16 / 21
Chapter 0
Section 8: 旅立ちの時
しおりを挟む
激しく振り始めた吹雪の中、ジオは残る4機のバインダーのうちの1機に向かって高速で奔った。
それはもはや肉眼では捉えられぬ速度であったが、それに相対したバインダーは、動きが緩慢そうに見えるその外見とはうらはらの、超高速でジオとの間合いを広げたのである。
そのまま、その1機の手にする重力場の剣が一閃される。ジオはその致死の斬撃を数ミリの距離で避けて、そのまま間合いを詰めにかかる。
バインダーは補助バーニアをふかしつつ間合いを取ろうとするが、ジオのスピードを振り切ることは出来なかった。
次の瞬間、高速の拳が光の帯を纏いながら流星のようにバインダーに飛んだ。
ドン!!
バインダーの装甲が剥がれて宙を舞う。しかし、そのバインダーは動きを止めることなくジオの頭の上、――空を舞ってジオの背後へと降り立った。
【は!!】
ジオの背後の1機、そしてジオを左右から挟み込むような位置の2機が、その重力場の剣を同時にふるう。
ジオはその斬撃を一つ一つ、間を縫うように避けて、そして地面を蹴って宙を舞った。
【死ね!】
最後の1機のバインダーが、宙を舞うジオに銃口を向ける。さすがのジオも、足場のない空中で重力波砲を避けることは出来ないと思われた。
――しかし、
「unlocking key.Scaffolding in the Void! additional settings.light staircase!」
不意に電子魔法の詠唱が聞こえてくる。それは――、
「お待たせお兄ちゃん! 私がいつもみたいにサポートするから、全力で叩き潰しちゃって!!」
航宙挺の艦首付近に立ったミィナがその手をジオに向けている。それに従うように、二機のドローンが宙を奔りジオの元へと向かった。
ドン!
バインダーの銃口が火を吹き、重力波のビームがジオへと迫る。しかし、ジオは慌てず、その場でステップを踏んで空中で軌道を変えたのである。
【?!】
足場のないはずの空中で、軌道を変えてみせたジオに驚きの目を向けるバインダーの兵たち。
実は、先ほどミィナが唱えた電子魔法は、空中に光の足場を生み出す魔法であり、ジオはそれを利用して空中を自在に走ることが出来るのである。
ジオが空を不規則蛇行しながらバインダーの1機に迫る。慌てたそのバインダーは重力場剣で迎撃しようとして……、次の瞬間にはジオを見失っていた。
【右だ!!】
仲間がそう叫ぶがもう遅い。
ズドン!!
激しい衝撃とともにバインダーの装甲が吹き飛び、そして中の搭乗者の姿をさらした状態でその1機は沈黙した。
【クソ!!】
別の1機がその銃口をジオへと向ける。しかし――、
ドンドン!!
空中から無数のレーザービームが降り注いでその装甲を砕いた。
【な?! 航宙艇からの援護射撃?!】
まさしくその通り。空を舞う航宙艇のその側面に設置された凝集光砲門から、無数のレーザービームが雨のようにバインダーへと降り注いだのである。
楚々の援護射撃は、バインダーの1機を沈黙させるだけにはとどまらず、残りのバインダーの気を逸らす役にもたった。
一瞬気のそれたバインダーの残る2機へと高速で奔ったジオが、その拳でその重装甲を叩き砕いたのである。
そして、そのまま全ての人型バインダーは沈黙――、ジオはそれを見て息をついて空を見上げた。
「お兄ちゃん!!」
「おう! 追手が掛かる前に逃げるぞ!」
ジオはその言葉とともに空へと飛翔する。そのまま航宙艇の甲板に着地した。
「あいつ……、本当にやりやがった」
エリオットが半ば呆れ顔で笑いながらジオの姿を見つめた。
「ジオ! 艦橋に入れ! この場を離れる!!」
そう言ってロバートは艦橋の側面にある扉を開いてジオを招いた。
――かくして、吹雪く雪の中、側面から煙を吹く航宙艇はゆっくりと宙を舞いその場を離れていった。
しかし、とりあえずの危機は脱したとはいえ、追手がかけられるのは確実であり、その行く手は吹雪く夜闇の先のように見通すことが出来なかった。
◇◆◇
「それで……、これからどうするんだ? このままじゃ、この航宙挺も30分持たずに墜落するが……」
エリオットの言葉に管理体であるティアナが答える。
【ここから北東……、無人の鉱山跡に向かってください。そこに私の乗ってきた航宙艦があります】
「ほう? 航宙艦って……、あの時の突撃艦ですか?」
ジェレミアがそうティアナに聞くと、それに対し直ぐに反応が帰ってきた。
【あの時……、そういえばあなた達は、あの時の海賊さんたちだったんですね?】
「ええ……、見事にヴェロニアにやられましたが」
【そうです。そのときに私が乗ってきた航宙艦です】
「ふむ……、そんなところに隠していたんですか」
