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第一章 平安の守護者達
第六話 鬼神は都を去り、人は愚かしい策謀を巡らす
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――ああ口惜しい、あの陰陽師め――、
その日、乾重延は内裏の渡り廊下で悔し気に爪を噛んでいた。
藤原北家庶流に生まれた彼は、藤原伊尹に見いだされ、その薨去に伴いその弟に当たる藤原兼家が右大臣へと昇ると、その兼家の強い推挙によって従三位に叙せられた人物である。
様々な策謀の果てに、かねてからの望みであった公卿へとやっとの思いで上り詰めた彼であったが――、それがまず始めたのは自身のさらなる出世と同僚たちの足を引っ張ることであった。
生まれつき文武の才を持ち、運にも恵まれた乾重延公であったが――、権力を得るという事に関しては、あまりに貪欲かつ愚かな思考を有する者でもある。それが何を起因とするものなのかは理解できぬ話ではあるが――、在野の術師を雇って政敵を呪うなど当然のように行う人物であり、今回もそのように気にいらない者を追い落とそうと動いていたのだが――、
「安倍晴明とか言ったか……、奴のせいで我が策が無駄になった」
今回雇った術師は上手く配下の者を動かして雇っている。さすがの天才陰陽師であろうと、自分までの経路を辿ることは不可能。ゆえに自分の策が公になることはないだろう――しかし、
「ああ――、これではまた準備のために手間がかかるではないか」
乾重延公はその策謀にかけては無駄に頭が回る人物である。その根底となる考え方が愚かではどうしようもないのだが――、ある意味厄介な人物であることには違いはない。
そうして、自分の邪魔をした安倍晴明をどうしたものかと考えていた重延であったが――、不意に何者かに声をかけられた。
「重延――」
「む? ――あ……」
そこにいたのは誰あろう藤原兼家であった。そしてその傍には、あの安倍晴明と肩を並べると称される賀茂光栄が従っていた。
「こ――これは、気が付かず申し訳ありません!」
頭を下げ平服して謝罪する乾重延であったが、それに対し薄く笑いながら兼家は言葉を返した。
「いや――、おぬしはどうも考え事をしていたようじゃな? 邪魔をしてすまぬな」
「い……いえ、邪魔だなどと――恐れ多い……」
そうして冷や汗をかきながら兼家を見ると、その傍に控える賀茂光栄がきわめて冷たい表情でこちらを見つめているのに気づいた。
(――ち、陰陽師風情が……兼家公に取り入ろうという腹か……)
重延は目を細めて、相手に気づかれぬようにと光栄をねめつけた。
(――そういえば……、この男、かの安倍晴明の弟弟子であったな――)
そう考える重延は、不意にわかりやすく光栄のほうを見やって言った。
「ほう? これは――兼家様……、そちらのお方は賀茂光栄殿では?」
「フフ――、その通りじゃ……。おぬしも知っておったか」
「いえいえ――こうして直接目通るのは初めてで――。いや……良いところであったものだ――」
「ほう? それはどのような意味じゃな?」
重延の言葉に兼家は疑問を投げかける。それに重延は答えた。
「いえ――、実は優秀な陰陽師に相談したいことがあったのです」
「ほう――」
いたって自然な笑顔を兼家に向ける重延。それを見て兼家は――、
「そうか……ならばまろの用事が終わり次第――、この者をそちらへと差し向けるとしよう」
「おお!! それはありがたい事でございます」
重延は深々と頭を下げた。
(――賀茂光栄……、この男は安倍晴明を憎んで、何かと目の敵にしていると聞く――)
乾重延は心の中でほくそ笑む。その頭の中で様々な思惑が渦巻き――、そして、あまりにも賢く愚かしい策謀を考え始めたのである。
◆◇◆
かの茨木童子が都で事件を起こしてから、早一月が過ぎようとしていた。そのような折に――、安倍晴明としては困った事態が起きていた。
「三度の――連続吸血殺人……とは、困った話ですね――」
「まさか、あの鬼神が都へと返って来たのか? 師よ――」
安倍晴明邸宅にて、晴明と道満はただ難しい顔を浮かべている。
「――あの百鬼丸とか言う女鬼神は……、約束を違えるようには見えなかった」
道満の言葉に――晴明は頷く。
「確かに――。しかし、相手は鬼神……、それも親の仇ともなれば――」
「我慢しきれず――、か」
晴明は一息ため息をついて言う。
