上 下
4 / 25

告白は失敗する。やはり俺は勘違いをし続ける

しおりを挟む
 体育館裏に着くと、俺はそわそわしていた。いつも告白するときは緊張するものである。うまくいくいかない関係なしにね。今日で彼女なし年齢に終止符が打たれそうで、喜びで打ち震えそうだ。そんなことを考えていると、桃井先輩が来た。

 「それで話って何かな?」

 「俺と付き合ってください」

 俺は頭を下げて手をだした。そしてしばらく経つが、いつまでも手を握られる感触がない。あれ?何でだ?ここで俺の予想なら、よろしくねとえがおをむ笑顔を向けられるはずなんだが。俺は恐る恐る桃井先輩を見ると、申し訳そうそれでいてやっぱりといった顔をしていた。

 「ごめんね、私近江くんが好きなんだ。もしかしたら、優しくして、私が好きかもしれないと勘違いさせちゃったかもしれないけどそいうことだから。野球頑張ってね。それじゃあね」

 桃井先輩は足早に去っていった。俺は呆然するしかなかった。また勘違いして、俺は振られたのか。またいつも通りか、なんでみんな義孝が好きなんだ。あいつはいいやつだから、否定はしないが、だからと言っていい顔したいからって、俺に他の人より優しくするのはやめろよ。モテない俺からしたら勘違いしちゃうだろ。俺はとぼとぼと部活に向かった。

 そのあと部活には出たが、集中力が欠けて、真ん中に力のない球を投げまくって、ぼこぼこに打たれた。それで家に帰ると、自炊するきにもなれず、コンビにで適当に夕食を買った。

家に帰ると手を洗い、買ってきたものを食べて、食べ終わるとごみに捨てて、ベットに横になると、悲しさと寂しさで涙がでてきた。

「なんでいつもこうなんだよ。一人くらい振り向いてくれてもいいじゃないか。くそっ好きになるたんびにこんな気持ちになるなんて。これがアニメの脇役の痛みか」

今日はなにもやる気になれず、風呂に入ったあとそのままベットに横になり寝た。

そしていつもの朝練がない日のいつも通りの時間に起きると、朝食を作り、それを食べて家をでた。寝て少しはスッキリした。完全には割りきれてないが。まぁずっと振られてきたから、すぐに切り替えられるだろうけど。

そして義孝の家のチャイムを鳴らした。ちなみに俺は自炊してる通り俺は独り暮らしをしている。義孝は妹と二人暮らしだが。義理で花怜の気持ちも分かっているから、間違いが起こったら大変だと思うが、花梨のごり押しで親が折れたらしい。そして理由を付けて、許可をした。俺が見張って間違いが起こらないようにするのが条件だ。元々学校が遠くて、独り暮らしをする予定だったから、俺の親は許可をだした。そして同じマンションに暮らすことになった。お金は小説家としてそれなりに稼いでいるし、親からもかなりの金額の仕送りをもらってるから、楽なんだけどな。

朝を作っている理由は外で買うのが面倒だからだ。昼は購買に行くだけだから、問題ないんだが。夜は帰りに材料を買うからな。わざわざ材料を買うために外に出ることはない。それに今週からテスト週間二週間前になるから、朝練はない。それ来週からはテスト週間だから、午後練も部活関係なしに休みになる。だから土日は家で過ごすことになる。

バイトも学校からは休んでほしいという指示が出るくらいだ。らまぁこれは個人の自由なんだが。実際義孝はバイトに行っているしな。花怜が使うお金のために稼いでいるらしい。妹思いのいい兄だな。俺にも妹はいるが。あいつはそもそも好きな人が別にいるから、そこまで思いいれはない。

義孝はそれほど優しい兄だから、花怜はブラコンになったんだろうが。主人公って妹に優しいから、義孝が優しいのも必然だ。

そんなことを考えていると義孝が出てきた。

「おはようなんか目元が赤いね」

「まぁその意味は駅に向かいながら話すわ」

ここで話すと長引いて遅刻しそうだしな。それに桃井先輩を待たせるのも悪いしな。後は早めに言っておかないと、義孝に気を遣われて、俺と桃井先輩の共通の話題をだして、無理矢理話をさせそうだしな。 

「分かったよ。とりあえずもう行こうか」

なにかを察したのか、義孝は花怜といちゃいちゃすることなく、すぐに花怜と行ってきますのナデナデをした。やっぱりいちゃいちゃしてたわ。あれだブラックが飲みたい。朝から失恋した相手に見せるものじゃないだろ。

それでマンションを出ると、義孝は本題を切り出してきた。

「それで大体察したが、理由は?」

「簡潔に言うと振られた。理由は言えないが」

本人の前で、好きな人がお前だからとか言えるはずないだろ。桃井先輩のためにもな。幼馴染みが自分のせいで振られた負い目を持ってほしくないしな。

「やっぱり理由はいつも取り伏せるのかい」

「これは個人のプライバシーに関することだからな」

「そうか、それで事前に言ったのは気を遣って、二人きりに会話をしてほしくないからかい?」

「まぁそいうことだな。それでまた聞きたいことはあるか?」

「ないよ。それじゃなるべく二人きりに会話させないようにするさ」

「そうしてくれ、、、、桃井先輩の幸せのためにもな。悪いな花怜俺は自分の好きな人を優先するからな」

「なにか言ったかい?」

「いやなんでもない。そろそろ駅に着くな。毎度のことかながら、振られた後は緊張するものだな」

まぁ義孝には縁のないことだろうがな。好きになったら必ず落としそうだな。むしろこいつが本気になって、落としに来るところを見たいまであるよな。

「その気持ちは分からないけど、告白してきた相手のことを気を遣う気持ちは分かるけど」

そりゃ数回とはいえ義孝は振っているし。気を遣うこもあるだろう。まぁ振られた大体女子は諦めていたが、周りに諦めが悪いと見られるのを気にしてるんだろうけど。そんなことを考えていると、駅に着いた。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件

森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。 学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。 そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

幼馴染の女の子と電気あんまをやりあう男の子の話

かめのこたろう
ライト文芸
内容は題名の通りです。 なお、ここでいう「電気あんま」は足でやる方です。 重複してます

令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました

フルーツパフェ
大衆娯楽
 とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。  曰く、全校生徒はパンツを履くこと。  生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?  史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

感情とおっぱいは大きい方が好みです ~爆乳のあの娘に特大の愛を~

楠富 つかさ
青春
 落語研究会に所属する私、武藤和珠音は寮のルームメイトに片想い中。ルームメイトはおっぱいが大きい。優しくてボディタッチにも寛容……だからこそ分からなくなる。付き合っていない私たちは、どこまで触れ合っていんだろう、と。私は思っているよ、一線超えたいって。まだ君は気づいていないみたいだけど。 世界観共有日常系百合小説、星花女子プロジェクト11弾スタート! ※表紙はAIイラストです。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

処理中です...