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Chapter -1
Section 8: 宇宙戦闘に関する基本
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●航宙艦の機動原理:
先の説明でこの世界の動力はE=B機関によって賄われていると解説した。
この世界の航宙艦の動力は、燃料スラスター、プラズマスラスター、を経て現在はイーベルト波動スラスター(EWT)へと進化を遂げている。
従来の燃料、プラズマ、系のスラスターは独自の素材を必要としたが、【EWT】はE=B機関のみを必要とし、その機能である力学制御をそのまま船体の運動に利用するものである。
このために、この世界の航宙艦はE=B機関の燃料である【エネラス】以外の燃料を必要としない、――ということになる。
航宙艦が運動する際、船体後方に発光する超高熱エネルギー雲が展開する、それは一見すればプラズマ放出と同じように見えるが、ただの力学的エネルギー圧縮放出現象によるものである。
このエネルギー雲は宇宙戦闘においては、そのまま背後からの攻撃の防御にも利用される。原則として後方からの粒子砲による飽和攻撃はその九割が削減されることになる。
それでも、宇宙戦闘においては敵の後方を取ることは、有利なことだと見なされている。これは必殺の砲である【軌道砲】であれば、エネルギー雲を貫通して船体に致命傷を与えうるからである。
●航宙艦の粒子砲:
原則として、本作品における粒子砲は【中性粒子ビーム砲】である(中性子ビーム砲ではない)。
技術として【反物質粒子砲】を小型化も出来るが、それで撃ち出すための反物質の生成と保存の難易度が高く、飽和攻撃出来るほどの確保が出来ないため、一部を除いて使われることはないのである。
一般的な【荷電粒子砲】は、宇宙戦闘距離での打ち合いの場合、拡散して威力と射程が短くなりやすく、防御システムも構築しやすいためにほぼ使われることはない。
【中性子ビーム砲】は他とは違う特性(物質透過等)を持つものの、現状の宇宙戦闘では有用とは見なされてはいない。
本作品の航宙艦の粒子砲は、大量の砲門からの飽和攻撃を基本戦術としており、E=B機関の【次元レール】を用いて湾曲して目標へと射出する。
この世界の粒子砲はただでさえ門数が多いために、艦艇の格納スペースは粒子砲で投射する【中性粒子】が大半を占めることになる。
●航宙艦の編隊:
航宙艦は二隻一組のエレメント(分隊)を基本単位とし、二個エレメントで一個ディビジョン(任務隊)を構成する。
そして二個ディビジョンで一個スコードロン(戦隊)となり、複数のスコードロン(又はスコードロン+ディビジョン)で構成された任務艦隊をタスクフォースと呼ぶ。
そしてそれらのタスクフォースをすべて合わせた全艦隊のことをフリート(又はバトルフリート)と呼ぶ。
基本として、指揮下の艦艇数に応じ二隻編隊長(EL、エレメント・リーダー)、四隻編隊長(DL、ディビジョン・リーダー)、多数隻編隊長(ML、マス・リーダー)が配置される。
編隊の隊形自体は、海上戦闘艦艇のような縦一列のものではなく、かつての航空機の編隊飛行に近い隊形が用いられる。
●航宙艦の宇宙戦闘機動:
宇宙戦闘機動(Space Combat Manoeuvring、SCM)とは、戦闘航宙艦が近接格闘戦の際に使用するマニューバ(航宙機動作)である。単艦または複数艦によるマニューバがある。
本作品の艦隊戦は、鈍足なためにほぼ移動せずに火砲で支援砲撃する戦列砲艦を後衛とし、突撃艦、駆逐艦、高速砲艦、を前衛として、近接戦闘で雌雄を決するのが普通となっている。
言ってしまえば、ファンタジー世界における戦闘をイメージしてもらえばよい。
突撃艦は前衛”盾役戦士”、駆逐艦は前衛”軽装戦士”、高速砲艦は”主力戦士”、戦列砲艦は”魔法使い又は弓兵”と考えればわかりやすい。
以上のことから、戦列砲艦を除く三種の艦艇は、マニューバを習得して格闘戦を行うのが普通である。特に突撃艦は、その機動性によって敵艦を圧倒し、後衛に敵を通さないように務める必要がある。
●航宙艦の防御機能:
先の説明でこの世界の航宙艦は、【防護領域=FRF防御帯】で防御を行っていることを解説した。
これは言い換えれば、【ダメージの約八割~全て】を削減する選択式シールド領域と考えることが出来、飽和攻撃を長期間受け続けるとその機能が著しく低下する特徴を持つ。
新式の重力波砲、及び軌道砲は、仮に防御した場合、大幅にシールド領域を削減、又は消滅させてしまう。そのうえで粒子砲などで追撃を受けると、そのまま素通しでダメージを受ける羽目になる。
この機能の低下は、攻撃をほとんど受けない回避状態に艦艇を置くことで瞬間的に回復される。こういった動作のことを【回復機動】と呼び、本作品の宇宙戦闘においての基本の一つになっている。