「とりあえず……、三度のこの事件――、先の折に鬼神を取り逃がした私たちに――、”出来るならば名誉を取り戻せ”と、再びの調査依頼が来ています」
「それを失敗すれば――次こそは?」
「ええ――我々の立場は……とても危ういものとなるでしょうね」
道満は晴明の困り果てた表情を見て何やら思考する。
(――この事件、あの鬼神が都に帰還したのなら……拙僧自身の手で始末をつけねばならん。そして――それが出来なければ……)
道満は重い決意をその内に秘めて立ち上がる。晴明はそれを見て言った。
「道満? これからどこに?」
「使庁|(=検非違使庁)だ……、今回の犠牲者の状況を調べる」
「ふむ――ならば私も参りましょう」
晴明はそう言って立ち上がると、道満と共に検非違使庁への道を急いだのである。
◆◇◆
検非違使庁において、捜査のために保管されていた犠牲者の遺体を見て――、二人はある確信を得ていた。
「坂上殿――、本当にこれが犠牲者のすべてなのですね?」
そういう晴明に、全く無表情のまま坂上季猛は答えた。
「ええ、その通りです――、これが今回の連続吸血殺人の犠牲者ですよ」
「ふむ――」
その言葉に晴明は確信を得た様子で頷く。道満はというと――、眉をゆがめて怒りを押し殺す様子であった。
「それで? 満仲様はどのように?」
「はい――、これは……どう考えても鬼神の仕業では――」
その季猛の言葉に、道満は一言”ち――”と舌打ちする。
「師よ――これは……」
「ええ、傷を複数並べて、爪によって切り裂かれたように見せていますが――、これは明らかに”刀傷”です」
「――要するに、先の鬼神の仕業に見せかけた――……、人による連続殺人であると?」
憎々し気に呟く道満に、いたって冷静に晴明は答える。
「――血を抜かれていますが。これも鬼神による吸血ではなく――、急所に穴をあけられて血を抜かれたのですね」
「――く」
道満は晴明の言葉に怒りをあらわにする。
「愚かな――、ようは人を殺して……その罪をかの鬼神に擦り付けようという話か?!」
「ええ……そういう話です。あるいは――」
晴明は次に驚きの言葉を発する。
「我々を追い落とすべく、仕組まれたことなのかもしれませんね」
「――?! まさか……」
それはあまりに突飛な話に思えたが――、とある人物なら、そうしてまでも晴明を追い落とそうとするかもしれないと、道満はある人物の顔を思い浮かべた。
「まさか――光栄……」
「――まだ確信はありませんよ?」
「――」
道満はこの事件の先にドロドロと渦巻く人の陰謀を感じずにはいられなかった。
――果たして、この事件を引き起こしたのは誰なのか?
一月以上前に始まった連続吸血殺人――、その流れから始まる凄惨な事件の……、一つの決着が今着く――。
その日、乾重延は内裏の渡り廊下で悔し気に爪を噛んでいた。
藤原北家庶流に生まれた彼は、藤原伊尹に見いだされ、その薨去に伴いその弟に当たる藤原兼家が右大臣へと昇ると、その兼家の強い推挙によって従三位に叙せられた人物である。
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「安倍晴明とか言ったか……、奴のせいで我が策が無駄になった」
今回雇った術師は上手く配下の者を動かして雇っている。さすがの天才陰陽師であろうと、自分までの経路を辿ることは不可能。ゆえに自分の策が公になることはないだろう――しかし、
「ああ――、これではまた準備のために手間がかかるではないか」
乾重延公はその策謀にかけては無駄に頭が回る人物である。その根底となる考え方が愚かではどうしようもないのだが――、ある意味厄介な人物であることには違いはない。
そうして、自分の邪魔をした安倍晴明をどうしたものかと考えていた重延であったが――、不意に何者かに声をかけられた。
「重延――」
「む? ――あ……」
そこにいたのは誰あろう藤原兼家であった。そしてその傍には、あの安倍晴明と肩を並べると称される賀茂光栄が従っていた。
「こ――これは、気が付かず申し訳ありません!」
頭を下げ平服して謝罪する乾重延であったが、それに対し薄く笑いながら兼家は言葉を返した。
「いや――、おぬしはどうも考え事をしていたようじゃな? 邪魔をしてすまぬな」
「い……いえ、邪魔だなどと――恐れ多い……」
そうして冷や汗をかきながら兼家を見ると、その傍に控える賀茂光栄がきわめて冷たい表情でこちらを見つめているのに気づいた。
(――ち、陰陽師風情が……兼家公に取り入ろうという腹か……)
