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終幕後のキャラクター解説
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●蘆屋兵衛道満/蘆屋道満/道摩法師
解説:
本編の一応の主人公。どちらかというと父親の方が出番が多いが。
播摩の地に生まれたとされる法師陰陽師にして、安倍晴明の弟子であった人物。
家に残されていた秘法の書を見て独学で呪術を学び、それで周囲の人々を救っていた。
十代後半にて都へと昇った彼は、安倍晴明との対決を経てその弟子となり、そのもとで修業がてら都の様々な問題を解決していく。
しかし、その心は次第に妖魔側へと傾倒――、想い人である妖魔の死をへて、ついに人の世への失望に変わってしまう。
師との命をかけた対決の後に、妖魔と共に都を去った彼は各地を旅する傍ら、播摩の国に妖魔たちの都――”道摩府”を建設することを目指す。
その行為はいつか都の知るところとなり、それを人の世に対する脅威とみなした帝の勅を受けて、安倍晴明はその首謀者である蘆屋道満の始末をつけるべく播摩の国へと入る。
その地――佐用にて決戦を迎えた蘆屋道満と安倍晴明は、長い戦いの末に道満の首を晴明がとるに至り、かくして”道摩府”建設の想いは終わりを迎えたと考えられていた。
しかし、実はそれは蘆屋道満と安倍晴明が共に考えたシナリオ通りの話であり、”道摩府”はひそかに建設されそれ以降、平穏に生活することを望む妖魔たちの拠り所となったのであった。
そして、とうの道満自体は、”道摩府”建設の後に陰陽師を引退し、薬屋としてその生涯を終えたとされている。
作者注:
世間では悪役で通っている陰陽師。彼を善側として描くにあたり、単純な善人にすることは明確に避けました。
彼はあくまで”悪役”であり、ダークヒーローとしての側面を強く出すべく設定したつもりです。
そして、まさしく人間としての立場に立てば、彼の行為は人間の世を乱しかねないものであるとして、明確に人間側に立つ安倍晴明の敵対者として設定しました。
なお、今回参考にした『芦屋道満大内鑑』においては、悪人である上司への忠義に苦しみながらも、狙われた命を救うという明確な善人であり、その題名自体『大内の鑑(規範とすべき人物)である芦屋道満』とういう意味である。
なお、今回の話における葛の葉の子の一人というのは、呪法奇伝のみの独自設定である。
●安倍童子/安倍晴明
解説:
後の蘆屋道満の師匠にしてライバルである陰陽師。
白狐葛の葉と安倍保名の間に生まれた子供であり、その叡智を受け継いで強大な力を持つ陰陽師へと上り詰めた伝説的呪術師。
しかし、その名が世間に広まったのは五十代を越えた後の話であり、それまでは結構自由に生きていた自由人である。
蘆屋道満との初めの対決をへてそれを弟子として、都の様々な問題を解決に導いた偉大な陰陽師。
しかし、彼は基本的に人間側――体制側の人間であり、妖魔に近づく道満とは結局は相容れない考えを持っていた。
それでも、蘆屋道満の想いを汲んだ安倍晴明は、最後の最後に彼を助けて”道摩府”建設を見逃す行いをしたのである。
作者注:
蘆屋道満を善側に描くうえで、単純に安倍晴明を悪役とするのはしなかった。
彼はあくまでも人間の世界の平穏を望んで、それに対する蘆屋道満と対決するという形にした。
そのためなのか、この話の中では結構情けない感じになってしまったのは、私の描写力不足ゆえであろう。
●蘆屋将監
解説:
本編の主人公だとも呼べる存在。蘆屋道満の父親。
彼のいまわの際の言葉が、道満の名の起源となった。
彼は明確な武士であり呪術は嗜むことはない。ただ、その家系はかつて大陸渡りの術師の家系であったらしく、その秘書が家には残されていた。
まさしく、狐に魅入られてしまった哀れな男。
作者注:
参考である『芦屋道満大内鑑』においては、蘆屋道満とその上司の助命を願うべく、変装して蘆屋道満自身に討たれることになった父親。
この父親殺しを罪と考え蘆屋道満は僧になることを決意する。なお彼の妻として本編に登場した築羽根は、『芦屋道満大内鑑』においては彼の妻ではなく、蘆屋道満本人の妻であるが、その嫉妬から夫を図らずも追い詰めてしまうのは同じである。
●葛の葉
解説:
安倍晴明、そして今作中においては蘆屋道満の母である、稲荷大明神(宇迦之御魂神)の第一神徒である白狐。
二人の人間の男性と恋に落ちそれぞれに子を成し、安倍晴明にはその叡智を、蘆屋道満にはその霊威を受け継がせ、それゆえに彼らはその後にそれぞれ大成したという。
そもそも主である神の予言を聞き、自らが二人の子を成したのちに死ぬという事を知っていたため、蘆屋将監の最後の際に彼が主を裏切りもはや討ち死にすることは確定となった段になって、その彼と共に死のうと考えて凶刃に身を晒すことになる。
作者注:
参考である『芦屋道満大内鑑』においては、白狐として名はなく葛の葉姫は別に存在する。
榊の前の妹である葛の葉姫が安倍保名の狂気を癒し、命を救われた白狐がその姿を借りて安倍保名との間に子をもうけるという展開であり、正確には白狐の名が葛の葉姫というわけではない。
無論、蘆屋道満の母というのはこの作品中の話だけであり、そのような伝説はどこを探してもない。
