上 下
5 / 39

レベルアップを開始します

しおりを挟む
 石を握りつぶした他にも、その辺りに転がってる大岩を試しに「よっこいしょ」と持ち上げたらすんなりと上がった。
 今の俺なら、C級の魔物の魔熊と相撲を取っても勝てるだろう。

 ってことは、つまりこのステータスウィンドウの力はマジモンだということになる。

 そうなってくると、他の色んな項目が何故だか輝いて見えてくるな。

・項目
1 ステータス確認
2 アイテム使用
3 イベント(NEW)
4 持ち物確認
5 報酬
6 メッセージ

 ってことで、NEWの項目がついている「イベント」の項目を呼び出してみる。


☆ デイリー討伐ミッション

 ・魔物をやっつけろ
 次の条件で魔物を倒してください。

 自分よりレベルの高い魔物 0/1

 または

 自分よりレベルの低い魔物 0/5

 報酬:スキルポイント1




☆ スタートダッシュミッション(初日)

 ・先人を追いかけて
 まずは魔物をやっつけて戦闘に慣れましょう。

 自分よりレベルの高い魔物 0/1

 または

 自分よりレベルの低い魔物 0/5

 報酬:能力値ポイント5


☆ 緊急ミッション
 ・準備中

☆ イベントミッション
 ・準備中


☆ オーダーミッション
 ・村人 レベル制限解除試練・I
  現在進行中の死地からの生還イベントを単独でクリアーしてください。
  迷宮内では暫定的にレベル制限が解除されますが、単独条件を満たさずに生還した場合は余剰経験値の没収及び再度元のレベル制限が課せられます。
  

 


 うん、何が何だかやっぱり分からん。
 ソシャゲっぽい感じもするが、そっち系は俺はやったことないんだよな。
 でも、まあ、要は魔物を倒せば能力値ポイントが貰えるってことで良いんだな?
 デイリー討伐ミッションのスキルポイントについてはやっぱり良く分からんが。
 あとオーダーミッションの死地からの生還ってのはここから脱出すれば良いってことなんだろうか。

 しかし、暫定的にレベル制限解除……か。
 確かにステータスウインドウでは現在レベル16で最大レベル25とか記載されていたっけかな。

 ステータスプレートではレベル15で限界レベルとなっているので、この辺りは謎だ。


 と、そこで大体の状況を確認し終えた俺はナイトウォーカーの死体に握られている短剣を手に取った。

「鑑定」


・闇の住人の短剣
 攻撃力+45

 
 はは、どうなってやがんだよ。
 俺の鋼の剣は攻撃力が15だ。
 45って言えば、金貨10枚単位で取引するようなもんじゃねーか。
 いや、高難度ダンジョンのボスクラスの戦利品と考えればそんなものなのかもしれないが。
 ケントが装備している魔法剣もこれくらいの攻撃力はあったしな。

「そう考えれば、本当に俺って馬鹿だったんだな」

 力の強い者に装備を優先して配ることに疑問を持たなかった。
 どうせ俺が強い武器や防具を装備しても役に立たないからってな。
 パーティーの共有資産についても、より高価な武器や防具をあいつらに回すための貯金ってことで何の疑問も抱かなかった。
 そう言いながら、俺は竪穴を移動するナイトウォーカーの丸い影に視線を移す。
 筋力が上がったと言っても、レベル差は半端じゃないし、一撃で殺されることも変わらない。
 だが、それでも俺にはレベルアップでの回復がある。
 あの回復は一回こっきりという可能性もあるんだが、そこは賭けだ。


 ――絶体絶命のところから、希望が湧いてきただけでも幸運じゃないか


 そうして、俺はナイトウォーカーを睨みつけながら拳をギュっと握った。


「まあ、死ぬほど痛いがな」






 ――そして1時間後。

 ――レベルアップしました

 ――レベルアップしました

 ――レベルアップによる回復を利用しますか?

 ――  →YES  NO


 2体目のナイトウォーカーを自爆戦法で討伐し、レベルアップ回復は永続的に起きることを確認したのだった。





 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ステータス

 名前:タイガ

 職業:村人

 レベル:18→20(限界値30)

 HP292/292
 MP0/0

・能力値
 筋力:3→39
 体力:3 
 魔力:3 
 敏捷:3
 器用:3
 幸運:3


 所持スキル:食いしばり レベル1

 残能力値ポイント:0→10
(デイリーミッション1+スタートダッシュミッション5+レベルアップ2×2=10)

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

悲しいことがあった。そんなときに3年間続いていた彼女を寝取られた。僕はもう何を信じたらいいのか分からなくなってしまいそうだ。

ねんごろ
恋愛
大学生の主人公の両親と兄弟が交通事故で亡くなった。電話で死を知らされても、主人公には実感がわかない。3日が過ぎ、やっと現実を受け入れ始める。家族の追悼や手続きに追われる中で、日常生活にも少しずつ戻っていく。大切な家族を失った主人公は、今までの大学生活を後悔し、人生の有限性と無常性を自覚するようになる。そんな折、久しぶりに連絡をとった恋人の部屋を心配して訪ねてみると、そこには予期せぬ光景が待っていた。家族の死に直面し、人生の意味を問い直す青年の姿が描かれる。

クラスメイトに死ねコールをされたので飛び降りた

ああああ
恋愛
クラスメイトに死ねコールをされたので飛び降りた

冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい

一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。 しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。 家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。 そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。 そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。 ……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──

漫画の寝取り竿役に転生して真面目に生きようとしたのに、なぜかエッチな巨乳ヒロインがぐいぐい攻めてくるんだけど?