重延は目を細めて、相手に気づかれぬようにと光栄をねめつけた。
(――そういえば……、この男、かの安倍晴明の弟弟子であったな――)
そう考える重延は、不意にわかりやすく光栄のほうを見やって言った。
「ほう? これは――兼家様……、そちらのお方は賀茂光栄殿では?」
「フフ――、その通りじゃ……。おぬしも知っておったか」
「いえいえ――こうして直接目通るのは初めてで――。いや……良いところであったものだ――」
「ほう? それはどのような意味じゃな?」
重延の言葉に兼家は疑問を投げかける。それに重延は答えた。
「いえ――、実は優秀な陰陽師に相談したいことがあったのです」
「ほう――」
いたって自然な笑顔を兼家に向ける重延。それを見て兼家は――、
「そうか……ならばまろの用事が終わり次第――、この者をそちらへと差し向けるとしよう」
「おお!! それはありがたい事でございます」
重延は深々と頭を下げた。
(――賀茂光栄……、この男は安倍晴明を憎んで、何かと目の敵にしていると聞く――)
乾重延は心の中でほくそ笑む。その頭の中で様々な思惑が渦巻き――、そして、あまりにも賢く愚かしい策謀を考え始めたのである。
◆◇◆
かの茨木童子が都で事件を起こしてから、早一月が過ぎようとしていた。そのような折に――、安倍晴明としては困った事態が起きていた。
「三度の――連続吸血殺人……とは、困った話ですね――」
「まさか、あの鬼神が都へと返って来たのか? 師よ――」
安倍晴明邸宅にて、晴明と道満はただ難しい顔を浮かべている。
「――あの百鬼丸とか言う女鬼神は……、約束を違えるようには見えなかった」
道満の言葉に――晴明は頷く。
「確かに――。しかし、相手は鬼神……、それも親の仇ともなれば――」
「我慢しきれず――、か」
晴明は一息ため息をついて言う。
「とりあえず……、三度のこの事件――、先の折に鬼神を取り逃がした私たちに――、”出来るならば名誉を取り戻せ”と、再びの調査依頼が来ています」
「それを失敗すれば――次こそは?」
「ええ――我々の立場は……とても危ういものとなるでしょうね」
道満は晴明の困り果てた表情を見て何やら思考する。
(――この事件、あの鬼神が都に帰還したのなら……拙僧自身の手で始末をつけねばならん。そして――それが出来なければ……)
道満は重い決意をその内に秘めて立ち上がる。晴明はそれを見て言った。
「道満? これからどこに?」
「使庁|(=検非違使庁)だ……、今回の犠牲者の状況を調べる」
「ふむ――ならば私も参りましょう」
晴明はそう言って立ち上がると、道満と共に検非違使庁への道を急いだのである。
◆◇◆
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「坂上殿――、本当にこれが犠牲者のすべてなのですね?」
そういう晴明に、全く無表情のまま坂上季猛は答えた。
「ええ、その通りです――、これが今回の連続吸血殺人の犠牲者ですよ」
「ふむ――」
その言葉に晴明は確信を得た様子で頷く。道満はというと――、眉をゆがめて怒りを押し殺す様子であった。
「それで? 満仲様はどのように?」
「はい――、これは……どう考えても鬼神の仕業では――」
その季猛の言葉に、道満は一言”ち――”と舌打ちする。
「師よ――これは……」
「ええ、傷を複数並べて、爪によって切り裂かれたように見せていますが――、これは明らかに”刀傷”です」
「――要するに、先の鬼神の仕業に見せかけた――……、人による連続殺人であると?」
憎々し気に呟く道満に、いたって冷静に晴明は答える。
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「――く」
道満は晴明の言葉に怒りをあらわにする。
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「我々を追い落とすべく、仕組まれたことなのかもしれませんね」
「――?! まさか……」
それはあまりに突飛な話に思えたが――、とある人物なら、そうしてまでも晴明を追い落とそうとするかもしれないと、道満はある人物の顔を思い浮かべた。
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「――」
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