オタクの青春

希望

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駅のホームで中城先輩がくるのを待っていると、お待たせ-という声と共に俺に近づいてきた。

「待った?」

「いや今来たところですよ。時間はちゃんと把握してるので」
 
数分しか待ってないしな。楽しみすぎて早くでるってこともなかったし。それにしても容姿といい走り方といい魔法科高校の劣等生の中条に似ているな。目が大きいところとかそっくりだ。

「あれ今日は結菜ちゃんも一緒なんだね」

「人畜無害そうな顔して、男を落としちゃう中城先輩を警戒しないといけないですからね」

いやどっかどうみても肉食系じゃないだろう。それに中城先輩はどっちかというと家康のほうを好んでいるように思える。なんかイラつくな。くそイケメンめ。

「ん?そんなに警戒しなくても取ったりしないよ」

それを中城先輩の口から直接言われると悲しくなる。まぁ分かっていたんだけどね。

「ふぅーんまぁいいです」

納得したらしい。まぁ俺なんか狙うやつなんて結菜くらいだろう。なんで俺みたいな男を狙うかは分からないが。あれか財産があるからか?確かに俺はこれからも株で稼ぐだろうし、働かなくてすむならそっちを選ぶか。結菜ならもっとお金がある人を捕まえられそうだそうだが。

ちょうど電車が来たので俺達はそれに乗った。

「お兄ちゃんの部活に噂によると転校生が入ったらしいですが、本当ですかぁー?」

「ああ、本当だぞ。そこまで広がっているってことはあの中二病の部活の知名度も上がっているってことか」

俺もこれ以上友達はできなさそうだな。こんななぞの部活にいることを知られてるならな。彼女は諦めろってことか?いや俺は諦めんぞ。彼女を作って青春する。

「お兄ちゃんの好きな声優の声ですねー」

「ああ、そうだな。学校いくときはいつもこれを聞いてやる気を起こさせてるからな。むしろこれを聞くために学校に行ってるな」

声優の声って癒されるんだよな。二次元の声を三次元で披露してまるで現実に二次元のヒロインがいるように感じる。ねるの声もこんな感じて癒される。ねる声優にならないかな?だけどうちの学校にくることが決まっているらしいから、あの癒しボイスが毎日聞けるのか。楽しみだ。

「お兄ちゃんどんだけ二次元好きなんですかぁー?まぁ振られてからこうなったんですけど」

そう俺は中学生の頃に初恋をして、告白したら私二次元にしか興味ないからといわれてショックを受けてそのアニメを見たらヒロインに惚れたんだよなぁー。

「お兄ちゃんの告白を断るなんてするいですよぉー。まぁ断ってくれなかったら私が付き合う可能性もなくなっていましたが」

「原田くんも二次元に嵌まっていたね。そんなに魅力があるのかな?」

あの中二病は現実に二次元を起こそうとするがな。あの行動力は大したものだか俺を巻き込むのはやめてほしい。いっつもまたやってるよという目で見られるんだからな。今回の部活も中城先輩がいなかったら入ってなかったし。

「まぁ二次元は男の理想を詰め込んでいるので、モテないやつはハマりやすいんですよ」

たまにモテてるのに二次元の男を求めている美少女もいるが。ジャニーズじゃダメなのだろうか?あんなに二次元に近い人はいないだろう。

「そうなんだ、着いたみたいだよ」

俺達は電車を降りると、改札を通り、駅をでた。暑い。今春だぞ。異常気象は刻々と起こってるってことか。

「おすすめのラノベとかあるかな?」

「ありますよ。俺の青春ラブコメは間違っているとかですね。これなら心情模写が多いんで小説読んでいる人も読みやすいでしょう」
 
ストーリーはラノベらしさがあるから、好むかどうかは別だが。ハマれば面白い。特に八幡の独白とか。解決方法とかな。

「あ、もしかしてこの前コスプレしたやつ?」

「そうですよ」

「この前のやっぱりコスプレだでたんですねー」

結菜の制服姿もみたいな。いろはに似ているし、似合いそうだ。胸はでかいが。いかんいかん胸元ゆるゆるの結菜をイメージしてしまった。妹で邪な妄想してはいけない。

「今度するときは私も呼んでくださいよぉー」

そういえばちょくちょくコスプレを結菜はしていたな。それをインスタに投稿して賞賛浴びて、今じゃコミケでコスプレをしてそこそこ人が集まるレベルだったな。アイドルになるならちょうどその知名度は活かせるだろう。

「ああ、分かったが。ちゃんといろはになりきるんだぞ」

「性格もキャラになりきりますよぉー」

あざといところとか性格も似ているからな。すぐできそう。結菜ほどいろはに適した人はいないだろう。まぁ俺がいろは推しだって聞いてこんなにあざとくなったんだが。

「期待してるぞ。学校に着いたみたいだな」

俺達は下駄箱で分かれ、教室に入った。そういえばねるはいつ転校してくるんだろうか?この制服を着てるところを早く見たいんだが。

「あ、おはよう勇気」

「おはようゆいぽん」
 
相変わらず視線が刺さる。なんでお前見たいのがゆいぽんとしゃべっているんだと。そりゃ同じ部員だし、妖怪を互いに知ってるいるという共通点もある。それに元々知り合いだし。

軽く挨拶を済ませ、俺は自分の席に座った。








 

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