そのジェレミアの言葉に、ティアナは一瞬言葉を濁してそして答えた。
【いえ……、その、実はもう乗るつもりはなかったので……】
「ん?」
その場の全員が疑問を心に宿す。
【多分……壊れてはいないと思いますが……】
そのなんとも奥歯に物が挟まったような物言いに、その場の全員が首を傾げる。でも、その理由はすぐに分かることになった。
◇◆◇
この惑星クランにも、一応資源らしきものはあった。
そのための鉱山が各所に存在していたが、それもすぐに枯れてしまう程度のものであり、そこもそうして枯れて誰も近付かなくなった場所の一つであった。
その巨大な縦坑道の底、そこにその航宙艦は存在していた。
「……」
ティアナを除く全ての者が困った表情でそれを眺める。
「これは……また」
さすがのジオも呆れた表情でそう呟く。それもそのハズ、目の前には全長120m級の戦闘航宙艦があるのだが――。
「見事にひっくり返っているね、お兄ちゃん」
苦笑いしながらミィナがそう呟いた。
――そう、その航宙艦は本来なら上部に位置する艦橋部を下にして、ひっくり返った状態で鎮座していたのである。
「この惑星に不時着したときに操艦を間違えちゃって」
「まあ……、管理体が補助要員使わずに操艦すればこうなるわな」
ティアナの言葉に、ロバートが苦笑いして答えた。
「……これって飛べるのか?」
ジオが首を傾げながらそう呟く。それに答えたのはロバートである。
「普通は無理だな……、ここは狭いし、この状況からの復帰はミクロン単位の超人的操艦技術が必要になる」
その言葉にその場の全員が沈黙する。
「でも……、他に航宙艦とか探す余裕はないだろ? この惑星にいる限りヴェロニアに追われ続けることになるし」
ジオの言葉にその場の全員が頷く。現状、この惑星クランを脱出して逃げる以外に、ヴェロニアの魔の手から逃れるすべはない。
「ふう……」
不意にエリオットがため息を付いて頭をかいた。
「正直うまくいくかはわからん。俺自身この難易度の操艦は珍しいから……な」
「え? おっさん?」
エリオットの言葉にジオがそう呟く。エリオットはジオを睨みつけて答えた。
「おっさんじゃねえ……小僧。エリオットだ」
エリオットはその航宙艦を見つめて言う。
「まあ……、この場を脱しても、宇宙に上がればヴェロニアの宇宙艦隊との戦闘が待ってる。正直、勘弁願いたい話だが……、逃げるつもりはないよな?」
「……」
エリオットの言葉にその場の全員が頷く。
「じゃあ決まりだ……、あの船は俺が操艦する。あと、アランは砲術士、ドミニクは機関士、ジェレミアは索敵士を頼む」
その言葉に呼ばれた三人は頷く。そして――、
「あと、統合指揮する艦長は……、小僧は無理だな」
「ぬ……」
その言葉に少し不満げにジオはむくれるが……、
「おやじさん……艦長を頼んでいいっすか?」
そう言ってエリオットはロバートに頭を下げる。それに対して苦笑いをしながらロバートは頷いた。
「わかった……、この場で経験があるのは俺だけみたいだからな」
「決まりだな……、あと小僧、お前はこの先どうするかを決めろ」
そのエリオットの言葉に驚きの目を向けるジオ。
「え? 俺が? 艦長じゃないのに?」
「艦長と……、進む先を決めるリーダーは別だ。お前は……、お前が彼女――、ティアナとともに宇宙に出ることを決めたんだからその責任を取れ」
「む……」
エリオットの言葉に少し考えたジオは頷いて答えた。
「わかった! 任せてくれ、おっさん……いや、エリオット」
「ふ……わかればいい」
エリオットはニヤリと笑ってジオの肩に手を置いた。
ジオは歯を見せて笑ってティアナへと向き直る。
「ティアナ……行こうぜ! 宇宙へ」
「……うん。もう一度宇宙へ」
不意にジオが真面目な顔をしてティアナに問う。
「そういえばこの航宙艦の名前ってなんだ? これが”応龍”なのか?」
「いいえ……これは、かつての大戦において”応龍”随伴の護衛突撃艦として十二隻建造され、そして激しい戦闘の中で唯一一隻生き残った船――」
ティアナの言葉を聞いたその場の全員が驚きの表情を作る。その艦名とは――、
「四聖獣・青龍級突撃艦の三番艦――。”奇跡の不沈艦”……【迅龍】……よ」
それが、ジオ達の新しい”我が家”の名前であった。
それはもはや肉眼では捉えられぬ速度であったが、それに相対したバインダーは、動きが緩慢そうに見えるその外見とはうらはらの、超高速でジオとの間合いを広げたのである。
そのまま、その1機の手にする重力場の剣が一閃される。ジオはその致死の斬撃を数ミリの距離で避けて、そのまま間合いを詰めにかかる。
バインダーは補助バーニアをふかしつつ間合いを取ろうとするが、ジオのスピードを振り切ることは出来なかった。
次の瞬間、高速の拳が光の帯を纏いながら流星のようにバインダーに飛んだ。
ドン!!
