オタクの青春

希望

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不思議探索

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「それではちゃんと探すんだぞ」

そう言って家康はコートを翻して去っていった。あいつ村木座に憧れてるのかよ。まぁとっちも太っているが憧れるようそないと思うんだが。

「最初どこ行きます?千葉駅ても行きますか?」

「え?不思議探さないの?」

「あいつの言ってることを真に受けなくていいですよ。それに適当に幽霊見つけたとても言ってればいいですし」

でも私幽霊視れないよと言った。あーそうか普通のやつは見えないもんな。俺は符を取り出した。

「それはなに」

「これは今日一日幽霊が見えるようにする呪術に使う符です」

毎日見えるのは辛いからな。特に美少女は男の幽霊に好かれやすい。そりゃ人間だったんだから美少女を好きなるのは分かる。

「んじゃ唱えますよ」

俺は呪文を唱えると中条先輩は目をつぶった。俺は血をだし、それを呪符につけて、それを中条先輩の頭につける。

「もういいですよ」

「わぁ綺麗。これが霊子って言うんだ。あ、あそこに女の人の幽霊が」

「目を合わせちゃダメですよ。ついてくるので。それでどこ行きます?」

「西千葉に行こう。有名な木があるらしいから」

ああ、あの罪人の顔が浮かんで、切ると祟られるっていう木ね。真剣にやるつもりか。もしものために呪符を持ってきて正解だな。

俺達は電車に再び乗り、西千葉で降りた。あった見たからに禍々しいオーラを放ってるな。中条先輩は少し怯えている。

「何をするの!私はこれからお母さんのもとに行くんだから邪魔しないで」

「母親なんかより俺といた方が楽しいぜ」

何の根拠があってそんなこと言えるんだよ。イケメンでもないくせに。しかもあの美少女妖気が混ざっている。半妖ってところか。

「おい、そこのナンパ野郎。その子いやがっているだろう」

俺は霊気を放出して威嚇する。これはワンピースの覇王色の覇気ににている技だ。

「ひっすみませんでした!」

男は去っていった。俺は霊気をしまった。とりあえず妖怪と関わるとろくな目に遭わないし早くここから離れるか。中条先輩の手をつかみここから違うところに移動をしようと思ったが、半妖に腕をつかまれた。

「何だ?早くお母さんところに行ってやれよ」

「あれはとっさについた嘘だよ」

嘘を吐くなよ。もうちょいい嘘があったと思うんだが。それにしても半妖は美少女が多いな。厄介なことを持ち込まなければとっくに友達になっているが。

「私の名前は桜木唯衣これでもアイドルをしてるんだよ」

アイドルか、妖怪がアイドルね。たぶんほかにも妖怪がいるんだろう。それを全面に出したアイドルって感じか。

「妖怪なのに人間界でアイドルするとはな」

「え?妖怪って気づいていたの」

「そんなに妖気出してれば気づくわ」

「視える人なんだね。後アイドルは妖怪界でだよ。だけど人間界にも進出したくてね。情報を集めているんだ」

あ、これって教えてほしいなとか言われるパターンだな。美少女二人はさすがに視線がきついんだが」

「美少女だなんて嬉しいなぁー」

ほほを赤く染めながら桜木は言った。やっちまった。心の声が出てしまった。まぁキモいと思われてないだけましか。

「人間界のこと教えてほしいなぁー?」

上目遣いで目をうるうるしながら頼んでくる。さすがアイドル男の落とし方を分かってらっしゃる。

「はぁー分かったよ。今いろんな所に行く予定だから教えてやる。中条先輩もそれでいいですか?」

「いいよー。それにしても妖怪って本当にいたんだ」

「いろんな所にいるよ。まぁ大体山奥だけどね」

「妖怪は人間の中では伝説だからな。まぁ陰陽師は妖怪と関わりが多いからそんなこと思ってないが」

俺達陰陽師は妖怪退治とか協力することもある。それだけ関わりが深いのだ。桜木は何の妖怪なんだろう?

「あ、まだ名前を聞いてなかったね。何て言う名前なの?」

「俺は土御門勇気だ。こっちが中条さつき先輩だ」

「勇気とさつき先輩だね。私のことはゆいぽんって呼んで」

アイドルに下の名前で呼ばれるって感激ものだが、ファンに殺されないよね?の妖怪とか物理的に強いから、死ぬんだが。俺は妖怪を退治できるって言っても中級妖怪までだ。上級は手も足も出ない。

「それじゃまずどこ行く?」

「千葉駅のゲーセンに行くか。あそこなら人間の娯楽をしれれだろうし」

「ゲーセン、響きだけでも楽しそう」

響きだけじゃねーぞ。あそこは人間が楽しめる物が揃っている。妖怪でもたまにはまって一生懸命ユーホーキャッチャーやプリクラをしてる姿をよく見る。まぁ話しかけないが。妖怪だし。

「テレポートで行けるけど、人間がどういう乗り物で行ってるのか興味あるからそれで行こう」

テレポートできるってことは中級以上か、まぁ暴れたりはしないだろうから何級でもいいんだが。

「電車だな。この時間はあまり混まないからゆいぽんも窮屈には感じないだろう」

「電車ってあの鉄の乗り物?」

ゆいぽんはちょうど来た電車を指差して言った。まぁ確かに鉄の乗り物だが、どっちかと言うとタイヤの方が重要だ。

「噂だとすごい早いらしいね」

「普通の人間が出せないスピードを出してる。まぁ百聞は一見しかずだ。乗ってみるか」

俺達は西千葉に向かおうとするがその前に例の禍々しいオーラを放っている木ををじっくりと観察した。例の集合体ができてるな。こりゃ払うのは時間がかかりそうだ。

「ねぇー人間の生首が見えるよ。何個も」

「気にしたら埒があかないですよ」

生首なんてそこらじゅうに落ちてるからな。ここはかつて戦いの舞台にもなっているし。

「とりあえず写真を撮ってそれを家康に送りつけましょう」

あいつも多少の霊視はできるからすぐに気づくだろう。


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