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登校
しおりを挟む俺は今急いでリュックの中に教科書を詰めている。
「やべーなゆっくり味わい過ぎた」
「こうくんは友香ちゃんの料理になると味わいながら食べるからね。私の時は早く食べ終わるのに」
ねるはほほを膨らませながらつんとした感じ言ったが、それ可愛さを際立たせてるだけだぞ。ちっとも怒っているようには見えない。
「ねる自転車できてるか?」
「来てるよ」
それにしても全然ねるは慌てない。どんなときもおっとりしてマイペースだ。前からねるは変わっていないな。だから俺が小学校の時にいじめられても回りの目なんか気にせず俺と遊んでいた。友達が一人でもいることに俺は救われた。たから中学に入ってねるが嫉妬からいじめられたときは俺が懸命に守ってイケメンをこっち側に引き込んでいじめをやめさせた。っとこんなこと考えてる場合じゃないな。
「んじゃいくぞ」
ちなみに友香は俺が食べ終わる前に遅刻するからと言ってすぐに家をでて学校に向かった。
「うん、私外でてるね」
するとねるは階段を降りた。俺も早く準備するか。俺は最後にもう一回忘れ物がないか確認した。
ないな。後は寝癖を直すか。これが一番厄介なんたよな。俺の寝癖はそこら辺の雑草のように跳び跳ねてるからだ。階段を降りて洗面台で水を頭からかぶってドライヤーで乾かした。とぎながらだ。乾かし終えると俺はリュックを持って玄関で靴を履き家をでた。既にねるは自転車に乗って、携帯いじりながら待っていた。俺がねるの肩を叩くとねるは準備できたんだねと言った。
「んじゃいくぞ」
俺は自転車またがりもうスピードでこいだ。ねるも俺の横を着いてくる。ねるは運動神経がいいから早くこぐことができる。ちなみに俺は運動神経は普通だ。まぁ野球やっていたから球技は得意だがな。そんなことを考えてるとぎりぎり馬橋駅に間に合った。
ねるははぁはぁとしていた。まぁ運動神経がよくても女子と男じゃ体力が違うからなしかたがない。
「もうかなりとばしたでしょー。お陰で結構疲れたよ。これからもっと早く起きてよね」
「間に合ったんだからいいだろう」
「のどか乾いたからジュースおごってね」
俺はハイハイと適当に流しながら駐輪場に自転車をおいて馬橋駅に向かった。ぎりぎりのため生徒でごったがえしている。幸谷駅にいったらもっといるんだがな。だからわざわざ少し遠い馬橋駅から流鉄に乗っている。
「座れそうにないな」
「いつものことだけどね」
俺たちはちょうど流鉄が来たのでそれに乗る。やっぱり座れない。とりあえずドア側にねるを立たせて俺がその前にたって痴漢対策をする。
「ねぇ今日ショッピングしない?」
「荷物持ー」
そこまでいいかけたが頭のなかに聞き覚えのある声か木霊する。
『そうじゃないだろ』
ねるは途中でいいかけた言葉を飲み込んだ俺を不思議そうに見ている。
「ああショッピングな。俺も選ぶの手伝うぞ。これでも友香にはセンスいいって言われてるからな」
するとねるは目を見開いて驚いていた。俺変なこと言ってないよね。むしろ素直な言葉を口にしたはずだぞ。
「こうくんがそんなことを言うなんて。てっきり荷物持ちだろといいだすかと思ったよ」
なんで俺か言いかけたことが分かるんだよ。幼馴染みからだからか。にしてもあの声はいったいなんだったんだ?頭のなかに直接言ってきたが。とうとう俺は幻聴でも聞こえるようになったのか。あの声にしたがったがこれてよかったのだろうか。あの声は朝に聞いた声と同じだった。
「たまには俺だって気のきいたことを言うぞ」
「ほんとかなー。いつもは思ったことをすぐに口にだすよね」
まぁ俺は深く考えないで言葉を発する癖はある。つまり素直すぎることを言うのだ。だが今回は少し考えて発言をした。
「それで何を買うんだ?」
ねるはバックと答えた。バックか今流行りのレーガートラルゴかそれともグッチか、どっちだろうか。まぁどっちもそれなりの値段はするがねるの家は共働きでそれなりのお金を稼いでいるからおこづかいはかなり貰っているから問題ないのだろう。
「流行りは押さえておきたいからね。新しいバックを買おうと思ったんだ」
女子高生は大変だよないちいち流行りをチェックしないといけないし。カースト上位になるとそれなりのブランドを持ってないと遅れてると思われるし。
「バックだな。それなら友香の物を選んでいるから楽しみにしておけ」
ねるは俺の好きな目を細める微笑みを返して楽しみにしてるねと言ってきた。俺はねるの笑顔が結構好きだ。坂道グループのアイドルにも負けないほどの笑顔を持っていると思っている。もちろん普段のルックスも引けを取らないが。
それからどんなバックかいいかをねると話していると最寄り駅に着いた。定期を見せて駅ないをでると背伸びをした。さて数学をあるが頑張りますか。まぁ数学は寝るけどね!
俺たちは学校に向かって歩きだす。それにしても眠い。ない世絵は覚えていないが鮮明な夢を見た気がする。だから眠いのもそれが原因だろう。朝はいっつもぎりぎりに起きているが。たこねるに起こされるのも悪くはない。特に今日は感動をした。なんか久しぶりに起こされた感じがして。
「ねぇねぇこうくん」
ねるは俺の右手をツンツンとしながら話しかけてきた。何それ可愛い。あざといがそれがまたいい。世の男どもはこんなことされたら惚れて振られるだろう。はは残念だったな。ねるは渡さんぞ。別に好きってことはないが。離れられると考えると胸の奥が痛くなる。なぜだかは知らんが。ちなみに俺も振られるだろう。いや俺も振られるのかよ。俺は一人悲しんでいた。
「なんだねる?」
「私のことどう思っているの?」
直球的な質問だな。選択を間違えるとはショックを与える可能性かある質問だ。
『そんなの幼馴染みだろうと言おうとしてるみたいだがやめておけ素直になるんだ』
また謎の声がした。謎の声の言うこときいて素直になってみよう。
「一般的に百人中百人かがねるのことを美少女だと言うだろう。まぁ俺もそう思っているが、俺はねるのことをルックスだけで判断しない。優しくて笑顔が可愛くて時にわがままで、天邪鬼で人のことを疑う癖があるが俺には素直で無邪気なところが可愛い。頑固なところがあるが一度決めたことは曲げないでやりきるところとか尊敬をしている。大切な幼馴染みだ」
俺は途中から恥ずかしくなって早口になった。
それにしてもまたあの声が聞こえたが、幽霊に取り憑かれたか。だけどなんか聞いたことある声なんだよな。
ねるをふと見ると、口をパクパクしながら顔を赤くしていた。照れてるところも可愛い。ねるが世界中を回れば戦争なんてなくなるんじゃないか。
「なに嬉しすぎたか」
「そりゃ嬉しいよ。こうくんにルックスだけじゃなくて性格まで誉められたんだもん」
するとねるはだらしない顔になりほほを両手で押さえながらくねくねと身をよじらせた。照れすぎだろ。性格を誉めるやついなかったのか?そう思いながら置いていくぞと言って俺は学校に向けて歩きだした。俺だって恥ずかしいんだよ。家に帰ったら枕に頭を沈めて悶えるだろう。
待ってよーといいながらねるは急いで追いかけてきた。
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