バインダーの装甲が剥がれて宙を舞う。しかし、そのバインダーは動きを止めることなくジオの頭の上、――空を舞ってジオの背後へと降り立った。
【は!!】
ジオの背後の1機、そしてジオを左右から挟み込むような位置の2機が、その重力場の剣を同時にふるう。
ジオはその斬撃を一つ一つ、間を縫うように避けて、そして地面を蹴って宙を舞った。
【死ね!】
最後の1機のバインダーが、宙を舞うジオに銃口を向ける。さすがのジオも、足場のない空中で重力波砲を避けることは出来ないと思われた。
――しかし、
「unlocking key.Scaffolding in the Void! additional settings.light staircase!」
不意に電子魔法の詠唱が聞こえてくる。それは――、
「お待たせお兄ちゃん! 私がいつもみたいにサポートするから、全力で叩き潰しちゃって!!」
航宙挺の艦首付近に立ったミィナがその手をジオに向けている。それに従うように、二機のドローンが宙を奔りジオの元へと向かった。
ドン!
バインダーの銃口が火を吹き、重力波のビームがジオへと迫る。しかし、ジオは慌てず、その場でステップを踏んで空中で軌道を変えたのである。
【?!】
足場のないはずの空中で、軌道を変えてみせたジオに驚きの目を向けるバインダーの兵たち。
実は、先ほどミィナが唱えた電子魔法は、空中に光の足場を生み出す魔法であり、ジオはそれを利用して空中を自在に走ることが出来るのである。
ジオが空を不規則蛇行しながらバインダーの1機に迫る。慌てたそのバインダーは重力場剣で迎撃しようとして……、次の瞬間にはジオを見失っていた。
【右だ!!】
仲間がそう叫ぶがもう遅い。
ズドン!!
激しい衝撃とともにバインダーの装甲が吹き飛び、そして中の搭乗者の姿をさらした状態でその1機は沈黙した。
【クソ!!】
別の1機がその銃口をジオへと向ける。しかし――、
ドンドン!!
