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第三章 燃える羅城門~友情~
第三十四話 幼馴染二人の心は繋がれ、しかし静枝は自らの憎悪の果てを見る
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激しく燃える羅城門に風雨がかかり始める。その空は一瞬にして暗くなり、逃げ惑う藤原兼家や検非違使たちが闇に包まれていく。
それでも炎は消えず羅城門の柱や壁を灰へと変えていった。
ドン!!
激しい爆音とともに羅城門の壁が震える。その中で明らかな異常が起きていた。
「があああああああああ!!」
絶叫する魔獣と化した静枝の、その縦横無尽の斬撃を何とかかわす道満。それでも完全に回避しきることは不可能であり――、
(ち――、このままでは傷が増えて――、血が足りなくなる)
全身血まみれで――、それも高速で奔りながら静枝の攻撃を避けていく道満。それをあざ笑うかのように道満の足に何かが絡みついた。
「く?!」
それは白い蜘蛛糸――、よく周囲を見てみると、そうした蜘蛛糸が燃え盛る炎に灰と化す様子もなく道満の周囲を囲っていた。
「しまった!!」
道満はそれを見て一瞬そう叫ぶが。――それはあまりに遅すぎた。
ドン!!
超高速で静枝が道満に向かって奔り。そして――、
「がああ!!」
血反吐を吐きながら道満は宙を舞った。
「あああああああ!!」
宙を舞う道満へ無数の斬撃が飛ぶ。道満の身には”被甲斬避”の呪がかけられていたが――、それでも道満の身に致命傷に近い傷を与えた。
(まずい――これでは……)
木の葉のように宙を舞いながら――、それでも何とかその手で印を結ぶ道満。
「疾く――」
ドン!!
一瞬、暴風が道満を包み吹き飛ばす、――そして道満は空中で体勢を立て直した。
「ち――」
そのまま足から着地してから、近くにある蜘蛛糸を見た。
(妖縛糸――、土蜘蛛の扱える妖力の一つ――か……)
それは確か陰陽五行における、土行の力を宿す糸であり――。
(火行――、この炎の中ではその力を増し――、切れることのない束縛となる)
今は周囲に張り巡らされているだけだが、もしそれを静枝が積極的に用いて道満を拘束しようとしたら――。
(――そうなれば、その時点で俺は終わり……。でも――)
道満は一瞬で策略を巡らせる。――この糸は静枝が生み出したものではあるが……。
(別にこれ自体が術でもなく――、意志を持ってもいない)
道満はそう考えつつそっと糸に振れる――、そして――、
「――陰陽道というモノを甘く見るなよ?」
そう呟いて意識を集中した。
「季節は廻りて――、命も廻り――、力も亦廻るなり。大地の気を借りて金気の勢いを生じるは、これ世の道理なり――」
その瞬間、蜘蛛糸が黄金色に輝く――そして、
「金気の縛鎖をもちて、相手の動きを束縛せしめよ――」
その瞬間、かの静枝の動きが止まった。無数の蜘蛛糸が静枝の身に絡まってその動きを止めたのである。
「自分から生み出した糸で拘束される気分はどうだ?!」
そう言って道満は瞬時に静枝との間合いを詰める――そして。
「その心を解け――、修羅と化した妖魔よ――」
道満は素早くその場で歩を踏む。そして――その手に剣印を結んで四縦五横の格子状に空を切った。
「その心に穢れはなく――、その心に鎖はなく――、その心に曇りも無し――。ナウマクサマンダボダナンアビラウンケン――、その慈悲の光明を以て真理を照らせ――」
その瞬間、その静枝の目に理性が戻る――、そして……、
「さあ――\拙僧《おれ》の役目はここまでだ梨花……、存分に罵ってやれ」
「――?」
道満の術で拘束され――、疑問を顔に浮かべる静枝の耳に……よく聞く声が響いた。
「静枝――」
「梨花」
静枝は怯えた表情で、その場に現れた梨花を見る。
「――馬鹿……」
「梨花――」
「本当に馬鹿だよ――静枝」
「私は――」
静枝は首を横に振って涙を流す。それを梨花は怒った表情で見て叫んだ。
「――どんな姿になろうと静枝は静枝だよ!! 私の事をもっとよく見て!!」
