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過去に飛ぶ

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白い部屋から神様か神々しい光から現れた。もう一発で神様だと分かるほどの神々しさだった。

「君が過去に戻りたい人かい?」

「そうです。俺が過去に戻りたくて術を使いました」

まさか本当に上手くいくとはな。正直ネットの言ってることなんて大抵あてにならないから嘘だと思ったんだが。

「君の記憶を見させてから判断させて貰うよ」

すると神様は俺のおでこに手を当て目をつぶりなにかを唱えた。こう見ると神様って美形なんだな。そりゃ神様だから自由に姿変えられるからイケメンになるか。

しばらくたち神様か俺のおでこから手を離した。

「君災難だったね。君を過去の世界に送ることにするよ。パラレルワールドだか全く一緒の過去じゃないことと記憶は封印されるからね」

もう一回同じ過ちを犯す可能性があるってことか。だけど封印ってことは解放することもできるってことだよな。あの事件が起きる前に解放すれば問題ない。

「全く同じじゃないって俺の近辺も変化してるってことですか?」

「君に関係ないところが変わってるだけだから大丈夫だよ。記憶も封印が解かれる可能性もあるよ」

何となくたがそんな簡単に解けない気がする。だがあの事件が起きる前にはどうにかしなきゃな。

「準備ができたら飛ばすね」

「もうできました」

「あの世界に未練は微塵もないんだね。飛ばすね。それでは君の生活に幸あらんことに」

恐らくあの世界の俺は何かしらで死ぬのだろう。魔方陣が浮かび俺はそれに吸い込まれた。

「こうくん起きて朝だよ。遅刻しちゃうよー」

ずっと聞きたかった声が聞こえた。なぜかひどく懐かしく感じる。そしてとても愛おしい。なぜだか涙がでてきそうになる。

俺は目を開くとそこには目の前に垂れ目で大きく目鼻立ちが整っていて少しポッチャリとしたねるがいた。まぁポッチャリって言っても太ってはいない。むしろ男にとっては理想の体型をしている。

「ねるか、俺はまだ寝たい。一日ぐらい仮病で休んでも問題ないだろう」

ねると話すのもなぜか久しぶりに感じて感動をしてしまう。いつも話してるはずなんだが。それにラノベが減った気がする。きのうせいか。

「問題大有りだよ。何回もそれで休むから私がわざわざ起こしにきてるんでしょ」

「俺は大学は一般入試ではいるから単位さえ取れてれば問題ない。市かも今日数学があるし。よって俺はぐうたら過ごすんだ」

「友香ちゃんは許しても私はそんなに甘くないよ。ほらささっと制服に着替えてご飯は友香ちゃんか作っているから」

「それを先に言えよ。友香の朝御飯を美味しいうちに食べないとか兄として廃る」

妹の料理は美味しいうちに食べるのがお兄ちゃんの務めだ。俺は制服をクローゼットから出して着替え始めた。パンツ一丁になるがねるは気にした様子はない。幼馴染みで慣れてるからな。さすがに素っ裸は見せれないが。

ねるはジト目を向けながら相変わらずシスコンだねと言ってくる。

「はっ千葉の兄妹はみんなシスコンなんだよ。つまり俺は別に特別じゃない。至って常識だ」

ねるはこめかみを押さえながらため息をはく。俺そんな変なこと言ってないと思うんだが。

このやり取りがひどく懐かしく感じる。
 
「ねるは俺から離れたりするか?」

「なに言っているの?私はいつでもこうくんの側にいるよ」

その言葉になぜかでジャブを感じた。俺の心がその言葉を信じてなにもしないのはいけないぞと言っている気がする。まるでねるがなにもしないと離れるかのように。すると急に頭痛がした。俺は頭を押さえた。なにかが分離したように感じた。

「大丈夫?こうくん」

ねるがしたから覗き込んできた。相変わらすあざといな。だがねるは計算してやっているときもあるが天然でやっているときもある。今のは天然だ。計算でも可愛すぎるんだかな。美少女は何をやっても許される。イケメンは何をやってもムカつくが。

「大丈夫だ。それよりささっと友香の作った朝御飯を食べなければ」

ねるをおざなりにするなよと頭のなかに響いた気がした。だか俺は気にせずに着替えて下に降りた。

俺は下に降りると、奥の部屋にはいった。そこで友香が制服で俺を待っていた。

「お兄ちゃん相変わらずの寝癖だね」

「今日もそんなに爆発してるのか。まぁいいや後出直すから今は朝御飯を食べるのが先決だ」

そう言うと友香は嬉しそうに顔をほこらばせた。俺は友香の前に座る。ちなみになぜか友香はねるの分の朝食はいつも用意しない。まぁねるは自分の家で食べてるっていうのもあるが。でも一回くらいは一緒に食べませんかとか言うものじゃないのか?

「お兄ちゃん遅刻しちゃうよ」

「そうだな。いただきます」

まずは卵焼きを口にいれるほどよい甘さが口のなかに広がる。俺の好みの味だ。

「相変わらずの友香の料理は世界一美味しいな」

すると友香はねるのほうを見て勝ち誇った顔をしていた。ねるはそれを見て唇を噛み締めて悔しがっていた。いつから料理の腕を比べるようになったんだよ。そう思いながら俺は残りの朝御飯を食べた。




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