なお、本作中の葛の葉の最後は、雰囲気を重視した故にその感情が分かりにくかったかもしれない(この場を以て解説させていただいた)。
解説:
本編の一応の主人公。どちらかというと父親の方が出番が多いが。
播摩の地に生まれたとされる法師陰陽師にして、安倍晴明の弟子であった人物。
家に残されていた秘法の書を見て独学で呪術を学び、それで周囲の人々を救っていた。
十代後半にて都へと昇った彼は、安倍晴明との対決を経てその弟子となり、そのもとで修業がてら都の様々な問題を解決していく。
しかし、その心は次第に妖魔側へと傾倒――、想い人である妖魔の死をへて、ついに人の世への失望に変わってしまう。
師との命をかけた対決の後に、妖魔と共に都を去った彼は各地を旅する傍ら、播摩の国に妖魔たちの都――”道摩府”を建設することを目指す。
その行為はいつか都の知るところとなり、それを人の世に対する脅威とみなした帝の勅を受けて、安倍晴明はその首謀者である蘆屋道満の始末をつけるべく播摩の国へと入る。
その地――佐用にて決戦を迎えた蘆屋道満と安倍晴明は、長い戦いの末に道満の首を晴明がとるに至り、かくして”道摩府”建設の想いは終わりを迎えたと考えられていた。
しかし、実はそれは蘆屋道満と安倍晴明が共に考えたシナリオ通りの話であり、”道摩府”はひそかに建設されそれ以降、平穏に生活することを望む妖魔たちの拠り所となったのであった。
そして、とうの道満自体は、”道摩府”建設の後に陰陽師を引退し、薬屋としてその生涯を終えたとされている。
作者注:
世間では悪役で通っている陰陽師。彼を善側として描くにあたり、単純な善人にすることは明確に避けました。
彼はあくまで”悪役”であり、ダークヒーローとしての側面を強く出すべく設定したつもりです。
そして、まさしく人間としての立場に立てば、彼の行為は人間の世を乱しかねないものであるとして、明確に人間側に立つ安倍晴明の敵対者として設定しました。
なお、今回参考にした『芦屋道満大内鑑』においては、悪人である上司への忠義に苦しみながらも、狙われた命を救うという明確な善人であり、その題名自体『大内の鑑(規範とすべき人物)である芦屋道満』とういう意味である。
なお、今回の話における葛の葉の子の一人というのは、呪法奇伝のみの独自設定である。
●安倍童子/安倍晴明
解説:
後の蘆屋道満の師匠にしてライバルである陰陽師。
白狐葛の葉と安倍保名の間に生まれた子供であり、その叡智を受け継いで強大な力を持つ陰陽師へと上り詰めた伝説的呪術師。
しかし、その名が世間に広まったのは五十代を越えた後の話であり、それまでは結構自由に生きていた自由人である。
蘆屋道満との初めの対決をへてそれを弟子として、都の様々な問題を解決に導いた偉大な陰陽師。
しかし、彼は基本的に人間側――体制側の人間であり、妖魔に近づく道満とは結局は相容れない考えを持っていた。
それでも、蘆屋道満の想いを汲んだ安倍晴明は、最後の最後に彼を助けて”道摩府”建設を見逃す行いをしたのである。
作者注:
蘆屋道満を善側に描くうえで、単純に安倍晴明を悪役とするのはしなかった。
彼はあくまでも人間の世界の平穏を望んで、それに対する蘆屋道満と対決するという形にした。
そのためなのか、この話の中では結構情けない感じになってしまったのは、私の描写力不足ゆえであろう。
●蘆屋将監
解説:
本編の主人公だとも呼べる存在。蘆屋道満の父親。
彼のいまわの際の言葉が、道満の名の起源となった。
彼は明確な武士であり呪術は嗜むことはない。ただ、その家系はかつて大陸渡りの術師の家系であったらしく、その秘書が家には残されていた。
まさしく、狐に魅入られてしまった哀れな男。
作者注:
参考である『芦屋道満大内鑑』においては、蘆屋道満とその上司の助命を願うべく、変装して蘆屋道満自身に討たれることになった父親。
この父親殺しを罪と考え蘆屋道満は僧になることを決意する。なお彼の妻として本編に登場した築羽根は、『芦屋道満大内鑑』においては彼の妻ではなく、蘆屋道満本人の妻であるが、その嫉妬から夫を図らずも追い詰めてしまうのは同じである。
●葛の葉
解説:
安倍晴明、そして今作中においては蘆屋道満の母である、稲荷大明神(宇迦之御魂神)の第一神徒である白狐。
二人の人間の男性と恋に落ちそれぞれに子を成し、安倍晴明にはその叡智を、蘆屋道満にはその霊威を受け継がせ、それゆえに彼らはその後にそれぞれ大成したという。
そもそも主である神の予言を聞き、自らが二人の子を成したのちに死ぬという事を知っていたため、蘆屋将監の最後の際に彼が主を裏切りもはや討ち死にすることは確定となった段になって、その彼と共に死のうと考えて凶刃に身を晒すことになる。
作者注:
参考である『芦屋道満大内鑑』においては、白狐として名はなく葛の葉姫は別に存在する。
榊の前の妹である葛の葉姫が安倍保名の狂気を癒し、命を救われた白狐がその姿を借りて安倍保名との間に子をもうけるという展開であり、正確には白狐の名が葛の葉姫というわけではない。
無論、蘆屋道満の母というのはこの作品中の話だけであり、そのような伝説はどこを探してもない。
なお、本作中の葛の葉の最後は、雰囲気を重視した故にその感情が分かりにくかったかもしれない(この場を以て解説させていただいた)。
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