なお、攻性機雷はそのままでシールド領域を通過できるが、逆にシールド領域を削減することもない。
先の説明でこの世界の動力はE=B機関によって賄われていると解説した。
この世界の航宙艦の動力は、燃料スラスター、プラズマスラスター、を経て現在はイーベルト波動スラスター(EWT)へと進化を遂げている。
従来の燃料、プラズマ、系のスラスターは独自の素材を必要としたが、【EWT】はE=B機関のみを必要とし、その機能である力学制御をそのまま船体の運動に利用するものである。
このために、この世界の航宙艦はE=B機関の燃料である【エネラス】以外の燃料を必要としない、――ということになる。
航宙艦が運動する際、船体後方に発光する超高熱エネルギー雲が展開する、それは一見すればプラズマ放出と同じように見えるが、ただの力学的エネルギー圧縮放出現象によるものである。
このエネルギー雲は宇宙戦闘においては、そのまま背後からの攻撃の防御にも利用される。原則として後方からの粒子砲による飽和攻撃はその九割が削減されることになる。
それでも、宇宙戦闘においては敵の後方を取ることは、有利なことだと見なされている。これは必殺の砲である【軌道砲】であれば、エネルギー雲を貫通して船体に致命傷を与えうるからである。
●航宙艦の粒子砲:
原則として、本作品における粒子砲は【中性粒子ビーム砲】である(中性子ビーム砲ではない)。
技術として【反物質粒子砲】を小型化も出来るが、それで撃ち出すための反物質の生成と保存の難易度が高く、飽和攻撃出来るほどの確保が出来ないため、一部を除いて使われることはないのである。
一般的な【荷電粒子砲】は、宇宙戦闘距離での打ち合いの場合、拡散して威力と射程が短くなりやすく、防御システムも構築しやすいためにほぼ使われることはない。
【中性子ビーム砲】は他とは違う特性(物質透過等)を持つものの、現状の宇宙戦闘では有用とは見なされてはいない。
本作品の航宙艦の粒子砲は、大量の砲門からの飽和攻撃を基本戦術としており、E=B機関の【次元レール】を用いて湾曲して目標へと射出する。
この世界の粒子砲はただでさえ門数が多いために、艦艇の格納スペースは粒子砲で投射する【中性粒子】が大半を占めることになる。
●航宙艦の編隊:
航宙艦は二隻一組のエレメント(分隊)を基本単位とし、二個エレメントで一個ディビジョン(任務隊)を構成する。
そして二個ディビジョンで一個スコードロン(戦隊)となり、複数のスコードロン(又はスコードロン+ディビジョン)で構成された任務艦隊をタスクフォースと呼ぶ。
そしてそれらのタスクフォースをすべて合わせた全艦隊のことをフリート(又はバトルフリート)と呼ぶ。
基本として、指揮下の艦艇数に応じ二隻編隊長(EL、エレメント・リーダー)、四隻編隊長(DL、ディビジョン・リーダー)、多数隻編隊長(ML、マス・リーダー)が配置される。
編隊の隊形自体は、海上戦闘艦艇のような縦一列のものではなく、かつての航空機の編隊飛行に近い隊形が用いられる。
●航宙艦の宇宙戦闘機動:
宇宙戦闘機動(Space Combat Manoeuvring、SCM)とは、戦闘航宙艦が近接格闘戦の際に使用するマニューバ(航宙機動作)である。単艦または複数艦によるマニューバがある。
本作品の艦隊戦は、鈍足なためにほぼ移動せずに火砲で支援砲撃する戦列砲艦を後衛とし、突撃艦、駆逐艦、高速砲艦、を前衛として、近接戦闘で雌雄を決するのが普通となっている。
言ってしまえば、ファンタジー世界における戦闘をイメージしてもらえばよい。
突撃艦は前衛”盾役戦士”、駆逐艦は前衛”軽装戦士”、高速砲艦は”主力戦士”、戦列砲艦は”魔法使い又は弓兵”と考えればわかりやすい。
以上のことから、戦列砲艦を除く三種の艦艇は、マニューバを習得して格闘戦を行うのが普通である。特に突撃艦は、その機動性によって敵艦を圧倒し、後衛に敵を通さないように務める必要がある。
●航宙艦の防御機能:
先の説明でこの世界の航宙艦は、【防護領域=FRF防御帯】で防御を行っていることを解説した。
これは言い換えれば、【ダメージの約八割~全て】を削減する選択式シールド領域と考えることが出来、飽和攻撃を長期間受け続けるとその機能が著しく低下する特徴を持つ。
新式の重力波砲、及び軌道砲は、仮に防御した場合、大幅にシールド領域を削減、又は消滅させてしまう。そのうえで粒子砲などで追撃を受けると、そのまま素通しでダメージを受ける羽目になる。
この機能の低下は、攻撃をほとんど受けない回避状態に艦艇を置くことで瞬間的に回復される。こういった動作のことを【回復機動】と呼び、本作品の宇宙戦闘においての基本の一つになっている。
なお、攻性機雷はそのままでシールド領域を通過できるが、逆にシールド領域を削減することもない。
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