「梨花――」
「私は――、静枝の家族の事もよく知っているから――、その悲しみも怒りも分かるんだよ?」
「でも――」
そう言って俯いて涙を流す静枝。
「私が――あなたの復讐を止めた理由がわからない?」
「――梨花が、私と同じ思いなら――」
「同じように復讐を望むと?」
梨花はそう言って、静枝の下へと歩いていく。そして――、その手で静枝の頬に触れた。
「大事な友達が――、死にに行こうとしているのを……喜んで送りだせ――? 或いは――、共に進んでその死を望めと?」
「――!!」
「――そんな馬鹿なことできるか!!」
その時、やっと静枝は理解する。梨花が――、何を考えて自分の命すら顧みず、復讐を止めに来たのか。
「憎いよ!! 人間が憎い!! でも――、貴方は……静枝は生きてるんだよ?」
「梨花――」
「死んだ人たちには悪いけど――、私にとってその人たちより……、今生きている静枝の命が大切なの!!」
梨花はその目に大粒の涙を浮かべる。
「それに――、静枝のおかげでわかったんだ。人間の中にも――私たちを想ってくれる人はいるんだって」
「――」
その言葉を道満は静かに聞く。
「静枝――、村に帰ろう? それに――、彼らならきっと、あなたの恨みを――、その元凶を正してくれるから」
「梨花――」
その言葉と共に、梨花は静枝の頬を優しくその両手で撫でる。その指に静枝の涙がかかった。
その瞬間、静枝の肉体が元へと戻り始める。そして――、
「静枝――、やっとあなたを――」
「梨花――」
その血で汚れた体を梨花は優しく抱きしめた。
「ごめん梨花――私」
「――いいの、静枝――、貴方が生きているそれだけで――」
「うう――、ああああああああああ」
その時やっと静枝は心の底からの泣き声を上げる。それを優しく両手で包み込む梨花。
「――ふ、とりあえずは――、どうにかなったか……。後はこの場から逃げねば、羅城門の倒壊に巻き込まれ――」
ヒュ!! ――ドン!
「――」
不意に静枝の身が揺れる。梨花は何事かと静枝を見つめた。
「――ああ……梨花」
「静枝?」
道満はその時、静枝の身に起きた事実に驚き――、そして……、
「ふざけ――!」
怒りのままに周囲を見回した。
「静枝?」
「梨花――」
何が起こったのか理解できない梨花は静枝を揺り動かす。その唇の端から血が流れた。
「静枝?!」
その時――、静枝の背には深々と矢が刺さっていた。それは何処かから飛来したものであり――。
「く!! この期に及んで――、口封じだと?! ふざけるな!!」
怒りのままに叫ぶ道満に――、静枝は小さく呟いた。
「――呪術師さま――、どうか梨花を守ってあげて――」
「!!」
その言葉に梨花はびくりと身を震わせる。
「これは――私が愚かにも目指した恨みの果て――、だから梨花……悲しまないで」
「――静枝!! 嫌だよ!! 死なないで!!」
「結局私は――、貴方のようにいい人間と出会うことが出来なかった。いいように使われて――始末された」
「ああ――静枝」
絶望に涙を流す梨花を――、それでも優し気に静枝はその両手で抱きしめた。
「私は恨みを捨てられない――、貴方のように優しくないから……、いつか暴走して貴方を死に追いやる」
「静枝!! 駄目!!」
「だから――これが私の運命でいいの――。もう貴方を――、これ以上傷つけたくないから」
「静枝!!」
――と、その時、小さく静枝は笑う。
「でも――、本当に今――、私は幸せなんだよ?」
「静枝?」
「だって――、最後に――貴方とこうして――」
それは誰が見ても幸福に満ちた笑顔。
「私は――、復讐の果てにのたれ死ぬんだと信じていた――、でも――」
そのまま静枝の腕は力なく落ちる。
「――ああ、梨花の腕の中で――、本当に――」
その時――、燃え盛る羅城門を暴風雨が包む。その風雨が火を消し――そして、羅城門を崩壊させていく。
その瞬間、羅城門の周囲にいた人々は――、その羅城門の向こうで悲し気な悲鳴が上がるのを聞いたのである。
それでも炎は消えず羅城門の柱や壁を灰へと変えていった。
ドン!!
