幽霊の君に恋をする

希望

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始まり

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俺は学校からとぼとぼいつも通りぼっちて帰っている。周りは楽しそうに笑い合いながら帰っている。別に寂しくなんかはないんだからね!
男のツンデレとかキモいな。ぼっちは高度な思考をもったやつだ。だって一人でいるということはそれだけ深く考えることができるってことだ。つまりぼっちは人間の進化系でリア充は退化をしているってことだ。

「ねぇー私のこと視えているんでしょ。構ってよー」

俺はいつも通り無視をする。こいつは幽霊だ。俺はある出来事から幽霊を嫌いになった。だが生きてる女子にはモテないのにやたら女子の幽霊には話しかけられる。俺はそれにうんざりしている。

はぁー目を合わせてしまうのが迂闊だったな。まさか教室で窓から授業を覗きこんでいるとは。窓側の俺は授業中に窓をみてたから目があった。それで視えると確信されつけ回されている。

とりあえず結界の張ってある公園に入るか。ここは昔土御門の誰かが結界を張った場所だ。だから幽霊はここには入れない。

公園に入った瞬間付きまとっていた幽霊は壁に当たったかのよう情けない声をあげてずっこけた。そして頭を押さえている。俺はそれを確認して公園のベンチに座った。

今のでお分かりかもしれないが俺は幽霊が視える家系に生まれ陰陽師である。祓えはしないがな。視えるが霊力が少なすぎてな。そして親父からは次期当主を期待されているが、俺は陰陽師として生きていくことを拒否している。だから父親の代でうちの陰陽師としての家は終わりだろう。

しかも俺は幽霊が嫌いだ。あいつらは視えると分かった瞬間に近づいてきて成仏をさせてもらえると思うからだ。無理だと分かると勝手に切れてポルターガイストを起こす。

俺は一回だけ成仏させようと力を使ったが無理で、逆恨みをされ呪われたんだ。まぁ親父が解いてくれたが。それで俺は幽霊を嫌いになった。大分前からうちの家に仕えている式神は別だが。

ということだから俺はとりあえず公園であの幽霊が飽きるまで公園にいることにした。俺はリュックから財布を取り出して、自販機で緑茶を買った。

それを飲む。ああ少し苦いがこの苦さがたまらない。やっぱ日本人に生まれて良かったとこの時は思った。

俺はベンチに戻り携帯をいじっていた。まぁネットサーフィンやって記事にたいして適当なコメントを残すだけだが。

何個か記事を読みコメントをして、ホームに戻ると、見知らぬアプリがダウンロードされていた。なんだこれ、知らないアプリだな。みた感じ出会い系か。変なサイトにアクセスでもして間違って登録でもしたか?

消すか、だけど俺はぼっちだ。これでもしかしたら彼女ができるかもしれない。俺だって彼女を作ってイチャイチャしたいという願望はある。だって思春期真っ最中の高校生だからね!

さっきはぼっちは進化系と言ったが、あれは一人でいる時間が多いからそう思っただけで彼女一人ぐらいできたところで変わりはしない。

結局このサイトを開きプロフィールを入力した。そして説明を読む。このアプリはすれ違った人と当社が勝手にマッチングをしますと書いてあった。

それじゃー自分で選べないってことじゃん。何この欠陥だらけのアプリ。出会い系アプリとして終わってンじゃん。これじゃー美少女を選べないってことだな。面食いの俺からしたらもはや意味がない。俺はこのアプリを閉じてゲームをすることにした。だがこのアプリがまさかのやつとマッチングすることをこのときの俺は知らなかった。

空が夕焼けに染まっていた。俺はその夕日をみて綺麗だなと思った。だがそろそろ幽霊が活発に動き出す時間だ。俺は帰る準備をして公園を出た。さっきの幽霊はいないようだ。やっぱり少し時間がたつと幽霊はいなくなる。あの幽霊も他のと変わらない。俺の思いを帰る幽霊は出てこないだろうと思い少しがっかりながら家に帰った。

家に帰ると式神がスッスッと着物が擦れるような音を出し出迎えてくれた。この式神こそが昔から家に仕える幽霊だ。

「お帰りなさいませ」

上品にお辞儀をしながら言った。そして俺の荷物をみて私が持ちますよと言ったが、たいした荷物じゃないので大丈夫だと伝えた。

「しかし主の世話をするのも私の役目ですよ」

「俺はそんな子供じゃありませんよ。自分のことは自分でできます」

だが斎さんは引こうとしなかったので俺は素直に荷物を渡すと、斎さんはそれを持ち俺の部屋に向かった。こんなんだといつか俺が独り暮らしをしたときに何もできなそうだ。

そんなことを思いながら俺は靴を脱ぎ自分の部屋に入った。

それにしても親父はすごいよな。あんな霊力の高い式神を複数持っているのだから、俺なんて弱い式神を一体持つだけで精一杯だからな。本当に血が繋がっているのか疑うレベル。

俺はベットに横になると本棚から小説を出し、読んでいた。ラノベはいいよな、勝手に力を授けられて、現実は力を持たずに期待されて失望される。俺はそう思いながらもラノベを読み続けた。せめて読んでいる時間くらいは現実逃避をしたいからだ。

すると襖が開いた。襖をみると綺麗に正座をした斎さんがいた。

「好紀さん主がお呼びです」

はぁーきっと幽霊を成仏させる仕事だな。俺には向いてないっていうのに親父は一週間に一回俺をつれいく。そして最初に俺に成仏をさせるのだ。大体が悪霊だ。つまり俺じゃ何もできずただ時間を稼ぐだけしかできない。

俺は斎さんに分かった準備をすると伝えた。すると斎さんは襖を閉じた。さて準備するか。あれは呪符をポーチにいれて礼装に着替えて、家を出た。



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