みずがめ
恋愛
目が覚めたら読んだことのあるエロ漫画の最低寝取り野郎になっていた。 なんでよりによってこんな悪役に転生してしまったんだ。最初はそう落ち込んだが、よく考えれば若いチートボディを手に入れて学生時代をやり直せる。 身体の持ち主が悪人なら意識を乗っ取ったことに心を痛める必要はない。俺がヒロインを寝取りさえしなければ、主人公は精神崩壊することなくハッピーエンドを迎えるだろう。 一時の快楽に身を委ねて他人の人生を狂わせるだなんて、そんな責任を負いたくはない。ここが現実である以上、NTRする気にはなれなかった。メインヒロインとは適切な距離を保っていこう。俺自身がお天道様の下で青春を送るために、そう固く決意した。 ……なのになぜ、俺はヒロインに誘惑されているんだ? ※他サイトでも掲載しています。 ※表紙や作中イラストは、AIイラストレーターのおしつじさん(https://twitter.com/your_shitsuji)に外注契約を通して作成していただきました。おしつじさんのAIイラストはすべて商用利用が認められたものを使用しており、また「小説活動に関する利用許諾」を許可していただいています。

冤罪で自殺未遂にまで追いやられた俺が、潔白だと皆が気付くまで

一本橋
恋愛
 ある日、密かに想いを寄せていた相手が痴漢にあった。  その犯人は俺だったらしい。  見覚えのない疑惑をかけられ、必死に否定するが周りからの反応は冷たいものだった。  罵倒する者、蔑む者、中には憎悪をたぎらせる者さえいた。  噂はすぐに広まり、あろうことかネットにまで晒されてしまった。  その矛先は家族にまで向き、次第にメチャクチャになっていく。  慕ってくれていた妹すらからも拒絶され、人生に絶望した俺は、自ずと歩道橋へ引き寄せられるのだった──

彼女の浮気相手からNTRビデオレターが送られてきたから全力で反撃しますが、今さら許してくれと言われてももう遅い

うぱー
恋愛
彼女の浮気相手からハメ撮りを送られてきたことにより、浮気されていた事実を知る。 浮気相手はサークルの女性にモテまくりの先輩だった。 裏切られていた悲しみと憎しみを糧に社会的制裁を徹底的に加えて復讐することを誓う。 ■一行あらすじ 浮気相手と彼女を地獄に落とすために頑張る話です(●´艸`)ィヒヒ

恋人を寝取られた挙句イジメられ殺された僕はゲームの裏ボス姿で現代に転生して学校生活と復讐を両立する

くじけ
ファンタジー
 胸糞な展開は6話分で終わります。 幼い頃に両親が離婚し母子家庭で育った少年|黒羽 真央《くろは まお》は中学3年生の頃に母親が何者かに殺された。  母親の殺された現場には覚醒剤(アイス)と思われる物が発見される。  だがそんな物を家で一度も見た事ない真央は警察にその事を訴えたが信じてもらえず逆に疑いを掛けられ過酷な取調べを受ける。  その後無事に開放されたが住んでいた地域には母親と自分の黒い噂が広まり居られなくなった真央は、親族で唯一繋がりのあった死んだ母親の兄の奥さんである伯母の元に引き取られ転校し中学を卒業。  自分の過去を知らない高校に入り学校でも有名な美少女 |青海万季《おおみまき》と付き合う事になるが、ある日学校で一番人気のあるイケメン |氷川勇樹《ひかわゆうき》と万季が放課後の教室で愛し合っている現場を見てしまう。  その現場を見られた勇樹は真央の根も葉もない悪い噂を流すとその噂を信じたクラスメイト達は真央を毎日壮絶に虐めていく。  虐められる過程で万季と別れた真央はある日学校の帰り道に駅のホームで何者かに突き落とされ真央としての人生を無念のまま終えたはずに見えたが、次に目を覚ました真央は何故か自分のベッドに寝ており外見は別人になっており、その姿は自分が母親に最期に買ってくれたゲームの最強の裏ボスとして登場する容姿端麗な邪神の人間体に瓜二つだった。  またそれと同時に主人公に発現した現実世界ではあり得ない謎の能力『サタナフェクティオ』。  その能力はゲーム内で邪神が扱っていた複数のチートスキルそのものだった。  真央は名前を変え、|明星 亜依羅《みよせ あいら》として表向きは前の人生で送れなかった高校生活を満喫し、裏では邪神の能力を駆使しあらゆる方法で自分を陥れた者達に絶望の復讐していく現代転生物語。

【完結】6歳の王子は無自覚に兄を断罪する

土広真丘
ファンタジー
ノーザッツ王国の末の王子アーサーにはある悩みがあった。 異母兄のゴードン王子が婚約者にひどい対応をしているのだ。 その婚約者は、アーサーにも優しいマリーお姉様だった。 心を痛めながら、アーサーは「作文」を書く。 ※全2話。R15は念のため。ふんわりした世界観です。 前半はひらがなばかりで、読みにくいかもしれません。 主人公の年齢的に恋愛ではないかなと思ってファンタジーにしました。 小説家になろうに投稿したものを加筆修正しました。

処理中です...