激しい爆音とともに羅城門の壁が震える。その中で明らかな異常が起きていた。
「があああああああああ!!」
絶叫する魔獣と化した静枝の、その縦横無尽の斬撃を何とかかわす道満。それでも完全に回避しきることは不可能であり――、
(ち――、このままでは傷が増えて――、血が足りなくなる)
全身血まみれで――、それも高速で奔りながら静枝の攻撃を避けていく道満。それをあざ笑うかのように道満の足に何かが絡みついた。
「く?!」
それは白い蜘蛛糸――、よく周囲を見てみると、そうした蜘蛛糸が燃え盛る炎に灰と化す様子もなく道満の周囲を囲っていた。
「しまった!!」
道満はそれを見て一瞬そう叫ぶが。――それはあまりに遅すぎた。
ドン!!
超高速で静枝が道満に向かって奔り。そして――、
「がああ!!」
血反吐を吐きながら道満は宙を舞った。
「あああああああ!!」
宙を舞う道満へ無数の斬撃が飛ぶ。道満の身には”被甲斬避”の呪がかけられていたが――、それでも道満の身に致命傷に近い傷を与えた。
(まずい――これでは……)
木の葉のように宙を舞いながら――、それでも何とかその手で印を結ぶ道満。
「疾く――」
ドン!!
一瞬、暴風が道満を包み吹き飛ばす、――そして道満は空中で体勢を立て直した。
「ち――」
そのまま足から着地してから、近くにある蜘蛛糸を見た。
(妖縛糸――、土蜘蛛の扱える妖力の一つ――か……)
それは確か陰陽五行における、土行の力を宿す糸であり――。
(火行――、この炎の中ではその力を増し――、切れることのない束縛となる)
今は周囲に張り巡らされているだけだが、もしそれを静枝が積極的に用いて道満を拘束しようとしたら――。
(――そうなれば、その時点で俺は終わり……。でも――)
道満は一瞬で策略を巡らせる。――この糸は静枝が生み出したものではあるが……。
(別にこれ自体が術でもなく――、意志を持ってもいない)
道満はそう考えつつそっと糸に振れる――、そして――、
「――陰陽道というモノを甘く見るなよ?」
そう呟いて意識を集中した。
「季節は廻りて――、命も廻り――、力も亦廻るなり。大地の気を借りて金気の勢いを生じるは、これ世の道理なり――」
その瞬間、蜘蛛糸が黄金色に輝く――そして、
「金気の縛鎖をもちて、相手の動きを束縛せしめよ――」
その瞬間、かの静枝の動きが止まった。無数の蜘蛛糸が静枝の身に絡まってその動きを止めたのである。
「自分から生み出した糸で拘束される気分はどうだ?!」
そう言って道満は瞬時に静枝との間合いを詰める――そして。
「その心を解け――、修羅と化した妖魔よ――」
道満は素早くその場で歩を踏む。そして――その手に剣印を結んで四縦五横の格子状に空を切った。
「その心に穢れはなく――、その心に鎖はなく――、その心に曇りも無し――。ナウマクサマンダボダナンアビラウンケン――、その慈悲の光明を以て真理を照らせ――」
その瞬間、その静枝の目に理性が戻る――、そして……、
「さあ――\拙僧《おれ》の役目はここまでだ梨花……、存分に罵ってやれ」
「――?」
道満の術で拘束され――、疑問を顔に浮かべる静枝の耳に……よく聞く声が響いた。
「静枝――」
「梨花」
静枝は怯えた表情で、その場に現れた梨花を見る。
「――馬鹿……」
「梨花――」
「本当に馬鹿だよ――静枝」
「私は――」
静枝は首を横に振って涙を流す。それを梨花は怒った表情で見て叫んだ。
「――どんな姿になろうと静枝は静枝だよ!! 私の事をもっとよく見て!!」
「梨花――」
「私は――、静枝の家族の事もよく知っているから――、その悲しみも怒りも分かるんだよ?」
「でも――」
そう言って俯いて涙を流す静枝。
「私が――あなたの復讐を止めた理由がわからない?」
「――梨花が、私と同じ思いなら――」