空中から無数のレーザービームが降り注いでその装甲を砕いた。
【な?! 航宙艇からの援護射撃?!】
まさしくその通り。空を舞う航宙艇のその側面に設置された凝集光砲門から、無数のレーザービームが雨のようにバインダーへと降り注いだのである。
楚々の援護射撃は、バインダーの1機を沈黙させるだけにはとどまらず、残りのバインダーの気を逸らす役にもたった。
一瞬気のそれたバインダーの残る2機へと高速で奔ったジオが、その拳でその重装甲を叩き砕いたのである。
そして、そのまま全ての人型バインダーは沈黙――、ジオはそれを見て息をついて空を見上げた。
「お兄ちゃん!!」
「おう! 追手が掛かる前に逃げるぞ!」
ジオはその言葉とともに空へと飛翔する。そのまま航宙艇の甲板に着地した。
「あいつ……、本当にやりやがった」
エリオットが半ば呆れ顔で笑いながらジオの姿を見つめた。
「ジオ! 艦橋に入れ! この場を離れる!!」
そう言ってロバートは艦橋の側面にある扉を開いてジオを招いた。
――かくして、吹雪く雪の中、側面から煙を吹く航宙艇はゆっくりと宙を舞いその場を離れていった。
しかし、とりあえずの危機は脱したとはいえ、追手がかけられるのは確実であり、その行く手は吹雪く夜闇の先のように見通すことが出来なかった。
◇◆◇
「それで……、これからどうするんだ? このままじゃ、この航宙挺も30分持たずに墜落するが……」
エリオットの言葉に管理体であるティアナが答える。
【ここから北東……、無人の鉱山跡に向かってください。そこに私の乗ってきた航宙艦があります】
「ほう? 航宙艦って……、あの時の突撃艦ですか?」
ジェレミアがそうティアナに聞くと、それに対し直ぐに反応が帰ってきた。
【あの時……、そういえばあなた達は、あの時の海賊さんたちだったんですね?】
「ええ……、見事にヴェロニアにやられましたが」
【そうです。そのときに私が乗ってきた航宙艦です】
「ふむ……、そんなところに隠していたんですか」
そのジェレミアの言葉に、ティアナは一瞬言葉を濁してそして答えた。
【いえ……、その、実はもう乗るつもりはなかったので……】
「ん?」
その場の全員が疑問を心に宿す。
【多分……壊れてはいないと思いますが……】
そのなんとも奥歯に物が挟まったような物言いに、その場の全員が首を傾げる。でも、その理由はすぐに分かることになった。
◇◆◇
この惑星クランにも、一応資源らしきものはあった。
そのための鉱山が各所に存在していたが、それもすぐに枯れてしまう程度のものであり、そこもそうして枯れて誰も近付かなくなった場所の一つであった。
その巨大な縦坑道の底、そこにその航宙艦は存在していた。
「……」
ティアナを除く全ての者が困った表情でそれを眺める。
「これは……また」
さすがのジオも呆れた表情でそう呟く。それもそのハズ、目の前には全長120m級の戦闘航宙艦があるのだが――。
「見事にひっくり返っているね、お兄ちゃん」
苦笑いしながらミィナがそう呟いた。
――そう、その航宙艦は本来なら上部に位置する艦橋部を下にして、ひっくり返った状態で鎮座していたのである。
「この惑星に不時着したときに操艦を間違えちゃって」
「まあ……、管理体が補助要員使わずに操艦すればこうなるわな」
ティアナの言葉に、ロバートが苦笑いして答えた。
「……これって飛べるのか?」
ジオが首を傾げながらそう呟く。それに答えたのはロバートである。
「普通は無理だな……、ここは狭いし、この状況からの復帰はミクロン単位の超人的操艦技術が必要になる」
その言葉にその場の全員が沈黙する。
「でも……、他に航宙艦とか探す余裕はないだろ? この惑星にいる限りヴェロニアに追われ続けることになるし」
ジオの言葉にその場の全員が頷く。現状、この惑星クランを脱出して逃げる以外に、ヴェロニアの魔の手から逃れるすべはない。
「ふう……」
不意にエリオットがため息を付いて頭をかいた。
「正直うまくいくかはわからん。俺自身この難易度の操艦は珍しいから……な」
「え? おっさん?」
エリオットの言葉にジオがそう呟く。エリオットはジオを睨みつけて答えた。
「おっさんじゃねえ……小僧。エリオットだ」
エリオットはその航宙艦を見つめて言う。
「まあ……、この場を脱しても、宇宙に上がればヴェロニアの宇宙艦隊との戦闘が待ってる。正直、勘弁願いたい話だが……、逃げるつもりはないよな?」
「……」
エリオットの言葉にその場の全員が頷く。
「じゃあ決まりだ……、あの船は俺が操艦する。あと、アランは砲術士、ドミニクは機関士、ジェレミアは索敵士を頼む」
その言葉に呼ばれた三人は頷く。そして――、
「あと、統合指揮する艦長は……、小僧は無理だな」
「ぬ……」
その言葉に少し不満げにジオはむくれるが……、
「おやじさん……艦長を頼んでいいっすか?」
そう言ってエリオットはロバートに頭を下げる。それに対して苦笑いをしながらロバートは頷いた。
「わかった……、この場で経験があるのは俺だけみたいだからな」
「決まりだな……、あと小僧、お前はこの先どうするかを決めろ」
そのエリオットの言葉に驚きの目を向けるジオ。
「え? 俺が? 艦長じゃないのに?」
「艦長と……、進む先を決めるリーダーは別だ。お前は……、お前が彼女――、ティアナとともに宇宙に出ることを決めたんだからその責任を取れ」
「む……」
エリオットの言葉に少し考えたジオは頷いて答えた。
「わかった! 任せてくれ、おっさん……いや、エリオット」
「ふ……わかればいい」
エリオットはニヤリと笑ってジオの肩に手を置いた。
ジオは歯を見せて笑ってティアナへと向き直る。
「ティアナ……行こうぜ! 宇宙へ」
「……うん。もう一度宇宙へ」
不意にジオが真面目な顔をしてティアナに問う。
「そういえばこの航宙艦の名前ってなんだ? これが”応龍”なのか?」
「いいえ……これは、かつての大戦において”応龍”随伴の護衛突撃艦として十二隻建造され、そして激しい戦闘の中で唯一一隻生き残った船――」
ティアナの言葉を聞いたその場の全員が驚きの表情を作る。その艦名とは――、
「四聖獣・青龍級突撃艦の三番艦――。”奇跡の不沈艦”……【迅龍】……よ」
それが、ジオ達の新しい”我が家”の名前であった。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
後悔と快感の中で
なつき
エッセイ・ノンフィクション
後悔してる私
快感に溺れてしまってる私
なつきの体験談かも知れないです
もしもあの人達がこれを読んだらどうしよう
もっと後悔して
もっと溺れてしまうかも
※感想を聞かせてもらえたらうれしいです
保健室の秘密...
とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。
吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。
吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。
僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。
そんな吉田さんには、ある噂があった。
「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」
それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。
MMS ~メタル・モンキー・サーガ~
千両文士
SF
エネルギー問題、環境問題、経済格差、疫病、収まらぬ紛争に戦争、少子高齢化・・・人類が直面するありとあらゆる問題を科学の力で解決すべく世界政府が協力して始まった『プロジェクト・エデン』
洋上に建造された大型研究施設人工島『エデン』に招致された若き大天才学者ミクラ・フトウは自身のサポートメカとしてその人格と知能を完全電子化複製した人工知能『ミクラ・ブレイン』を建造。
その迅速で的確な技術開発力と問題解決能力で矢継ぎ早に改善されていく世界で人類はバラ色の未来が確約されていた・・・はずだった。
突如人類に牙を剥き、暴走したミクラ・ブレインによる『人類救済計画』。
その指揮下で人類を滅ぼさんとする軍事戦闘用アンドロイドと直属配下の上位管理者アンドロイド6体を倒すべく人工島エデンに乗り込むのは・・・宿命に導かれた天才学者ミクラ・フトウの愛娘にしてレジスタンス軍特殊エージェント科学者、サン・フトウ博士とその相棒の戦闘用人型アンドロイドのモンキーマンであった!!
機械と人間のSF西遊記、ここに開幕!!
もうダメだ。俺の人生詰んでいる。
静馬⭐︎GTR
SF
『私小説』と、『機動兵士』的小説がゴッチャになっている小説です。百話完結だけは、約束できます。
(アメブロ「なつかしゲームブック館」にて投稿されております)
『星屑の狭間で』(チャレンジ・ミッション編)
トーマス・ライカー
SF
政・官・財・民・公・軍に拠って構成された複合巨大組織『運営推進委員会』が、超大規模なバーチャル体感サバイバル仮想空間・艦対戦ゲーム大会『サバイバル・スペースバトルシップ』を企画・企図し、準備して開催に及んだ。
そのゲーム大会の1部を『運営推進委員会』にて一席を占める、ネット配信メディア・カンパニー『トゥーウェイ・データ・ネット・ストリーム・ステーション』社が、配信リアル・ライヴ・バラエティー・ショウ『サバイバル・スペースバトルシップ・キャプテン・アンド・クルー』として、順次に公開している。
アドル・エルクを含む20人は艦長として選ばれ、それぞれがスタッフ・クルーを男女の芸能人の中から選抜して、軽巡宙艦に搭乗して操り、ゲーム大会で奮闘する模様を撮影されて、配信リアル・ライヴ・バラエティー・ショウ『サバイバル・スペースバトルシップ・キャプテン・アンド・クルー』の中で出演者のコメント付きで紹介されている。
『運営推進本部』は、1ヶ月に1〜2回の頻度でチャレンジ・ミッションを発表し、それへの参加を強く推奨している。
【『ディファイアント』共闘同盟】は基本方針として、総てのチャレンジ・ミッションには参加すると定めている。
本作はチャレンジ・ミッションに参加し、ミッションクリアを目指して奮闘する彼らを描く…スピンオフ・オムニバス・シリーズです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる