、教えるのはうまいはずだ。

 「分かった勉強するわ」

 「お願いね。そろそろ時間だし行くね」

 「ああ、最後にひとつ聞かなきゃいけないことがあるんだが」 

 梨香はなに?と言いながら、こてんと首をかしげた。それ可愛いな。あざといが。まぁ梨香の場合は天然なんだけど。

 「一緒に勉強するの男じゃないよな?」
 
 俺は声を震わせながら聞いたりすると梨香ははぁーと呆れた風にため息を吐いた。ため息はひどくないか。兄として妹が異性と仲がいいなら、そいつらを処させければならない。俺は梨香に近づく虫は祓いのけるっていう同盟を父さんと結んでいるんだ。梨香がすごく好きな人なら手をださないて、周辺調査だけにするが。ちなみに俺は梨香が好きだ。ライク的な意味で。

 「はぁーお兄ちゃんシスコン過ぎるでしょ」

 「何を言ってるんだ。妹が好きなだけだ」

 「それを世間ではシスコンって言うんだよ。後勉強するの女の子だから、大丈夫だよ。好きな男の子はいないし」

 ふぅーそれなら良かったわ。男だったらアピールをするために、勉強の邪魔をになる可能性もある。すると学年上位の梨香の成績が落ちる可能性がある。それだと梨香のお小遣いが少しカットされて、友達と遊べなくなってしまう。梨香には高校生活を楽しんでほしいから、それは防ぎたい。勘違いするバカもでてくるしね。

 「まぁそれならいいんだが」

 「行ってくるね」

 「行ってらっしゃい。気を付けていけよ」

 梨香はバタンとドアを閉めて、ドタドタと階段を降りた。さて、長濱さんを勉強に誘ってみるか。何て送ろうか。普通の文章で送るか。

 『勉強一緒にしないか?教えてほしいところがあるんだが』

これでいいか、送信っと。ふぅーフランス語単語帳でもやるか。うちの学校は英語ではなく、フランス語を第一外国語に選択できる。俺は英語が嫌いすぎて、フランス語を選択した。フランス語をしゃべれるとかっこいいというのもある。英語は高校受験ときは英語はかなり勉強したがな。今はかなり忘れているが。フランス語は思ったよりも難しくて、勉強する量は受験のときの英語並みに勉強してる。大体なんて名詞に男女の性があるんだよ。どうしも変形しまくるし。まぁ英語と違って読むのにルールがあるから、そこら辺は楽なんだが。それにフランス語はおとがうつけ敷く手読めるようになったりしゃべれるようになるともっと勉強しよと思うんだよな。俺は単語帳を二週したところで、スマフォを見た。

『ごめんね、今日は悟志くんに勉強を教えるの。だけど明日なら大丈夫だよ』

羨ましいわ森田が。いつも勉強教えてもらって、あいつは赤点ギリギリだから、恐らく高校受験のときも長濱さんにつきっきりで、教えてもらったんだろう。振ったのに勉強を教えてもらえるなんてずるい。まぁ振ったぐらいじゃ幼馴染みとしての絆は壊れないってことか。

『分かった日曜日一緒に勉強しよう』

俺は迷わずそう返信をした。携帯を布団の上に置いた。これで暇になったな。家でやってもいいんだが、昼を食べに行くためだけに外にでるのは億劫だし。駅まで行くか。え?駅までの方が遠いじゃないかって?そうなんだが、ついでにどっかで勉強すれば面倒じゃないだろ。いちいち帰って来る方が面倒だ。

そうと決まれば松戸まで行くか。新作の読みたい本も今日でたし。ラノベだから近くの本屋にはないしな。もちろん普通の小説も読むが。純文学は読まないがな。だってあれ物語重視じゃなくて、文章だったり思想だったりを重視してるからな。まぁ純文学はそこが面白いから、読んでいる人もいるだろうから、それを拒絶したりはしない。好きなものは人それぞれだしな。ラノベだって同じようなストーリーじゃんとか娯楽性が高すぎるからつまんないとか思っている人と同じようなもんだしな。堀辰雄さんの純文学の作品はストーリー性があって面白いけど。

それじゃ準備するか、まぁ昼食べて、勉強するだけだから、梨香みたいおしゃれする必要はないだろう。一人か、まぁそっちの方が深い思考を一人でできるから、性にあっているな。べ、別に一人で勉強するのは寂しくないんだからね。キモいな、うんやめよう。

俺は準備を終えて、階段を降りた。なにか曲を聞きながら、行こうかな。櫻坂のガラスを割れでも聞くか。この曲を聞くと、何にも縛られないで、自分の好きなことをやれという気持ちにされられる。だから将来の夢のために、勉強のやる気がでるってことだ。将来の夢は追々語るとしよう。

俺はイヤホンを携帯にぶっさして、イヤホンを耳につけて、曲を流して、歩きながら馬橋駅に向かった。
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