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第三章 燃える羅城門~友情~

登場人物紹介その四(次章予告版)

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藤原満成ふじわらのみつなり

年齢は五十代後半。藤原兼通に可愛がられていた公家の一人。兼通が亡くなり兼家が復権したのちに出世が滞り、それゆえに兼家に小さくない恨みを持つ。
そもそも、彼は兼通が生きていた時代に何かと好き放題していた人物であり、かの四年前の土蜘蛛集落殲滅も彼がかかわっていた様子がうかがえる。
見た目もごく普通の貴族に見え――、一般にはただの政治家として見られている。ただ、妙に優れた部下に恵まれているらしく――。
妻とは死に別れ、息子に藤原満顕、藤原満忠がいる。

藤原満顕ふじわらのみつあき

満成の息子。現在二十代前半の青年。一般には芸能事が好きで、さらには女遊びが大好きというふうに見られている。
ただ、彼には悪いうわさが絶えず、その通り――人に暴力を振るう姿がたびたび目撃されている。
それをしばしば止めるのは、その剣術の師匠である高倉恒浩たかくらつねひろの役目であるようで、二人連れ立って歩く姿がよく目撃される。
ただ彼にも大切なものはあるようで、弟である満忠の事を常に気にかけて、彼に降りかかる火の粉を先んじて止めているようである。

藤原満忠ふじわらのみつただ

満成の息子。現在二十代前半の青年。満顕の一つ下の弟。
幼いころより学術方面に才を発揮した人物。さらにその才は呪法――、陰陽道や仙道などにも向けられ、非公式ではあるが、並の陰陽師をしのぐ呪術を扱うことが出来るらしい。
好奇心が強く――、それはかの土蜘蛛の術具制作技術にも及び、それに関わって土蜘蛛と繋がっていたようである。
極めて子供っぽく好奇心だけで行動を決めてしまう、――そして、学ぶことには命をかける――そのような人物として周囲に知られている。
果たして彼がどの様に土蜘蛛と関わっていたのか? それはこれから明かされるのかもしれない。
その呪法の基礎を教えたのは、現在満成の客人として平安京に滞在している牟妙法師むみょうほうしという在野陰陽師である。

高倉恒浩たかくらつねひろ

四十代前半である満成の部下である、常に眉を寄せて怒ったような表情をしている男。
満顕の剣の師匠にして、そのお目付け役。生真面目を絵にかいたような人物であるとされる。
乱暴狼藉を働きやすい光頼を監視して、よくその暴力を止めている様子を見ることが出来る。
剣の腕に関しては、彼曰く――”満顕様は、すでに剣術においては自分を越えていますよ”という事らしい。

牟妙法師むみょうほうし

謎の多い陰陽法師。年齢不詳。
ある目的で日本中を旅して――、そして今は平安京に留まっている。満成の客人の一人であり、内裏にもたびたび顔を出している。
普段は貴族に頼まれての加持祈祷を行っているが――その素性は誰も知らない。
満忠の呪法の師匠である。
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