残党シャングリラ

タビヌコ

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正義の独白

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やぁやぁ皆の衆、久しぶりだね。

前ほど間も空かなかったしモチロン覚えているよね?

私だよ私。

そう、その私だ。

タイミングも良いし、

前回口約束もしたことだし。

今回は正義に関する話でもしようじゃないか。

そう、天使に蔓延する正義の元締め。

正端清。

彼女についての話をしよう。



正端清は夢を見る。

毎日必ず、毎日変わらず。

手にする事もないその夢を、

夢にも想う。

故に彼女は正義を語る。

故に彼女は正義を誇る。

そこに思慮が無くとも、

そこに思想がなくとも。



それを義だと

夢に見たから、

夢見たから。



なんで二回言ったのかって?

君は音が同じなら異なる意味を一緒くたにするのかい?

なぜそんなことを聞くのかって?

つまりは全くそういうことだからさ。



夢と現の違いは、鏡を見る君に似る。

真似ども触れず。

真似ども交わらず。

写れど移らぬ表裏の矛盾は、

歪みとなって現を覗く。

そうして割れた鏡の破片が落ちるのは、

内側か、外側か。

こちらかそちらか。

それを知るのは―――





無論。前述した悪のお嬢様に他ならないってわけさ。

え? なに言ってるか分からない?

いやいや、前も言っただろう。

それでいいんだって、これは独白なんだから。

これからなにかを得ようだなんて、それこそ欲張りってもんさ。

どこかの屈折の悪魔じゃないんだから、無理は程々にね。

さて、例によって今回はこんなところかな。

今回は飽きずに聴きに来てくれてありがとう。

それじゃあね諸君。次回はそうだなぁ、

博識の独白なんてどうだろうか?
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