「同じように復讐を望むと?」
梨花はそう言って、静枝の下へと歩いていく。そして――、その手で静枝の頬に触れた。
「大事な友達が――、死にに行こうとしているのを……喜んで送りだせ――? 或いは――、共に進んでその死を望めと?」
「――!!」
「――そんな馬鹿なことできるか!!」
その時、やっと静枝は理解する。梨花が――、何を考えて自分の命すら顧みず、復讐を止めに来たのか。
「憎いよ!! 人間が憎い!! でも――、貴方は……静枝は生きてるんだよ?」
「梨花――」
「死んだ人たちには悪いけど――、私にとってその人たちより……、今生きている静枝の命が大切なの!!」
梨花はその目に大粒の涙を浮かべる。
「それに――、静枝のおかげでわかったんだ。人間の中にも――私たちを想ってくれる人はいるんだって」
「――」
その言葉を道満は静かに聞く。
「静枝――、村に帰ろう? それに――、彼らならきっと、あなたの恨みを――、その元凶を正してくれるから」
「梨花――」
その言葉と共に、梨花は静枝の頬を優しくその両手で撫でる。その指に静枝の涙がかかった。
その瞬間、静枝の肉体が元へと戻り始める。そして――、
「静枝――、やっとあなたを――」
「梨花――」
その血で汚れた体を梨花は優しく抱きしめた。
「ごめん梨花――私」
「――いいの、静枝――、貴方が生きているそれだけで――」
「うう――、ああああああああああ」
その時やっと静枝は心の底からの泣き声を上げる。それを優しく両手で包み込む梨花。
「――ふ、とりあえずは――、どうにかなったか……。後はこの場から逃げねば、羅城門の倒壊に巻き込まれ――」
ヒュ!! ――ドン!
「――」
不意に静枝の身が揺れる。梨花は何事かと静枝を見つめた。
「――ああ……梨花」
「静枝?」
道満はその時、静枝の身に起きた事実に驚き――、そして……、
「ふざけ――!」
怒りのままに周囲を見回した。
「静枝?」
「梨花――」
何が起こったのか理解できない梨花は静枝を揺り動かす。その唇の端から血が流れた。
「静枝?!」
その時――、静枝の背には深々と矢が刺さっていた。それは何処かから飛来したものであり――。
「く!! この期に及んで――、口封じだと?! ふざけるな!!」
怒りのままに叫ぶ道満に――、静枝は小さく呟いた。
「――呪術師さま――、どうか梨花を守ってあげて――」
「!!」
その言葉に梨花はびくりと身を震わせる。
「これは――私が愚かにも目指した恨みの果て――、だから梨花……悲しまないで」
「――静枝!! 嫌だよ!! 死なないで!!」
「結局私は――、貴方のようにいい人間と出会うことが出来なかった。いいように使われて――始末された」
「ああ――静枝」
絶望に涙を流す梨花を――、それでも優し気に静枝はその両手で抱きしめた。
「私は恨みを捨てられない――、貴方のように優しくないから……、いつか暴走して貴方を死に追いやる」
「静枝!! 駄目!!」
「だから――これが私の運命でいいの――。もう貴方を――、これ以上傷つけたくないから」
「静枝!!」
――と、その時、小さく静枝は笑う。
「でも――、本当に今――、私は幸せなんだよ?」
「静枝?」
「だって――、最後に――貴方とこうして――」
それは誰が見ても幸福に満ちた笑顔。
「私は――、復讐の果てにのたれ死ぬんだと信じていた――、でも――」
そのまま静枝の腕は力なく落ちる。
「――ああ、梨花の腕の中で――、本当に――」
その時――、燃え盛る羅城門を暴風雨が包む。その風雨が火を消し――そして、羅城門を崩壊させていく。
その瞬間、羅城門の周囲にいた人々は――、その羅城門の向こうで悲し気な悲鳴が上がるのを聞いたのである。
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